ロシア・サハリン
元準内地・豊原(ユジノサハリンスク)郊外
<<フキ!大丈夫!?>>
千束の声が通信機越しから聞こえる。
突然の千束の登場にフレディは、ひとまずフキに通信の主導権を渡した。
「あぁ、まぁ何とかな。」
<<良かったぁ・・・あ、待って!なんか変なことされてない?>>
「変なことってなんだ?」
フキの質問に千束は口を
<<えっと・・・例えば拘束されたり・・・>>
確か・・・
ユジノサハリンスク空港で拘束されたのを思い出したフキは”そのまま”答える。
「確かに拘束はされたなー」
<<やっぱり!!>>
「やっぱりってなんだよ!」
<<あぁ・・・フキは・・・>>
千束の落胆ぶりにわけがわからないフキ。
そのやり取りを見たフレディが口酸っぱく言う。
「
突然、フレディの声が聞こえたのか慌てて訂正する千束。
<<ち、違う!そんなことじゃないですって!あははは・・・>>
「泣ける話だな。」
フレディの皮肉を込めて言った。
皮肉たっぷりの一言にサクラがちょっと吹き出した。
そんなサクラに対して肘打ちするフキ。
それを他所にモモは何か悩んでいる模様。
フキは千束に問いかける。
「で?何か用か?」
<<いやぁ~・・・リーさんが突然、『フキたちは助からない』って聴いて、これからそっちに向かう予定だったんだ。でも、聞いた感じそうでも無さそうねぇ~>>
千束は通信機越しで言い放つもニヤニヤしている感じが薄っすらと感じた。
フキはキレる。
「なに、ニヤけてんだ。」
<<いやいや!私だけじゃなく店長も心配してたんだよ?>>
「なっ!?」
千束の言葉で赤らめるフキ。
恐らくミカに
DAのエージェントとは言えど所詮は子供か。
中身のない恋バナよりも、中身のある本音を聞きたいフレディ。
フレディはイーダに合図を送って、フキを通信機からどかせる。
代わりにフレディが通信機の主導権を握る。
「んで、千束お嬢はこっち来る予定って聞いたが、マジで来る気だったのか?」
<<う~ん・・・実際のところ行ったところで捕まるってリーさんに言われたから、あくまでも予定だっただけ。>>
「なるほど。それはそれで正解だな。」
<<正解で良かった。ところでさぁ・・・フレディさん、ひとついいかな?>>
先程のテンションとは打って変わって、しょぼくれた質問を投げかける千束。
嫌な予感がするフレディだが、その予感は的中する。
<<なんで私たちの言葉を受け取れないの?>>
やはり・・・
フレディは思いっ切りため息を吐く。
そのため息を聞いた千束はフレディに迫る。
<<だ、ダメなの!?喫茶リコリコに来た時も!私を助けた時も!たきなを救ってくれた時も!延空木の時も!>>
千束の必死の言葉に対してフレディは無言を貫く。
言葉という”冷たいナイフ”がフレディを刺しているのだ。
<<私だけじゃない!たきなやそこにいるフキたち、店長に司令にもなんでー>>
「黙れ。」
<<っ!>>
狼の
狼ことフレディは言う。
「小娘如きに
子供の前で悪役を演じるフレディ。
それを知らない千束は直ぐに謝った。
<<ご、ごめんなさい・・・ただー>>
それでも諦めない千束にフレディはある条件で
「
フレディの答えが千束の
その報酬が千束にとって、いや喫茶リコリコにおける予期せぬ喜びであった。
<<ー!!はいっ!待ってますね!あ、店長とクルミ?ーーーわかった。フレディさん、ありがとう。>>
「あぁ、またな。」
次回⇒【成立】
Q:感謝を受け取れない獣にそんなに言う資格あるの?
A:フレディという大人は”全て”が終わらない限り受け取るつもりはない。
Q:今までの作風と毛色が変わった気がするけど?
A:気のせいです。え?気のせいだよね?ただ単に初代007シリーズに落とし込んだ…あっ、そっか(流行りに乗れない作者)。
Q:”言葉”ってそんなに影響力あるの?
A:慰めに聞こえても暴力装置にもなるから”日本語”の言葉選びは難しい。