軛を解き放て   作:クマぴょん

13 / 21
Q&Aコーナーのネタがなくなりそう。


【成立】

 

 

ロシア・サハリン

元準内地・豊原(ユジノサハリンスク)郊外

神美(シェンメイ)の山荘にて。

 

通信機越しではあるが、クルミとミカ、リーの声がそれぞれ聞こえる。

彼らの答え次第で状況は変わる。

だが、これはジャブ。

日本側にも防衛線と内通者(スパイ)によるテロ予防もある。

まだ取引のカードはあるがそれを時間が許すと思っていない。

時間が無くても日本にいる彼らの答えさえあれば、後でお釣りが来るぐらいだ。

フレディは待つしか他になかった。

喫茶リコリコの店長であるミカが通信機越しで答えを出した。

 

<<DAの・・・代理として答えよう。フレディ、君の取引に応じる。>>

 

第一関門は突破した。

すぐさまに指示を仰ぐフレディ。

 

「了解した。イーダ!準備しろ!」

 

イーダは(うなず)いて別の無線機で他の部隊との連絡をしている。

次は第二関門のカードだ。

この”カード”の受け取り次第でフキたちを安全に日本に戻れるか否かで変わる。

第2のカードについてミカが問いかけた。

 

<<フレディ、君が追っている派閥は何者なんだ?>>

 

フレディは喜んだ。

来た!

この質問こそが第2のカードを切れる要素だ。

フレディは答える。

 

「説明を色々と省いて言うと”アラン機関”の元執行部隊だ。分かりやすく言えば”吉松シンジ”の私兵と呼ぶべきだな。」

<<なんだとっ!?>>

<<フレディ、どういうことだ?>>

 

ミカとクルミが(うな)る。

2人の脳内では吉松シンジがこの世に居ないとされている。

実際には身内の仲間割れで消息不明であり、知っているのはミカをはじめとするクルミだけが知っている。

なのに今更、吉松シンジの私兵が日本に襲来すること自体あり得ないことだ。

そもそもの話、吉松シンジの私兵は姫蒲だけだと思っていた節もある。

謎が謎を呼ぶがフレディが全ての情報を握っていた。

 

旧電波塔事件(約10年前)(さかい)にジョージが誘ったフランス国家警察の特別介入部隊(RAID)(オレ)が追っている派閥であり、軍隊でもある。それを吉松は私兵として雇っていたが、ジョージと吉松を失った彼らは暴走機関車となって、内地(日本)とDAを焦土化する手筈(てはず)となってー」

 

フレディの情報に淡々と広げる中、クルミが間に入ってきた。

 

<<おい、ちょっと待て!ジョージと吉松(2人)が失った情報はどこから漏れたんだ!?>>

「ラジアータ。これでいいか?」

<<そんなことは不可能だろ!ボクやカズキがバックヤードで支えたんだ。いくら何でもー>>

「ラジアータの製造過程でアラン機関が関わっていたら?」

<<はぁ!?>>

 

フレディの答えでクルミは驚きを隠せない。

ただその答えを導き出した1人の(おとこ)が言う。

永埜一稀(ナガノカズキ)ことリーである。

 

<<アラン機関麾下(きか)の第四次会社がラジアータの設計理念を携わっているんだ。>>

 

リーの答えにミカとクルミが黙った。

いや、どこでそんな情報を見つけ出したんだ?

というのが正しいだろう。

2人の無言の圧力の中でリーは答える。

 

<<ラジアータの設計理念は60年代まで(さかのぼ)る。だが、DAはソレを見いだせないまま時が過ぎる。そんな中、第三次高度成長期、しかも江戸城再建の時期にラジアータの原型として提供した会社の大口がアラン機関だったわけだ。>>

「そうだ。そして丁度、旧電波塔の設計もその会社が携わっているし、遺構として残した案もその会社が諸悪の根源だったりするわけだ。」

<<アラン機関に一杯食わされたってわけだ。してやられたな・・・>>

 

一杯・・・で済んでいれば、今ごろ千束お嬢は”生きてすら居ない”が。

と口に出してしまいそうでフレディの心の中で留まる。

リーがミカに提案する。

 

<<ミカの旦那、ここは奴を信じるしかない。奴の”カード”を受け取らないとDAや内地(日本)だけじゃない。お嬢たちの未来が霧散(むさん)して無くなる。国外に逃げても無駄だ。>>

<<しかしながら・・・これは私だけでの判断じゃ無理がある。>>

 

リーの提案を拒んだミカ。

相手が相手だけにDAの代理として答えられる力が無いのだ。

ましてや、大艦隊を保有して焦土化するなんて勝ち目すら無い。

ここにベテラン傭兵集団(フリッツたち)が居れば・・・

 

「ミカの旦那。後の事より今ここで決めないと千束お嬢たちの運命が無くなるのも当然だ。大人たちが命を()してあの子たちを守るのが筋じゃないのか?」

 

フレディの答えは百も承知だ。

だが、ミカには迷いが生じている。

目をつぶり試行錯誤をするミカを横目にリーが答える。

 

<<フレディ、”貴様は出来る”んだな?>>

「あぁ。既に手配している。大艦隊を含めて(オレ)の私兵と他の軍組織によって時間稼ぎは出来る。」

<<あとはここに居る内地(日本)だけって事か?>>

「そうだ。」

<<だ、そうだ。旦那・・・いや、()えて千束お嬢に聞こうか。>>

 

通信機越しでざわめきだした。

リーの突発的な提案で騒ぎを起こしている。

ただ、リーの提案はある程度の線は言えている。

大人たちが右往左往するぐらいなら、いっそ子供たちに間接的視点から答えてもらう算段だ。

どっちにしろ、子供たちの運命が左右するのに変わりはないのだからーーー。

 

 

次回⇒【親鳥】




Q:公式設定資料には載ってない事を描くなよ…
A:載っていないからこその創作。全てが忠実に描いていたら書き下ろしの赤の他人ではなくて?
PS:二次創作自体、黒よりのグレーゾーンだから表現規制派が現れたら全ての二次創作が消えるんだがな(06/13 1430時追記)。

Q:ラジアータの設定、盛りすぎて分からん。
A:設定は確かに盛っているが、ラジアータはアニメ本編で他所もんの製品って言うてなかったか?作者の聞き間違いじゃなければそうだと思うが。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。