ロシア・サハリン
元準内地・大泊(コルサコフ)
倉庫から出た車輌3台は、コルサコフ港に向けて出発した。
ただ直線で走れば10分足らずで到着するが、フレディ曰く、
「生石灰弾の塊が着弾地点だ。わざとそこに集中させて執行部隊と艦隊の連携を取らないようにしてる。突っ切るのは子供たちが更に悲しむだろう。」
とのことらしい。
フキたちを思ってのルートを
死体よりも
迂回ルートで港に向かう。
そんなフレディは先頭車輌の上に膝立ちして、殺傷能力が高い異形の銃ブルズアイを構えてる。
彼は先導して、目的地を案内していく最中にとある通信を拾う。
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「ーーーは?今なんて?」
イーダはフレディからの通信を聞いて呆れてた。
<<もう一度言う。アビスと古参兵の連中がしくじって、肝心の船は執行部隊が占拠している状態だ。>>
「どう打破するつもり?」
イーダの隙の無い応答にフレディは黙る。
聞こえるのは車輌のタイヤ音と生石灰弾が弾着した音だけ。
「まぁいいわ・・・着くまでに答えが出たら言って。」
<<済まない。アウト。>>
フレディの報告にイーダは首を振る。
計画の一部が破綻し、これからの行動はフレディの一存に賭ける。
ここからは”運”との戦いとなった。
イーダはフキたちを見て言う。
「フキちゃんたち良く聞いてね。」
イーダの問いにフキたちは頷く。
それを確認したイーダは、
「最悪の場合を想定してあのバカは”ここ”に居残り続ける可能性があるわ。それでもフキちゃんたちは
究極の選択だ。
フレディは何が何でも執行部隊とその長であるジェームズを仕留める。
その為には戦力分けて、亡命組と徹底抗戦組に分けないと行かなくなる。
戦力の分散は愚策ではあるものの、この死の都市と化した場所に留まるよりかは幾分マシである。
ならば強行突破してでも船を
しかしながら、
フレディの帰還が不可能な状態かつ帰還した場合、フキたちは左遷人事として
フキは目をつぶって、どうにかしてフレディの帰還を模索する。
が、それは叶わなかった。
フレディからの通信が入る。
<<敵戦闘車による発砲煙を視認!1号車は
フレディの判断は的確ではあったものの、フキたちの答えには応答せずに交戦状態になってしまった。
DAエージェントや
「おいっ!バカ待て・・・!」
イーダは吠えるも、フレディと1号車は応答せず機関砲のやり取りしか聞き取れなかった。
もはや後戻りできない。
イーダは再びフキたちを見て言う。
「もう後戻りはできないわ。いい?
フキたちの答えも無しにイーダは
「あと
「解っているわ。でもイーダ。」
焦りに焦って、切羽詰まっているイーダに問う
「なに?」
「無理そうなら・・・」
「解っているけど、無駄よ。」
イーダは覚悟を決めていた。
どんなことであろうとも
それが命を代償としても・・・だ。
「そう・・・」
互いにフレディに救われた身。
互いに助け合った身。
それが引き裂かれようとしても、彼女は彼と共に散る運命なのだろう。
イーダと
いや、1人だけ銃の手入れをしていたエージェントが居た。
カーストの最下位に当たるベージュを身にまとったモモである。
「やるしかない・・・やるしかないんだ・・・」
と独り言を言いながら、震えた手で拳銃を手入れした。
未熟ながらも覚悟は決まっている。
未だに実戦経験のないモモを見たサクラも一緒に銃の手入れを始める。
出来ていないのはフキのみ。
DAの任務を優先すべきだが、状況が状況だ。
もはや、賽は投げられており、彼がその気で居るならばDAの任務は飾りに過ぎない。
大きく深呼吸をしてからフキもサクラとモモと共に銃の手入れを行い、最終的には安全装置を解除した。
次回⇒【英傑】