ノンフィクションにフィクションを混ぜるのって難しい…難しくない?
日本・某所
DA本部・司令室にて。
楠木司令を始めとするDA組と喫茶リコリコ組が司令室に居た。
最初こそは名も知らないサードリコリスも組み込む予定だったが、セカンド昇級試験が控えているので編成から外した。
DAからは”フキ”。
喫茶リコリコには”たきな”が選出された。
サクラやエリカ、ヒバナ、千束は選出されなかった・・・いや、出来なかったと言った方がいいだろう。
選出理由は『情に出やすい』という理由から外している。
それは以下の通りだ。
・サクラは延空木事件で被弾した際、彼の”号令”で救われており、再度出会ったときに情が露わになる可能性
・エリカに至っては傭兵集団との模擬戦闘で人質解放の際、彼によって直接救われているので選出外
・ヒバナは直接、彼との接点はないもののエリカと共に彼と手紙でやり取りしていたのを、”リー”から聞き出した
・最後に千束。言わずもがなだが、『感謝の気持ちを伝えてない』時点で接するのは危険極まりないとして外した
4名は外したが、残りの2名でさえ怪しい。
フキもたきなも”彼”に情を出す可能性もないわけではない。
楠木司令・・・DAと私情の意味で”彼”には情が出ていた。
その感情を押し殺してまで、最後まで選んだのがフキとたきなの2人だ。
真っ先に噛みついたのが、サクラと千束だった。
2人の物言いは理解はできる。
楠木司令だって直接会いたいのだ。
だが、”彼”は決死の覚悟で死地に向かい、DAやフリッツ傭兵集団、強いては内地にいる”姉”と決別した上で内地には踏んでいない。
ただ、準内地である樺太であればチャンスはある。
もちろんのことではあるが、この機会を逃せば彼には二度会えないだろう。
楠木司令が眉間にしわを寄せながら考えると、フキが提案した。
「ここにいる全員で向かうことは出来ませんか?」
楠木以外の女子が一斉にフキを見た。
「流石ですね先輩!」「いいねぇ!フキぃ!そう来なくちゃ!」
サクラと千束の息はピッタリで『全員で彼に会う』方向に進んでいった。
が、楠木が
「ダメだ。」
「えっ?」「何でですか!?」「司令~なんでぇ・・・」
「全員での行動は危険が伴う。」
楠木は1つのファイルを取り出してはフキに手渡す。
フキはそのファイルをめくり、日本語では記載されてない1文を凝視した。
そんなフキを見た楠木は言う。
「千束たちがハワイに行った際、
「『Zeigen Sie kein Mitgefuhl.』・・・つまり『情に出すな』ってことですか?」
たきなのドイツ語の”答え”に楠木は深く頷いた。
そしてー
楠木は椅子を翻して、リコリスたちの目線を切る。
その間にフキは彼のファイルをたきなに渡す。
たきなはある1文を見て疑った。
その1文こそ、先程フキが凝視していたものと同じで、彼がよく口にする宗教学で語られているものであった。
たきなが楠木に言う。
「”これ”・・・本当の事ですか?」
「あぁ。彼が『最後に無線で発した』ものだと言っていた。永埜の事だ。確実な情報だと思って良いだろう。」
たきなは、ファイルに力が入ってファイルの一部が歪んだ。
そんなたきなを見て、サクラと千束がファイルを見る。
2人の目には文字が
何の文字か解らない2人は声を上げる
「な、何すか?これ?」
「さぁ?司令、何の文章なの?」
楠木は黙ったまま。
たきなが”アラビア語”を読み上げた。
「アクトゥルーニ・コブクァン・クトォラーーー」
「なんそれ?」
千束が首をかしげると、フキが答える。
「『殺される前に殺せ』・・・だ。ユダヤ聖典ではヘブライ語で翻訳されるが、わざわざアラビア語で残すぐらいだ。彼は”何かに”憑りつかれている可能性があると・・・そういうことですね?」
「かもしれない。解らないことだらけの彼だが、今度こそ解らない。」
楠木は再び椅子を翻した。
以前、出会った彼とは何か”違和感”がある。
延空木事件以来、この数ヶ月で彼の性格が180度変わっていた。
いや単純に、少年兵時代の性格が出てきただけかもしれないのだが・・・
いくら何でも変わりすぎていてそこにいる
そこに扉から、
コン、コン、コン
と音を立てた。
「入れ。」
楠木がそう言うと、司令秘書がパッドを持って入ってきた。
皆が皆、司令秘書を見守る中で楠木が問う。
「どうした?」
「永埜さんからです。」
と司令秘書はリコリスたちをかき分けては楠木の前に立つ。
パッドには永埜ことリーが映っていた。
<<楠木、例のファイルの件だがー>>
「それなら伝えてある。」
<<そうではない。アイツが関わって、性格が一変するほどの事件を発見・解読した。今からデータで送る。>>
と、画面が暗転してデータベース送信バーが映し出されていた。
そこにいる全員が見守る中、送信バーの先端が端に達すると映像が流れた。
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映像はーーー
テロ組織と警官や武装市民、軍隊との銃撃戦。
そして非戦闘員の虐殺だった。
成人の市民だけではなく老若男女問わない市民で、幼い子供も混じっていた
映像の一部には、最後まで抵抗しただろう警官や武装市民、兵士の
なんて『おぞましい』。
その一言に尽きる。
直後の映像では、テロ組織と軍隊に銃口を向けられた上で映像が真っ赤に華開く。
真っ赤に映る中で、1人だけ別格の動きをしていた。
外套を羽織り、古めかしい拳銃と騎兵銃の連射、銃弾を左腕で弾いては人間離れの動きをする。
ここにいる全員が求めていた人物、”フレディ”だ。
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皆が息を飲む中、彼は孤軍奮闘していた。
瞬間、映像は止まり、リーがパッドから答えを文章で導き出した。
・延空木から消えた奴はハワイで兵站を整えた後に、2個小隊ほどの傭兵をかき集めてブラジルへ現地入りした
・だが、絶対王政過激派組織と穏健派組織が対立して、空港での無差別テロが発生
・警官も軍隊も駆けつけたが、テロリストと民間人を問わずに発砲したがために状態が悪化
・後から駆けつけたフレディ率いる傭兵部隊によって鎮圧された
・無差別テロによって被害は、延空木事件や北押上爆破テロ、旧電波塔事件と合わせて5倍以上の被害を受けてブラジルは
・このテロを受けてフレディは人間不信に陥り、『情に出すな』、『殺される前に殺せ』を暗号を連続で発信
・”アラン機関”に煽られた沿海州でのテロを受けて樺太へ旅立つ
パッドを見ていた全員は唾を飲んだ。
彼は人間不信になりながらも”戦い”の道を選んだ。
リーが彼女たちに問う。
<<奴は今まで見た事件以上にこの無差別テロが余程ダメージがデカかった。現に戦友の2人を失った。フリッツたちを失う以上に・・・何故だかわかるか?>>
フレディの行動が今まで日本で活動していた頃よりも、しかもフリッツやワタナベを失った以上に”心”を失った原因。
楠木や司令秘書を始めとするリコリスたち彼女らは解らない・・・
いや、たきなは思い出したかのようにハッ!と顔上げた。
千束とフキがたきなを見て言う。
「たきな?」「何か解ったか?」
たきなは頷く。
そしてパッド越しでリーに”答え”を導いた。
「ブラジルの王政革命も空港無差別テロ、そして現在の緑ウクライナによる
<<『Answer.』アラン機関のおかげで世界中が
リーは次なる言葉を溜めて言う。
次回⇒【選抜メンバー】
Q:ドイツ語の元ネタは?
A:西ベルリンのNKVDに発した暗号の1つ。
Q:なんでユダヤ聖典?
A:第一次中東戦争でイスラエルが発した文言。
Q:ヘブライ語じゃなくてアラビア語にしたのは?
A:イスラエル事変に発生した際、あらゆる面のムスリム国家がユダヤ教に対してのプロパガンダ。
Q:ユダヤ聖典とヘブライ語?何の関係があるの?
A:アラン機関の元ネタであろう「アロン」(Ααρών)から。二大宗教のキリストとイスラムから「ユダヤ教の鏡」や「良心的な神」として崇められている。
Q:ブラジルの絶対王政過激派組織と穏健派組織の元ネタは?
A:ジャコバン派とジロンド派。
Q:革命とテロ、独立戦争の大本って何?
A:9.11同時多発テロ。