東京・某所
DAお墨付きの病院にて。
作戦終了から2カ月後のことであった。
1人の男がゆっくりと目を覚ます。
男が目を覚ますと、
「あ、起きた!山岸先生~」
1人の少女が先生を呼びに行く。
男は固い医療ベッドで横たわり、目も擦ることができないまま覚ます。
左半身の機械性能は完全に失われており、身体を上げることもできずもぞもぞとすると、
「起こしましょうか?」
と少女6人がかりで男の上半身を起こした。
男は左半身の機能が止まっていることに気づく。
これでは脳はおらか視力すら回復できない。
1人の少女がメモ帳とペンにぶつける。
「あ、ごめんなさい。これを使えばどうでしょう?」
しかしながら男は何も見えない為、何をどうすればいいか解らない。
辛うじて右の聴力は聴こえるが、言葉を噛み砕くのに時間がかかる。
口も機械化されているため、まともにコミュニケーションが取れない状態だった。
男は右手を差し出すと周りにいた少女の1人が言う。
「任せてくださいっすよ!」
と紙とペンを差し出した少女の横に改めて座る。
その少女は男の手のひらを閉じて人差し指でペンの様に文字を一つひとつ描く。
「どれどれ?『ハ、マ、キ、ヲ、ク、レ』え?ダメっすよ!その状態じゃ好物にはありつけないっすよ?」
男は僅かに肩揺らした。
まるで笑っているかのように。
少女は続けて、男の翻訳に入る。
「『コ、コ、ハ、ド、コ、ダ、?』あぁ・・・日本っすよ。おかえりなさいフレディさん。」
男は肩を止めた。
日本にいる?
おかしなことを抜かす子だ。
どこだろう?
記憶がない。
脳を機械化されているので、その機械が止まっていれば記憶がないのと一緒である。
「ええっと・・・『イ、キ、ノ、コ、ッ、タ、ノ、カ?』って。そうっすよ。良かったですねフレっー!」
男は右手で彼女の手を握っていた。
力なき右手が震えていた。
泣いているかのように。
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作戦終了から7日後のこと。
DAでは亡命者が受け入れられた。
リーはためらいながらも
イーダはDAに志願し、主に医療や護衛を中心とした教官として再召喚された。
アビスの2人は帰路の途中で別れており、連邦軍は稚内港まで護衛を行い、引き渡しが完了した後はウラジオストクに帰還している。
そして、今回の対象であるフレディは、候補生とサードリコリスの能力を叩き上げるために鬼教官として再召喚された。
任務終了宣言を楠木司令から発せられたことにより、千束を始めとするエージェントらは大喜びで彼に会いに行くために山岸先生の病院に向かっていたのだ。
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「これで再起動できるはずよ。」
山岸先生が機械化された男の調整を終えた。
男は、おもむろに脳に計算式を浮かべ、その次に視力調整、左手を天井へと伸ばす。
調整は成功した。
男の瞼は閉じて、再び見開いた。
眼の間には男のことを心配していた少女が7人もいた。
男は言う。
「お嬢たちか、
その一言に思わず飛びついたのが千束だった。
「フレディさん!!おかえり!!待ってたんだよ!」
「おっと!いきなり機械を揺らすんじゃない。あの約束を受け取ったらでいいかな?」
相も変わらず子供達の前では反応が鈍いフレディ。
そんなフレディにたきなは手を差し伸べた。
「おかえりなさい、お待ちしてましたよ。」
「あぁ、たきなお嬢。ありがとう。」
「私よりも・・・」
たきなはフキたちを見た。
フレディはフキたちに激励を行った。
「あぁ、今回の最大の功績はフキお嬢だ。補佐を行ったサクラお嬢とモモお嬢、任務ご苦労さん。そしてエリカお嬢とヒバナお嬢は久しぶりだな。」
それぞれに会釈をするフレディに喜びの笑み浮かべる少女たち。
子供たちの未来を守ったのか?
と甚だしくも疑問ではあるが、この子たちからは笑みを浮かべている。
少なくともここに”未来”はある。
あとはフレディ自身がどう動くか?
どうDAに干渉するのか?
彼というよりかはDAの将来のお話はまた別の機会にーーー。
~fin~