軛を解き放て   作:クマぴょん

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本作品は~銃弾と対価~( https://syosetu.org/?mode=ss_detail&nid=299601 )の後日談です。ご注意ください(テンプレ乙)。

Q&Aが長い?
よく分かる世界史だと思うが…まぁ前作に比べれば元ネタは7割減なんだよなぁ…


【支援不能】

 

 

ロシア・サハリン

ユジノサハリンスク空港ターミナルにて。

 

フキ、サクラ、そしてサードリコリスの『磯部(ものべ)モモ』の3人は、成田からウラジオストクを経由して、かつての準内地である樺太ことサハリンに到着していた。

トランジットも含めて約3時間半の旅路であった。

それにしても暑い。

ロシアの大地とは言えどもここユジノサハリンスクは現在、夏日で最高気温は30℃を超える勢い。

ウラジオストクの空港ラウンジで3人は一応は確認していたが・・・

まさかウラジオストクより北部にあるサハリンがここまで暑いと思わなかった。

ウラジオストクでは一歩も空港の外に出ていないので、特段暑さは感じていないのもあるが、ウラジオストクは25℃に対してユジノサハリンスク(ここ)は30℃。

強いてはこの空港はメインが元連邦空軍が管理しており、民間空港はオマケだという。

設備は新しいモノの、タラップでの乗り降りだったので、直に暑さを感じた。

そしてサクラが早速、音を上げる。

 

「先輩・・・モモ・・・暑いっす・・・」

「少し我慢しろ。」

 

サクラはモモに寄りかかり、モモはサクラの腕を自身の肩に回す。

そんな3人の目にあるものが飛び込んできた。

緑ウクライナや沿海州の白色(はくしょく)ロシア人主導の国旗、水色・緑色・黄色『緑色ウクライナ』の旗が掲げて、かつての帝政ロシア時代を取り戻す独立を掲げている。

だが、それは表向き。

リー曰く、

 

「フレディによるロシア領内のアラン絶滅戦争」

 

が真の理由で、独立戦争という表看板を立てている。

彼女たちDAも可能であれば絶滅戦争を止めたいのと、内地(日本)に再召還してDAの教官に仕立て上げる。

というのが理想だが・・・フレディは絶滅戦争を推進しているし、前よりも性格が変わっている以上、交渉は難しいと判断している。

そこで、モモの出番となる。

モモにはあらゆる手段での通信網技術を叩き込んでおり、リーとの通信を可能にしている。

現にタラップから降り、ターミナルビルの時点では通信障害は発生していない。

そう現時点ではの話だがーーー

 

------------------------------

 

ターミナルビルを出た3人に異常が起きた。

軍警察ことMPが3人を囲んでいた。

MPの1人が無線でやり取りしている。

MPの数は20人。

対してフキ、サクラ、モモの3人では分が悪い。

ましてや、”彼”のテリトリーだ。

ここで刺激を与えるのは()の骨頂だ。

すると、軍警察(MP)の1人が無線を3人たちに向けていたー

そこから発する声が3人が求めていた人物であった。

 

------------------------------

 

同時刻

日本・某所

DA本部にて。

 

<<ラジアータどころか俺の乱数パスコードの壁を突き破っている。これは由々しき事態だ!>>

 

リーの声がリコリス司令指揮室に広がっていた。

 

<<楠木!3人いや・・・ラジアータ含めてこれ以上のバックアップは見込めない。俺を知っているのは奴しかおらん・・・一体、何なんだ!?>>

 

リーは、楠木に事態の悪化を簡単に説明した。

フキたちがユジノサハリンスクに到着した途端、ラジアータが不特定多数の攻撃に遭遇。

直後にリーのパスコードを突き破り、ラジアータを乗っ取ってしまっている状況。

とどのつまり、

 

「フレディは予め、フキたちがユジノサハリンスクに到着した段階でDAに対して攻撃を開始した」

 

ということになる。

リーが計画したものが全てのあちら側に筒抜けだった。

無論、リーはそこまでバカじゃない。

あらゆる面で対策は施してある。

だが、かつての傭兵仲間でテロ共犯者のジョージみたいにラジアータの壁を越え、フレディは同様に真似て実行を移した・・・

ってことになる。

ジョージが壁を越えた当時と違う点はあるものの、フレディは無傷でラジアータの絶壁を登り切り、情報を秘密裏に抜き取っていた。

まさか、リーの逆手まで読める存在が敵側に廻るとなると(あなど)れないのがフレディという存在だ。

 

<<現時点で解ることとして・・・ラジアータ、バックアップ、偵察衛星が全てあちら側に回っている。予め計画して実行した可能性がある。>>

 

楠木は(まぶた)を閉じて言う。

 

「手段はあるか?」

 

リーはためらった。

Noceことクルミを呼び出すか否か・・・

ここまで用意周到だと思わなかったのは、奴を知っているリーでさえ予想外である。

もしもNoceを呼んだところで、奴の手中に収まっている可能性だってないわけではない。

ただ、1人でやり遂げるよりも協力体制を築いて、一刻も早く手を打つ必要がある。

 

<<楠木、喫茶リコリコに繋いでほしい。急を要する上に最優先としてラジアータの回復を行う。報告は待ってくれ。以上。>>

 

と一方的に通信を切られた。

楠木は大きく溜息を吐く。

”彼”ことフレディを呼び戻すことは不可能に近くなった。

だが、近くなっただけでまだ可能性はある。

永埜一稀(ナガノカズキ)の的確な行動のおかげで、楠木は余計なリソースを割ける必要は無くなった。

あとは、部下たちに喫茶リコリコに繋がるよう命令を下したのだ。

 

 

次回⇒【非情な再会】




Q:ものべ?いそべじゃない?
A:旧華族出身で「物部」だと、表記だけで高貴な人物と見られては妬まれるという実話がある。
Q:北海道よりも北なのに暑いの?
A:シベリア大地の夏よりかは幾分マシなほう。まぁ盆地だから夏も冬も厳しいなのは変わらないけど。
Q:20人でしょ?3人ならいけそう…
A:幾ら軍警察と言えど、軍人と変わらないし、何ら空軍基地も目と鼻の先なのでNG。
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