「人魔間共存実験についての記録」   作:しゅう@ハーメルン

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報告書 仮説「共闘するほうが生存に適している場合、魔族は人間を襲わないのではないか」の検証実験

 

 

 

 実験内容:魔法で封印された5m四方の部屋の中に一般的な魔力量の人間と魔族を放置する

 記録者:ノイーギリヒ(〈周りの出来事を記録する魔法(アウフナーム)〉、〈思考を文字に起こす魔法(ヘルツフライリグン)〉を使用)

 

 【結果】

 t=10s:魔族、人間ともに困惑している。辺りを見渡したことで自身が閉じ込められていることは把握した模様。双方室内の探索を開始。

 t=1m:魔族が人間へと初接触。脱出の方法を知らないか尋ねるが、人間は酷く怯えており会話にならず、成果なし。

 t=3m:魔族が部屋の壁へと魔法(恐らく当該魔族の得意魔法)で攻撃を開始。壁は依然無傷のままであり、魔族側は興奮した様子を見せる

 t=5m:人間が魔族へと接触、壁の破壊のため協力を持ち掛ける。魔族はこれを了承し、以降二人の魔力を組み合わせた攻撃が増える

 t=10m:人間が魔力切れを起こしたタイミングで、魔族が人間へと襲い掛かる。人間は「助けてくれ」「死にたくない」などの発言を行うも、魔族はそれを無視した。

 t=20m:魔族の捕食行動により、人間の完全な絶命を確認。実験を終了。魔族は殺処分とした

 

 ・メモ

 そもそも実験設定が間違っていた。人間側が圧倒的に魔力量が少ない以上、人間が先に役立たずになってしまい生かす理由がなくなるのは想定できたことだ。初めての実験とはいえ恥ずかしい。

 ただ、最初のほうは共闘がうまくいっていたように思えたので、次の実験で人間と魔族の魔力量が釣り合うように調節できれば、条件付きとはいえ本当に魔族と人間が共存できる空間を作り出せるかもしれない。

 

 

 

 ◆

 

 

 実験内容:魔法で封印された5m四方の部屋の中に人間の魔法使いと魔法使い以下の魔力量の魔族を放置する

 記録方法:ノイーギリヒ(〈周りの出来事を記録する魔法(アウフナーム)〉、〈思考を文字に起こす魔法(ヘルツフライリグン)〉を使用)

 

 【結果】

 t=10s:魔族がただ困惑するだけの一方で、魔法使いは警戒の色を見せている。また、魔法使いはこの部屋が魔法で封印されていることに気づく

 t=1m:魔法使いが魔族に接触。この部屋について詰問するが、魔族は何も答えられず成果なし

 t=2m:魔法使いの命令により魔族が壁の封印の解析を開始。魔法使いもそれに続いた

 t=10m:解析に集中している魔法使いの隙を突き魔族が頭部を殴打、魔法使いが床に倒れる

 t=12m:魔族の魔法による追い打ちにより、魔法使いの絶命を確認。実験は終了。魔族は殺処分とした。

 

 ・メモ

 生存に有用如何に拘らず、人間というだけで魔族は目の敵にしてくるらしい。或いは、単純に「強制的に従わされている」という状況が不服なのかもしれない。まあ要は、閉鎖空間における人間と魔族の協力は失敗した、ということである。

 ……それにしても、魔族を見た瞬間撃ち殺さない魔法使いはとても希少だということに、彼らは気づいているのだろうか。どうせ一人では出られないのだから、せっかく生かしてもらえたのならもう少し頭を使って一時的に協力位してほしいものである。

 なお、実験は失敗したが、その結果魔族の「魔力量が高い者には屈服する」という生態があくまでも魔族同士の場合のみあてはまる物であると判明したのは僥倖だったと言える。今後の実験の手間が省けたよやったー!

 さて、では次は何を検証してみようか。

 






 なんかこのエルフ、魔族よりもイかれてない? と思ったあなた。……正解です。
 だけど好奇心は止められないからね、仕方ないね。



 さて、今回はこのシリーズがどのようなものなのかを把握してもらうため、実験は短め。今後はさらに複雑だったりもっと簡単なのをたくさんやったりする予定です。また、あんな実験をしてほしい、こんな仮説はどうだろう、のアイディアも募集中なので遠慮なく送ってください。

 作者はそこまで実験界隈に近い人間ではないので、多少ガバいこともあるかもしれませんが、そこは「こいつはエルフだから詳しい実験のやり方を知らないんだな」と思って見逃していただければ幸いです。
 では、次回もお楽しみに!
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