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「ルシ、なんで戻って来てくれなかったの?」
俺はリズに詰め寄られていた。平謝りするしかない。俺は無力だ。リズには勝てないよ……。
「ごめん」
「一緒に食べるって約束。しょうがない部分もあるから、私も強くは言わない。お金は大事。でも戻ってきたり、連絡入れるぐらいは出来た。ずっと待ってた」
「本当にすいません」
いや、忘れては無かったよ。時間をゆっくりにすると駄目だな。時間が把握がムズイ。だったら止めた方が良いんだが、時止めは便利な反面、身体がバグリやすくなる。正確には身体というよりも魂が可笑しくなる。
俺は良い。リズも指輪の効果で保護してるから問題ない。問題は堕天使二人だ。
これをどうにか出来るのは時の権能関連持ってる神か、邪神ぐらいだろう。ミカエル辺りも多少は耐性がありそうか?使いたいけど、実質的に個人用という側面が強い。便利だから結構使いたいんだけどなー。相手が弱体化引くなら積極的に使いたいが、強化されるリスクもあるから戦闘で俺以外には使いたくない。儘ならんなー。
「それとまだ言いたい事ある」
えっ、まだ何かあったけ?最近はリズとほぼ一緒に居るからおかしな行動してないぞ。酒も葉っぱも命を賭けたギャンブルも何もしてない!マジで健全だと思うぜ。
「葉っぱ、まだやってたんだよね。やめて」
「で、でも今はリズと居るからしてないよ!」
「やめて!」
「はい、やめます」
嫁が強い。ハイライトが無い時も怖かったけど、戻ってからは純粋に俺を心配してるから俺も反発が難しい。言ってる事は正論というか、確かにやっても意味が無い事だからな。
何か救いは無いか?
「因みに酒やタバコは?」
「……本当はやめて欲しい。でも、ルシに制限を掛け過ぎるのも嫌。節度を守ってくれる、なら……少しは、いいよ?」
「っ!ありがと!リズ!」
分かる嫁で嬉しいわ!……ちょっと最近のリズは反省したのか、俺が命を捨てる事を良く思ってないみたい。葉っぱが現実逃避の手段として重宝していたが、待っているのは破滅なだけにリズも止めたのだろう。
酒は兎も角、タバコは葉っぱが無い時の代用品の側面が強かったからな。前世では酒もタバコもめちゃくちゃやってたけど、もっといい物をローリスクで使えるならそっちに行くのも当然の話。
だが、酒とタバコか。ある程度に抑えられるかは不安がある。でも、俺はリズと居れるならそれで良いしな!いいぜ、やってやる!
「明日なんだけど、連絡会に行ってみようと思う」
「連絡会?」
「あっ、ごめん。国際連合同盟の世界通達会の事を俺がそう言ってるだけ」
「ああ、そうなの?大丈夫?いきなり殺されないの?」
リズの言葉に思わず黙る。教会よりは遥かに話は分かる奴らではある。だからといっても、普通に行けば殺される可能性は高いのは事実だろう。
……大丈夫か?リズのこの反応見てたら俺の判断が間違ってる可能性が高い気がしてきた。
とは言ってもなー。七災厄をどうにかするならば避けて通れない話だしなー。腹括るか?首を括る羽目になるかもしれんが、しょうがない話だろう。
そうして俺は今日も朝までリズに絞られた。元気過ぎませんか?やめてください。貴方の愛でぼくは死んでしまいます……。
げっそりした俺と幸せそうなリズ。本当に対極的だな!まあいいけどね。これぐらいでは俺の愛は揺るがねぇ!
連絡会に行こうとした時、堕天使が現れた。この前、俺を堕天使のアジトまで連れて行ったヤツ!何しにきやがったオメー!!
他にももう二人、女性の堕天使もついてきたようだ。この前の奴が上級で後ろが中級ね。
うん、察しはついてるけどね。でも口振りからしてコイツとは思えないんだよな。代理、じゃねぇな。別件か?
「先日振りです。少々、リゼさんに用事がありまして。私はルシファーさんと一緒についていきますが、私の部下達にリゼさんをグリゴリに来てもらおうと考えおりまして」
「分からんな。お前がシェムハザが言ってた奴で無い事は分かるし、リズを連れて行こうとしているのは何かしらあるんだろうが。意図が読めん。どういうことだ?」
上級の堕天使は困った表情を浮かべていた。説明が面倒なパターンか。だとしても、説明はして貰わんと納得できねーよ?
嫁に危害を加えられる可能性は低いが、流石にね。そのまま連れていかれる訳にはいかないんだわ。そこら辺はしっかりして貰わんと。アザゼル、シェムハザとか他の交友がある幹部ならまだしも、あんま交友の無いコイツを信用は出来かねる。グリゴリに所属していて気に食わん奴。それが今のお前の評価や。そこ理解してねーならクレーム入れるぞ。
「そうですね。まずリゼさんを連れていく件なんですが、こちらの問題で大変恐縮なんですが暴動が起きまして……」
「は?」
顔を俯かせて、情けない表情を浮かべていた。
いや、本当に意味が分からん。どういうことだってばよ。
「今回、ですね。メインでルシファーさん夫婦と関わりになるのが、シェムハザさんの愛娘や経験の浅い下級を中心にした堕天使だったんです。その選抜は大体が幹部の方の子供や、将来的に中枢を担ってくれると期待している人材だったんです」
「おう、そうか。別に選抜に問題は無さそうだが?」
「選ばれた子達は問題無かったんですよ。皆乗り気でしたし、貴方やリゼさんの評判は悪くなかったですし。……ミーハーなとこがあるのか、今話題の二人に関われると知って想定よりも多く人数が集まりました」
「子供の面倒を俺らに見ろってか?あまり迷惑はかけんで欲しいんだが」
「えー、それでですね。その保護者達と大多数の者達が不満を起こして暴動を起こしたんです……」
「は?」
馬鹿じゃねーの堕天使。なに、どういうこと?マジでどうしてそうなった。
つまり応援をリズに求めたのか?いや、リズならそれだけじゃなく治療も出来る。それも含めてか?
「ルシファーさんに隠し事は無意味なんで、もうぶっちゃけるんですが、コカビエルさんとアルマロスさんが敵に回ってます……」
「えぇ……マジで大丈夫なの堕天使は」
「他幹部や総督、副総督が鎮圧に乗り出してます。ですが、数の力がヤバいんです。負ける事は無くてもこんなことをしてる暇が無いのが現状です。そのためにリゼさんに来ていただいて、早急に事態の収拾を図って欲しいんです」
「なるほど、適任ではある。俺が行かないのはなんで?」
「それも検討しましたが、ルシファーさんまで来ると過剰戦力です。ルシファーさんが何処に向かおうとしているかは知りませんが、恐らく通達会とかとアタリを付けてますし。それに最悪、すぐに駆けつけてくれるという点で先に呼ばないという選択です」
「そういう事なら構わんが……リズ、大丈夫か」
「うん。私の方が適任ならそうする」
「よし、じゃあ任せた」
「直ぐに終わらせるから」
リズは堕天使達を連れて颯爽と去っていった。頼もしい嫁だぜ、全く。
「で、今から行くか?」
「通達会で当たってました?それなら問題ないですよ」
頷きを返し、俺とヤツは転移で移動する。あっさりと目の前に着いた事で少し呆然としていた。これぐらいで驚くか、普通。お前でも出来るだろうに。
「こんな一瞬で、結構な距離離れてましたよね?」
「権能知ってんだろ。俺に時間関係は考えるだけ無駄だぞ」
「そうですか……。知識では知っていましたが、実際に見るとその凄さを実感できますね」
俺らは連絡会の本部前に居た。
さて、どうなりますかね。いきなり殺されるのだけは勘弁してくれよな!
やっぱり殺されました!クソが!