やめて!殺さないでっ!   作:ハラシキア

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男たちの楽園

<世界にご報告させて頂こう。アルカディアから主神の座を簒奪せし者、メタトロンである>

 

<この声は一部の者、我が国に入国が可能な者にしか届けていない>

 

<わたしは同胞と共に国を創った。男たちの楽園だ。女性は入れない聖域だ>

 

<男なら何時でも歓迎する。待っているからな、ルシフェル>

 

天界を攻略した瞬間にこの声が聞こえて来た。名指しもされるし……。

ナニコレ?マジで意味不明だわ。

 

アザゼルが頭を抱えている。ん?あっ……。

やべー、封印が解けちゃったわ。折角の切り札が!

 

冗談はさておき、ガチホモが陣営から離れた事を認識したせいで封印が弱まったのね。

トリガーとしてガチホモとの接触時に弱まるように設定してたしな。何も知らないままは可哀そうだからな。

こうなるとは予想してなかったし、しょうがないね。

 

「どうしたの?なんか急に皆が動きを止めたけど」

 

リズが不思議そうに近寄って来る。やっぱ、リズしか勝たん!安心してくれ!俺は男には絶対に浮気しないからな!

 

うーむ、どう説明しようかね。視界の端でゲテモノが普通に心配してる光景が目に入る。いつもそうしとけや。腹の底に沈めといて、今の状態を維持してくれてたら良いのになー。……まあ、無理か。

 

「どう、説明しようかね……。今、俺とアザゼルや一部の男にメタトロンから神託に近い形式で、何かいろいろと喋ってた、って言うべきなんかな」

 

「良く分からないんだけど……」

 

「んー、あー、そうだなー。なんか男だけしか入れない国を創ったらしい。なんか俺を呼んでたけd……」

 

リズが無表情になってたから喋るのをやめた。さっきと今、だけじゃないな。俺が前々から言ってたわ。さっきの戦闘で結構ガチで戦ってたけど、相当思う事でもあるんだろうな。ちょっと情けない反面、助かるという気持ちもある。

 

相性的にはリズが一番良い。つーか、世界に降臨する形で居る以上は力が制限され続けているに等しい。

あー、それも含めて女人禁制か。そうか、邪神もその縛りを突破は出来んだろうし、逆に男が入ったらどんな目に遭うか想像したくもないわ。

放置が良い気がする。もう天界からアイツ居なくなったから、邪神も戻って来れるだろうしな。

 

……あぁ、また眼のハイライトが……。もう本当に勘弁してほしい。どっちも好きだけど、ヤンデレ眼は散々経験済みでお腹いっぱいです……。普通にイチャイチャさせて貰えませんかね。一応まだ新婚なんですよ俺達。

 

 

何時の間にかリズが距離を詰めていた。向かい合っていた筈なのに気が付いたら真横に居る。ホラーやん。

嬉しいけど独占欲高すぎでは?それだけ愛されてることを自慢に思えば良いのか?いや、やめよう。一途で可愛い嫁じゃん。勝ち組じゃん、俺っ!

 

変な感じなので味変するか。

 

「封印が解けたのか……」

 

「神妙な感じで言うのヤメロ。なんで……こんな……」

 

やはり面白いな。愉悦っ!

 

「それはまあ置いとくぞ」

 

「いや俺の一大事なんだが……」

 

無視した。何時までも茶番に付き合ってられるほどの余裕はねーんだわ。ある程度はね?ちゃんとガチホモの事を考えないとね?うん、ほら、嫁も怖いしね?

 

「えー、じゃあメタトロンだが、国を創ったとは言ったが実質的には新たな神話を創ったというニューアンスが一番近い感じかね」

 

「そうですわね。アルカディア様の座を一時的に奪ったのも、その下準備だったんでしょうね。……てっきり失敗前提での負け戦を吹っかけてきたと思ってましたわ。やり直し前提の悪足掻き程度の認識にさせられてましたわね……」

 

「一時的とはいえ、最大宗教の信仰を独占して成り代わってたんだ。掌握……少なくとも一般的な主神クラスと同等のスペックでも可笑しくないぞ」

 

「……言いたいことはあるが、現状の認識が先か」

 

ようやくアザゼルが話せるようになったか。ウリエルが嫁のとこに速攻で行きやがったからな。話せるのがコイツぐらいだし。

贅沢を言うなら、ミカエルやシェムハザも欲しいが現時点で組織のトップと話せる方がデカい。

とりあえずはお互いの考えを話しておく必要が……あるか?

 

「で、お前どうするつもりなん?」

 

「あっ……。お前もそうか、逃げるつもりなんだな」

 

「当たり前だろ。なんでガチホモのフィールドにこっちから乗り込むんだよ。ケツ穴確定はマジ勘弁。ゼロとかアスモデウスとかラミキアに丸投げするわ」

 

「それはこっちとしても助かるぜ。戦力はそんなもんで足りるがシナリオとして弱くないか?」

 

「適当に向こう(現代)から力与えて勇者の役割を担って貰うわ」

 

「あー、なるほど。元上司から管理者に話や力云々の下りを丸投げする算段か」

 

「選別や説明とかの雑用は俺になるだろうがな。それぐらいでガチホモと関わらんで良いならそれに越したことは無いじゃん?俺は逃げるぞ。後は適当な神話の名を上げたい連中がどうにかするだろ」

 

邪神の勢力が弱まるが知ったことか。大体、邪神の監督不行き届きが原因じゃねーか。嫌だわ。俺はもう過去に縛られねぇ!嫁とイチャイチャするんや!

 

「シェムハザには話しておく。……ミカエルは?」

 

「向こうからの出方次第。どうせ邪神のパシリで来るだろうな。俺がこうしようと考えてるだけ言ってくれ。じゃあ、俺は暫く地獄に戻っとくからな」

 

「あーはいはい」

 

 

俺らは地獄へ堕ちた。

 

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