やめて!殺さないでっ!   作:ハラシキア

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調子に乗ってる奴ほど躓きやすい

とりあえず、一段落といっていいかね。

正直、もう面倒だ。分身したとはいえ、千人以上を選別し、ある程度の説明と力を与える作業。疲れた。なんで邪神の不始末をこちらで処理しないといけないのか。自分で管理できない奴を部下にしようとするなよ。だから叛逆されるんだよ!

 

……まあいい。大分稼がせて貰ったしな。

後の問題は人海戦術で押し込むだけだろう。

 

ガチホモは結局何がしたかったんだ?まさかここが本命ルートとは思えんし、布石か他に狙いがあってこんなことをしてるのか?

どちらにしても、俺やリズとか邪神とかの戦力になりそうなレベルは、動くとしても結界が機能しなくなったタイミングでの殴り込みだな。

ガチホモを転生したての雑魚が倒せる可能性は皆無だしな。そりゃあ何度かは殺せるかもしれんが、それで討滅まで辿り着ける訳が無い。

ぶっちゃけ奴らは捨て駒だ。内部の情報を此方側が手にするための存在。

神話の陣営事情としては、わざわざ自分たちが危険に飛び込む意味が無い。それに今回はこちらの神話の不手際が原因だ。貸しを作る意味では解決に乗り出すのもアリかもしれんが、どうやらこんな良く分からない事態は静観する方針っぽい。

そりゃあそうだよなー。俺だって関わりたく無いもん。多分、本当に手助けが必要なタイミングで恩を売る目的で、戦力の貸し出しをするつもりだろうな。それか情報が集まってからの判断にするつもりかな。

 

現状は血気盛んな一部の連中が自ら志願して殴り込みに参戦してるぐらいだ。

転生者よりは頼りにはなるが、そこまで数が多い訳じゃないし、明確に手柄を求めて暴れまわってるだけだからなー。有難いがもうちょっと歩調をあわせるつーか、少しは考えて行動して欲しい。

転生者もそうだが、男には危険な場所と言う認識が甘すぎる。酷い目にあってる連中も結構な人数出てきてる。その後処理が物凄く面倒だ。悪魔や堕天使が協力して元の場所に帰してやってはいるが、ダメージがデカすぎる。後遺症つーか……アレだ。アザゼルと同じ感じになってたから、同じ処置を推奨するようにしてる。

転生者ならば自己判断で勝手に封印措置で対応できるが、他神話の場合はちょっとなー。こっちが良かれと思っても、流石にこっちの判断で処置するのは不味い。別に問題になるようなことにはならんとは思うんだが、仲良くしてる神話ならまだしも、あまり関係値が無いとどうしてもな。いくら善意でも余計なお世話だったり、変な勘繰りされたりもするだろう。結局は向こうとの話次第。まあ、仲良くしてる神話なら、事前にそういう処置の許可は貰ってるけどな。

 

 

今しばらくは状況は変わらないだろうな。最近、色々あったせいで麻痺してたが、本来俺らは時間に縛られない。生命として破綻してるからな。人の名残、未練かね。それに引っ張られてるから、そういう生き方?をしてるが、あくまで娯楽や趣味に近いんだよな。

その気になれば、何もせずとも存在を確立させ続けることが可能だ。勿論、何もしなければ力は弱るし、最終的には人と同じく死を迎えるだろう。

だが、俺らは輪廻から外れてる。人と同じく記憶を失って新たな生を受けることは絶対にない。

 

だからこそガチホモがやってることは理解不能だ。全ての神話に喧嘩を売る。存在が滅却される程度で済めば良心的だ。その程度で済むわけが無い。むしろ、世界の滅びを速めている。

 

「そういうことだな、観測者」

 

「そうだな。話が早くて助かる」

 

この世界を観測している者。管理者の遣いか。

過去にリズを襲おうした連中に混じっていた時の端末か。話を早くするためにそうしたんだろうな。

 

「まずは説明だ。ルシフェルとリーゼロッテが結ばれることによって、アルカディアが次の世界を創ろうする。それにメタトロンが世界の寿命を危惧し、次に自分が行けないことに絶望し、このような暴挙を起こした。これが今回の起因だ」

 

「つまりアルカディアは俺ともう一度やり直すつもりだったのか」

 

「そうだ。だからキッカケとなったメタトロンや他の一部天使は連れて行かない。失楽園を進めるつもりだったのだろう」

 

「そうか」

 

あのアマ……。リズとの結婚を祝っていた意味が分かった。

そうか、俺が結婚したという事実を捻じ曲げるつもりだったのだろう。因子の利用か。なるほどな、だから他の神が反対しなかったのか。

絶対的な神が人に堕ちる決断を下したんだ。ライバルが自ら弱体化するんだから、次は一番目障りな敵が居ないということだから進んで協力してた訳ね。納得だわ。

 

……邪神に好かれて嬉しくない訳では無い。男としてモテるというのは誉れだ。かーっ!モテる男はつらいぜっ!

 

いや、俺はもうリズのもんだし。つか、大体よー、付き合っていた時期はあったのは間違いないけどよー。ゲテモノともあるが、それは置いとく。うん、両方終わった話だろ。なんで蒸し返すかね。

……理解しきれてなかったか。自画自賛?はちょっと違うか。客観的に見て、邪神の好みの部分が大きいが相当な容姿であることは間違いでは無い。

好みの容姿なのは良く知ってる。だが、性格面だとか中の事も踏まえて俺に惚れてんのか?うん、まあそうなんだろうな。いや、ほんと勘弁してくれよ。何時まで昔の男を引きずってんだよ。

 

「観測者としてもメタトロンの行動は許容できない。アルカディアには随分と前から警告していた。それが果たされなかった以上はペナルティーを与えるつもりだ」

 

「で、どういう着地点を希望してるんだ?」

 

「お前だけが気が付けているだろう。この世界は繰り返されてる(・・・・・・)

 

 

 

 

 

「だから選択しろ。ここで辞めるか、また繰り返すか」

 

 

 

さて、どうするか。

そうか、そうか。

 

記憶が補完される。封印していた情報が脳内を駆け巡る。

膨大な情報量だ。過去の俺が整理していたお陰で断片的だが、重要な纏めだけをピックアップして取り入れる。

 

どうするか。

また繰り返すのか。

 

「無理だな」

 

「そうか、もう繰り返せはしないのか」

 

「ああ、もう情報量が大きすぎる。お前の力を借りてるが、変化点が大きすぎる。元世界(ベース)から考えても、世界だけを戻すしか出来ん。それに転生者というイレギュラーを多く持ってきてしまった。起点の関係上、このタイミングしか無かったにしても、遅すぎたとしか言えん。介入を最小限にしようとしたかったんだろうが、お前もアクションの回数を一度にしなかったのも悪手だったな」

 

「だが、どうする。取れる手段は一つだぞ」

 

「そうだ、もう確定させるしかない」

 

全てを元に戻す。誓約をここで破棄し、俺が全力で出せるようにする。

そうすれば、全てが終わる。誰も俺には勝てなくなる。世界最強の存在へ戻る。

 

都合が悪かったから記憶を封印してたし、負荷がそこまで大きくないと誤認させてたけど、もう隠す意味は無い。

さっさとガチホモを倒したいとこだけどなー。

 

「決行の予定は?」

 

「そうだな。少なくとも百年は欲しい。言っとくが、時間を歪めての百年単位だからな。本来はその千倍は欲しいとこだな」

 

「無理だと理解っているだろう。完璧に使いこなせる時期は聞いていない。形になるだけならどれぐらいだ?」

 

一応言っては見たが、余裕は無さそうか。俺ら基準の百年なら大した時間では無いんだけどな。

まあ、しょうがないか。

 

「―――今度こそ邪神を倒す!」

 

もう二度と、やり直しはしないっ!

 

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