GOD EATER ~堕ちた救世主~   作:elsnoir

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18話 捜索

★???

side:心葉

 

道なき道を歩き続けた。極東を抜け出してずっと歩き出した。目的もなくただ一人ずっと歩き続けた。自分は極東にいてはいけない。これ以上いては皆に被害を加えてしまう。いつ自分が神機を振るい皆を傷つけるか殺してしまうかわからない。

 

「……僕はどうすれば……」

 

 神機を持ち出し、水も食料も少量しか持たなかった。リッカにもらったアンカーなど過去に引き出しにしまってそれ以来だ。

 

 

★極東支部 ラウンジ

side:咲良

 

 …心葉が消失した。神機を持ちどこかに行ってしまった。追いかければ今からでも追いつくが、それはやめておけとサカキと本部の技術部主任に言われた。

 

「なぜ止めるの」

 

 今すぐにでも連れ戻したかった。その気持ちが自分を焦らせる。万が一心葉に何かが起こったら?そう思うだけで不安になる。

 

「OracleRageSystemを使用した後は精神がだいぶ不安定になっている。その分下手に干渉すれば反撃を喰らいかねない。彼の恐ろしさは皆知っているだろう?」

 

 神機使いや堕ちた者に強く対抗できる特殊な体質なゆえ、一撃が致命傷になりかねない。

 

「………………」

 

 ぎりぎりと歯を食いしばる。心葉のパートナーでありながら今彼に何もできていない。それが一番悔しかった。

 

「悔しいのはわかる。せめて3時間後だ。そうすれば十分な作戦時間も立てることができるだろう」

 

 主任の言うこともごもっともだ。作戦も無しに挑んではどうしようもない。

 

 

★廃村

side:心葉

 

 ひたすら歩き続けた。極東からできるだけ離れる。それだけを思って歩き続けた。どれだけ歩いたか、どのくらいの距離歩いたかすらわからない。歩いているうちにある廃村にたどり着いた。アラガミの襲撃を受け誰も人の気配を感じない。所々がボロボロで一部家が倒壊している。いい加減疲れてきた。このまま死んでもいいのかもしれない。でも自分の体はまだ生きていたいようだ。お腹がすいたら持っていたレーションを食べ、喉が乾いたら同じように持っていた飲料で喉の渇きを満たす。自分では死のうとは思っていても死ぬことができない。まるで不死になったようだ。

 

「……もう、僕のことは僕の体に従おう……それが一番いいんだ……」

 

 そんなことを呟きながら歩き続けた。廃村を歩き続けて3分、この廃村の中で一番損壊率が少ない家が目に付いた。どうやら自分の体はここで寝泊まりをしよと思っているようだ。

 

「………なんだろう…少し…懐かしい…?」

 

 自分が全く知らない家に踏み入れた瞬間に思った。記憶の中にはないけど、自分の体が知っているというような感じ。

 家の中はきれいに整理されていた。棚の中にはものがほとんど入っていなかった。あるのは少量の絵本と二冊の辞書だった。そして机の上には小さなオレンジ色のアルバムと黒色の分厚い日記があった。心葉はその黒色の日記を手に取り、一ページをめくった。そこには「僕の日記」と書いてあった。少し細めで柔らかな字体だった。どこかでこんな事態を見たことがあるような気がした。とても身近にあるような………ふと思い日記に刺さっていたペンを取り出し、あまり目立たない下のほうに同じように「僕の日記」と書いてみた。書かれた字はもともと書いてあった時にとてもそっくりだった。そっくり……というよりほぼ同じだった。筆圧とか字の細さとか。

 

「もしかして…これって……」

 

 日記をひっくり返し、裏面のカバー、最後のページを開いた。そこには「日暮 心葉」と書かれていた。これではっきりとした。どうして記憶にない場所が懐かしく感じられ、日記の字と自分の字がそっくりなのか。この家は自分の住んでいた家だからだ。そうなれば隣に置いてあるオレンジの小さなアルバムは自分の過去が詰まった一つの記録になる。そうなると手が止まらなかった。2ページ目を開く。「今日から日記を書き始めた。もし僕が大人になったらこのアルバムを見て懐かしいなーなんて思うんだろうね。家にいてもやることも少ないからこの日記を毎日書くことにする」と書かれていた。この後も私生活や感想と言ったことを並べていた。どのページも年月は書かれていなかった。そしてペラペラめくって行った先に最後に今まで綺麗な字から突然雑な字に変わった。自分の字であることは間違いないが、殴り書きになっている。そこには「僕はフェンリルに連れて行かれることになった。今お母さんとお父さんとお話ししている。もしかしたら帰ってこないかもしれない。だからここに書いておくことにした。お父さん、お母さん、ありがとう。もし帰ってこなかったらごめんなさい……違う、帰ってくるから待っててね。だから心配しないで。僕も不安だけど、大丈夫だと思うから…………行ってきます」。と記されていた。

 

「………僕がフェンリルに連れて行かれた……?」

 

 昔の記憶が全くないことはわかっていたが、まさかフェンリルに連れて行かれるとは思っていなかった。どうして連れていかれる理由があったのか。その理由はある程度だが次のページにかかれていた。皐月「心葉が連れて行かれてから1日たった。私も空も心配になった。ご飯も食べるても今までと比べて遅くなったと思う。心葉の笑顔を見ているだけで幸せになれていた私たちがいた。なんで連れていかれなければいけないのか。フェンリルの技術主任に選ばれた。近くにある研究所で訓練を受けてもらう。としか説明してもらえなかった。そのあとに彼が必要なんだと強く言われ、私たちも黙らざるを得なかった。お願い、どうか無事でいて」と。

 

「………フェンリルの研究所…」

 

 こんな廃村の近くに何があるというんだ。そもそもフェンリルの研究所で訓練を受けるということがおかしい。何か裏で策でもあるとしか考えられない。

 

「………………探そう。その研究所というのを…」

 

 だが、動く前に体力が全くと言っていいほどない。空腹で、喉が渇いている。このままでは探索する以前に餓死する。せめて電気と水道が生きているぐらいだ。何かないかと日記をもう一ページめくった。また記述があった。「誰かか、心葉がこれを見ているということは俺も皐月もいないだろう。だからここに記す。俺と皐月は別のフェンリル支部にある居住区で暮らしている。もし来るならこの家の玄関から六時の方向。そしてレーションと水をこの家の床下に隠してある。ちょうどこの机の下だ」と書いてあった。。

 

「…床下」

 

 机の下をのぞいてみると少しだけ木の板がめくれあがっている。そのめくれ上がった板を強引に開け外した。そこには数多くのレーションと水があった。一か月は生きていられるだろうと思われる量だ。それらを見て自分の意志にやる気のようなものが湧き上がった。自分の過去を確かめなければならない。存在しない記憶をたどる。その研究所の場所すらわかっていないが、この周辺をしらみつぶしに探していけば見つかるだろう。当然タイムリミットもある。この食料が尽きた時がタイムリミットだ。その前に自分の過去を知らなければならない。

 

「……見つける。自分の過去を……」

 

 日記をもとあった場所に置き、自分が寝ていたと思われるシングルのベッドに寝た。

 

★極東支部

side:コウタ

 

「これより、日暮 心葉くん捜索任務を開始します。現在偵察班を動かしながら捜索をしています。表向きではアラガミ討伐のついでで心葉君を探すことになっていますが、心葉君を探すことを中心にしても問題ありません」

 

 ヒバリより任務が告げられた。

 

「なお、何が起こるかわかりません……リッカさん…」

 

 ヒバリがリッカに声をかけた。そのリッカは一つの段ボール箱を持っていた。

 

「…皆、一個ずつこれを持って。銃が使える人だけね」

 

 段ボールの中には大量のバレットが入っていた。どれも真っ黒でなんのバレットか識別不可だった。

 

「リッカ、これは?」

 

 コウタが口を開く。

 

「……対神機使い、堕ちた者用のバレット…」

「「!?」」

 

 驚愕せざるを得なかった。なぜその人を殺せるバレットを渡すのか。その理由は答えを出したくなくても、容易に答えを出してしまう。そのバレットを使って心葉を殺せ。ということだ。

 

「私だってこんなバレット作りたくなかった!でも…もし心葉君が襲ってきた場合は…そのバレットで…」

「なんで…そんな、撃てるわけないだろ!!」

 

 味方を撃つ。誤射でなく故意的にだ。誤射と故意で当てるのは全く違う。

 

「…非常につらい話だが、こうでもしないとこちらがやられるだけだ。コウタ君、わかってくれ」

 

 口を開いたサカキもとても申し訳なさそうにしている。

 

「……くっ…」

 

 歯を食いしばった。これから捜索任務が始まるが、できる限りこのバレットには触れないようにしたい。もし銃身を心葉に向ける時が来たのなら…その時は覚悟を決める時だと思った。




心葉の父→空
心葉の母→皐月

ちょっと艦これの方を少し停止してGEの方を集中しようかと思いました。
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