GOD EATER ~堕ちた救世主~   作:elsnoir

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エンディング

 救世主喰らいによる事件は全て終わった。被害は極東の神機使いが多数負傷。そして極東に今回の事件のために派遣されていた他の支部に所属している神機使いは全員死亡。呼応による偏食場パルスによる後遺症は幸い無かった。極東の神機使いが復帰するまでは本部から別の神機使いが極東とクレイドルの2箇所に数名手配されたが、全員が復帰するまでの間に奇跡的にどちらにもアラガミの襲撃はなかった。

 

 そして強化神機使い、心葉と咲良について。二人共先日の事件で死亡した。事件が一度落ち着いた頃、本部から心葉について詳細の話が来た。

 心葉は元々通常の強化神機使いとは違うということは皆知っていた。だがそれには続があった。彼がなぜ世界を破壊しようとしたのか。そして本人がそう作られたと言っていたことについて。彼を作る際に神機使いに特効のある偏食因子を持ったときから決められていたそうだ。何を決められていたか。世界を破壊する最終的な保険を。元々心葉の精神が不安定だからこそ企画された計画でもあった。彼を強化神機使いとして完成させたときに記憶を抹消した。そして頃合いを見て記憶を戻させ精神を不安定にさせたときに本来の役目を伝え、世界を壊させる。それが世界喰らい計画だった。

 この件について知っていたのは強化神機使いのトップの担当者だけ。本部は何一つ知らなかった。心葉のもとに例の神機が届いたのは全くの偶然だった。

 

 そして彼が使っていた例の神機。今でも残っている。極東の神機保管庫で隔離して保管してある。この神機の所有者は死亡したため、今は適合者待ちの状態だ。特殊すぎる偏食因子を持っているため、適合者は見つかるわけがない。そう思っていた。事件が落ち着いてから数日後、適合者が見つかってしまった。オペレーターもサカキも頭を抱えた。皆忘れていた。心葉の偏食因子は変異性を持っている。その為、特殊すぎる偏食因子が変化を遂げ、他人に適合できる因子に変わってしまった。

 そしてその適合者は皮肉にも心葉の知っている人だった。外部居住区の孤児院に住んでいる一般市民。名は暁 榛名。心葉も何度も話している。

 神機使いの適合は義務になっていた。後日彼女を適合神機が見つかっと連絡したら二つ返事で来た。

 

★神機保管庫

side:榛名

 

 静かな保管庫で、二人の人影。一人は榛名。一人はリッカだった。

 

「……わたしも…神機使いになるんですね…」

「………それについてだけどさ………」

 

 目の前で口を開いたリッカ。彼女はうつむいていた。

 

「…………ホントは……君に神機使いになってほしくないんだ」

「…どういう…ことですか…?」

「こっちに来て」

 

 リッカがあるきだす。その後ろをついていく。リッカに案内されたのは神機保管庫の奥の部屋。そこに一つだけ隔離されているように置かれた神機があった。

 

 

side:リッカ

 

「…これが…君と適合する神機………」

 

 彼女に例の神機を見せた。心葉が最後に使っていた呪われた漆黒の神機だ。

 

「この神機が…」

「……この神機は……最後に心葉君が使っていた神機……」

「心葉君が…」

 

 彼女は知らない。一般市民には今回の事件については強力な堕ちた者が襲撃したとしか言っていない。その際に心葉は戦死したと。一般市民が知っているのは皆ボロボロになって、派遣された神機使いが殺されたこと、心葉と咲良が戦死したことだけだ。

 

「……ほんとは……心葉君が……皆を襲ったの」

「ッ!?」

「……そして…咲良さんがブラッドの隊長をかばい、倒れた。心葉君は自分から首を切り落としたって」

 

 そしてブラッドの隊長、詩音が言っていた。神機に取り憑かれていたように殺意を灯していたと。

 

「そんな……心葉君が……!」

「……残酷なことだが、これが現実だ」

 

 入り口からサカキがきた。

 

「……この件もあって私も、彼女からもこの神機と適合してもらいたくないんだ。今度は…君が苦しんでしまう」

「………もし…これで辞退した場合、どうなるんですか?」

「今回のケースは辞退してくれて構わない。本部からも許可は出ている」

「なら…どうして…呼んだんですか…?」

「……私達が止めても君が戦うという可能性もあったからだ。」

「…………」

 

 うつむく榛名。それもそうだ心葉と榛名は何度か接触し、話もしている。市街地防衛の際は彼女のことをとても心配していたぐらいだ。

 

「……心葉くんも…やめてって言っていますかね…」

「…きっとそう思ってるだろう……」

「…そうですよね…………」

 

 そう呟いて、彼女は適合試験を辞退した。それで良いはずだ。彼の後継ぎなんて誰もしたくないし、させたくない。博士もきっとそう思っているはずだ。

 

★墓地

side:榛名

 

 神機の適合試験と同時に心葉のお墓参りも行くことにしていた。昔みたくお墓というお墓は無い。簡易的な十字の墓があるぐらいだ。

 

「……心葉君」

 

 持ってきた花束を彼の墓の前に置く。

 

「…ずっと…苦しかったんですよね……ごめんなさい…貴方を支えることができなくて…」

 

 表向きでは穏やかに笑っていた。でも中ではずっと泣いていたかもしれない。人を殺し続ける罪悪感に、潰され続けていた。

 

「………今までお疲れ様でした……辛かったですよね…」

 

 ぽつりぽつりとつぶやく。

 

「…でも、もう大丈夫ですよ…神様だって心葉君のことわかってくれますから……」

 

 彼は神機使いになって、他者を救い続けてきた。救われない神機使いを殺し続けてきた。仲間に支えられて幸せだと彼は言っていた。人殺しだと彼は言っていた。そんなことは関係ないと言ってやった。自分たちの救世主だと。市街地でアラガミから自分を守って、怒ってくれた時、とても嬉しかった。

 でも、その彼は死んだ。苦しみ続けた役目がようやく終わったのだ。

 

「…ありがとう、心葉君……私の救世主……大好きな人………おやすみなさい」

 

GOD EATER ~堕ちた救世主~ fin




これで物語としては完結です

相当な年月が経って、ストーリーの終わりでしたが、どうでしたでしょうか。楽しめたのであれば幸いです。

普通とは違う視点の神機使いの物語として書きましたが、ところどころブレがあったりと、色々ありました。

前回で後2回ぐらいとは言っていましたが、正式にはこれで終わりです。希望があったり、気が向いたらもう一つの終わりを書こうとは思います。

今まで読んでくださった皆様、今まで有難うございました。
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