ご意見、感想お待ちしております。
ちなみに今回はかなり雑です。ご了承を。
★極東支部外部居住区
side:心葉
「ごめんなさい、勝手に連れ出して」
「いえ、大丈夫です」
心葉は今、ユノに外部居住区に連れ出され、2人っきりで歩いている。他人から見ればデートにしか見えない。ユノは空色のワンピースに黒い伊達メガネをかけていた。ユノに対し心葉は、黒いシャツと灰色のズボンと色合いのない服装だった。
「今日は休んでこいってコウタさんにも、詩音さんにも言われましたし」
「そうじゃないの」
「ふぇ?」
「私と出かけてること、見つかったら面倒ですよ?」
ユノは苦笑いしながら答えた。世界の歌姫と神機使いが二人っきりで出かけているなんてことが知られたら、問題になる。
「…いいですよ、別に」
「そう。じゃあ、行きましょうか」
「はい」
★極東支部エントランス
side:シエル
「ああ~、また負けた~」
詩音は持っていたトランプを机に投げた。先ほど詩音、シエル、エリナ、アリサ、ナナの5人でババ抜きをやっていた。
「隊長、これで10回目中、10回目ですね」
「言~う~なぁ~~」
詩音はそう言って、机に突っ伏した。
「先輩って何考えてるか、すぐわかるんですよね」
エリナが言った。
「顔に出てるってやつですね」
アリサも続いた。2人の言うとおり、詩音は考えていることや、感情がよく表情に出る。よくというより、常に出ている。
「…そういえばさ、心葉君はどうしたの?」
「私、誘ったけど出かけますーって言って外部居住区に行ったよ」
「ナナさん、それいつの話ですか?」
「んー?20分くらい前だと思う。それがどうしたの?」
「いえ、ただ聞いてみただけです………隊長、心葉君を呼んでも勝つのは難しいと思いますよ」
「…ぅぅ」
★神機保管庫
side:リッカ
「どうだい?」
「…うん、数日前より鋭くなってる」
神機保管庫に、リッカとサカキが訪れていた。二人の前には白銀の槍の神機が設置されている。心葉の神機だ。素材はカリギュラというハンニバル種の接触禁忌種のアラガミからだ。カリギュラの体は蒼いが前使用者が白く塗りつぶしていた。
リッカはターミナルを操作し、ひたすらにモニターを眺めていた。
「そうか……この前のパーティーの出来事が影響しているかもしれないな」
「使用者に影響したっていうことですか?」
「そうなるね。どういう原理かはわからないが、神機もまた進化しているということになるな」
「でも、そんなケース聞いたことありません」
「私もだ。また一つ研究すべきことが増えたな」
サカキは満足そうにつぶやいた。
★ラウンジ
side:コウタ
「いやー、なんとか心葉も心を開いてくれてよかったよ」
「そうですね。これもユノさんとこのパーティーを開いてくれた、コウタさんのおかげですね」
テルオミが微笑みながら言った。
「いや、俺はそこまでしてないし…実際ユノさんがあいつを変えた。俺はほとんどしてない」
コウタはテルオミの言葉を否定した。
「なあ、話は変わるけど、心葉って女装すれば女そっくりに見えるんじゃないか?」
唐突にハルオミが言った。
「ハルさん、バカなこと言わないでください」
ギルバートが頭を押さえながらつぶやいた。
心葉は男だが、少々女の子のように可愛かったりする。顔立ちが女性よりというべきだろう。
「コウタはどうだ?」
ハルオミの目は少し本気だった。
「…まあ、そんな気はしますね……」
「だろう。心葉は女性陣から好かれているから、提案を持ち込んでみないか?」
「ハルさん、本気っすか?」
コウタは少しあきれていた。テルオミを見ると、ため息をついていた。
「ああ、本気だ。それに、あいつにとって役に立つ可能性あるかもしれないぞ」
「例えば?」
「変装、潜入…意外とできるんじゃないか?」
「何のために……」
これ以上は追及しても無駄と思った。
「ん?そういえば心葉はどこ行ったんだ?」
「ああ、外部居住区行くってi」
「このエミールただ今買い物より帰還した!」
コウタの話をさえぎるようにエミールがラウンジに入ってきた。
「おお、エミールか。そういえば、心葉見かけたか?」
「ん?心葉なら見かけたぞ。その時に一人の女性と歩いていたな」
「「!?」」
まさかとは思うが、心葉が外部居住区に行ったのはデートするためだったのかもしれない。
「…エミールその女性について詳しく教えてくれないか?」
「うむ……ユノ殿だったな」
「「何ぃ!!」」
コウタとハルオミが血相を変えて、立ちあがった。
「心葉めぇ!」
心葉が世界の歌姫とデートするなんて考えられなかった。
★外部居住区
side:心葉
ユノと二人で外部居住区を歩き、買い物をしているうちに夕暮になった。
「今日はありがとうございました」
両手に袋を持ったユノが言った。この袋の中身は服や、お菓子、雑貨などだ。
「いえ、こちらこそありがとうございました」
ユノのおかげで充実した時間を得られたと思った。誰かと話、歩くなんてことを数日前までは想像していなかった。ずっと一人で、この世界を歩いていくと思っていた。
「それじゃあ、私帰ります」
「はい。お仕事頑張ってください」
「うん。心葉君もね。ばいばい」
「ばいばい」
ユノが笑顔で手を振り、心葉も手を振った。
「僕も帰ろう」
ユノに背を向け、自分の帰るべき場所へ歩き出した。
★エントランス
「すみません、遅くなりました」
「おかえりなさい」
帰ってくるとヒバリが出迎えてくれた。
「ごはん食べに行きましょうか?詩音さんが待ってますよ」
「わかりました。行きましょう」
ヒバリの誘いを受け、ラウンジへ歩き出した。
★ラウンジ
心葉はラウンジの扉を開けた。開けた瞬間、2つの影が迫った。そして拳が降ってきた。心葉は避ける間もなく、殴られた。
「本っっっ当にすみませんでした!!」
「まったく!!」
詩音、アリサ、エリナが仁王立ちしている先に頭部にいくつか瘤を作った、コウタとハルオミが土下座していた。
一方、
「……ひぅ……ぐすっ……2人とも…ひどいです……」
「よしよし」
訳も分からず2人に殴られた心葉は、ヒバリに頭を撫でられながら、慰められていた。
「いくら心葉がユノさんとデートしていても、殴る必要はないじゃないですか!!」
女性陣は皆怒っていた。よくわからないが、極東の女性陣は心葉に対してかなり優しい。
「まあまあ、今回の件は彼らの勘違いだ。その辺にしてやってくれ」
サカキが口を出した。
「…サカキ博士が言うなら仕方ないです。でも、今度心葉君に手を出したら許さないからね!言っておくけど、今のセリフ、男性全員に向けてだから!!」
詩音が言った。
「「は、はい」」
コウタたちが、おびえながら返事をした。極東の女性陣は基本気が強いほうに該当する。逆に言えば、気が弱い人が少ないのだ。
■次回予告
久々の出張。僕は自分の役目を忘れかけていた。僕は神を喰らうものなく、救世主を喰らうものだ
次回「覚醒と意志の芽生え」