GOD EATER ~堕ちた救世主~   作:elsnoir

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前回からだいぶ空きました。すみませんでした。





7話 僕は女の人じゃなくて、男(男娘)の人です!!

★自室

side:心葉

 

「…ぅん……?………朝…?」

 

 目を開けるといつもの見慣れた天井があった。先日何者かによって強制的に寝かされた。どこかに連れて行かれるのかと思ったが、いつもの自室にいた。

 

「…ふぁ……今は……8時………朝ごはん………ぅぅ……眠い………」

 

 心葉は朝にめっぽう弱い。原因は低血圧でもあるが、一度寝るとなかなか起きない体質でもあるからだ。だが、今の時間起きないと本日の朝食を見過ごすことになる。

 

「……………眠い…」

 

 ベッドから嫌々出て、クローゼットを開けた。クローゼットの中にいつもの真っ黒なコートが入っている…はずだったが、なかった。それ以前にクローゼットの中が空っぽになっていた。いつもは支給された制服や、私服も入っているが、それすらも入っていない。

 

「…もしかして…ほかの人の部屋……?」

 

 どちらにせよ、今のままでは正常な判断ができないと思った。一度目を覚ましてから判断をしていこうと思った。近くにある蛇口の取っ手をひねり、水を出した。その水を手で汲み、顔につけた。冷たい水が目を覚まさせる。目が覚めたところで近くにあった小さな鏡を見た。少しだけ表情が変わったような気がした。あくまで気がしただけだった。

 

「………?」

 

 心葉は疑問に思った。さっきから足が妙に寒い。心葉は基本ロングパンツしかはかない。それなのに足が寒いのはおかしい。そう思い、顔を下に向けた。その1秒後、驚愕し悲鳴を上げた。

 自分では今まで一番の悲鳴だと思った。

 

 

★ギルバート自室

side:ギルバート

 

 ギルバートは朝食をすでに食べ終えていて、部屋でたまたまあった観光雑誌を読んでいた。当然数十年前のものだ。どれも興味深かった。写真とはいえ自分の見たことのない世界が広がっていた。昔はこうだった。あれがこうなった。今の世界を思い浮かべながら、雑誌の写真と照らし合わせていた。

 

「………終わったか…」

 

 最後のページをめくり、つぶやいた。今まであまり過去の世界には興味はなかった。だがこの雑誌を見て少し興味を持ち始めた。

 次の雑誌を探そうと席を立った瞬間、隣の部屋から、

 

「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

 誰かの悲鳴が聞こえた。隣の部屋は心葉しかいない。

 

「あいつらッ!また動きやがったか!!」

 

 スライド式のドアを強引に開け、心葉の部屋に向かった。心葉の部屋はドアノブ式だ。そのドアノブを握り、力強く開けた。

 

「この………は…?」

 

 ギルバートは驚いた。目の前にいたのは心葉ではなかった。

 黒く短く切りそろえられたサラサラな髪、空色の涙ぐんだ瞳、力を入れれば折れてしまいそうな細く華奢な腕、少し膨らみかけた胸。そんな特徴の少女がいた。

 

「み、見ないで…くだ…さい…」

 

 自分の手で胸のあたりを押さえ、おびえながら少女が言った。ギルバートは帽子を深めにかぶり、少女を見ないようにした。

 ギルバートは知った。あいつらが動き出したのではなく、すでに動いた後だったのだ。

 

「……ひぅ……」

 

 とうとう少女が涙を流してしまった。

 目の前にいる少女は、被害にあった心葉だった。

 

 

「…ありがとうございます」

 

 ギルバートはクローゼットの中に何か着る服があるだろうと思ったが、何もないため仕方なくベッドの布団で心葉をくるんだ。

 

「…さて、どうするか…」

 

 心葉から事情を聴き、ギルバートは今ターミナルを見つめている。ターミナルには一つのメールがあった。送り主は詩音。内容を簡単にまとめると今日一日中女装すること。それに従わなかった場合、心葉だけでなく極東の男性神機使い全員が女装することになる。さらに部屋に引きこもる、服を貸してもらうなどといった行為をすれば男性全員女装行きだ。

 

「……とりあえず、博士のところ行くぞ」

 

 

★サカキ博士の研究室

 

「…ということがあった」

 

 ギルバートはサカキに会い、心葉がこのような目に合っている理由を話した。

 

「……それは参ったね…心葉君…人助けだと思って今日一日演技をしてくれないか…?」

「…はい」

 

 心葉の声は小さかった。当然だ。朝起きてこんな姿になってればショックは受ける。

 

「…だが、どうする?」

 

 今の心葉の服装は、紺色のドレスシャツに藍色のスカート。そしてニーソックス。誰が見ても女性だ。今のところ心葉はタオルを巻いて座っている。

 

「心葉君のデータを改ざんしよう。今の君は一日派遣された神機使い。心葉君は出張中。ということにしておこう」

「…そうなれば名前が必要になるか」

「…名前…」

「偽名だね」

 

 心葉は少し考えた後口を開いた。

 

「…弥生…風間弥生」

「決まりだね。じゃあギルバート君、タオルをとってあげてくれ」

「!?い、いやっ…」

「…悪く思おもうなよ」

 

 ギルバートは強引に心葉のタオルを取り上げた。心葉の華奢な体が現れた。

 

「これも少し演技の勉強だと思ってくれ。皆には話を進めておくよ…だが似合ってるじゃないか。ギルバート君もそう思うだろう」

「ええ、最初見たとき男には見えませんでした」

「…ぅぅ…変なこと言わないでください……」

 

 顔を真っ赤にした心葉がつぶやいた。

 

「じゃあ弥生君、幸運を祈るよ」

 

 サカキが笑顔で手を振り、心葉を部屋から出させた。

 

 

★廊下

side:弥生

 

「…僕何も悪いことしてないのに……」

 

 廊下を一人トボトボと歩きながらつぶやいた。 

 

(よくよく考えてみれば、自分のキャラを作らなければいけないのかな…無口?活発?……)

 

 いろいろと考えているうちに一人の男性とすれ違った。

 

「ん?アンタ、見ない顔だな」

「ひゃぃっ!?」

 

 いきなり声をかけられたこともあるが、自分の声がかなり裏返っていた。

 声をかけたのは銀髪でガタイのいい男性、防衛班のブレンダンだった。

 

「新入りか?」

「あっ、あの、ぼ…私今日一日派遣された風間弥生って言います!」

 

 僕と言いかけ、詰まりながら自分の名前を言った。

 

「そうか。よろしく」

 

 包帯のまかれた手を差し出してきた。

 

「はいっ、よろしくお願いしますっ」

 

 にっこり微笑みながら手を差し出した。そして握手した。これで自分の正体がバレないか不安に思ったが平気だった。そしていつの間にかキャラを作り上げていた。

 

 

★エントランス

 

 歩いているとまた自分の中で問題が発生した。スカートだ。今まで通り歩いていると下着が見えてしまうのではないかと考え、廊下でひたすら歩き方を試行錯誤していた。5分くらい歩いて、なんとか不自然ではなくなった。それでも歩き方は不自然ではないか?下着が見えていないかどうか不安だった。

 

「あら?新入りさん…ですか?」

 

 考え事をしているとまた声をかけられた。今度はアリサに声をかけられた。

 

「えっ、あぁっはい!今日一日派遣された風間弥生です!」

「弥生ちゃんね。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

 弥生はぺこりと頭を下げた。

 

「今時間あいてますか?」

「はい」

「じゃあここを少し案内しましょうか?」

「いいんですか!?ありがとうございます!」

 

 ここの大体のことを知っているが、断るわけにはいかなかった。

 

「まず、ここがエントランス。下でオペレーターから任務を受けたりします。後ろにあるのが、出撃ゲートです。この奥に神機保管庫があります」

 

 錆びた階段を下りながら口を開いた。

 

「ここで任務を受けます」

 

 今は少し暇である。新人オペレーターのウララがヒバリにレクチャーを受けているところだった。そのヒバリがこちらに気付いた。

 

「アリサさん、そちらの方は…?」

 

 新人神機使いは大体オペレーターにも情報は入る。初対面で疑問に思われれば何かしら問題がある。

 

「あっ、ヒバリさん。この子一日派遣の風間弥生ちゃんです」

「風間弥生…?…ウララさん少しいいでしょうか?」

「あっはい」

 

 ヒバリがコンピュータを慣れた手つきで操作し始めた。

 

(…僕の人生終わりましたね)

 

 終わった。 このコンピュータには極東支部の神機使いの情報がすべて入っている。新人から派遣された神機使いまで。派遣された神機使いのデータに弥生の名前がなければ大問題になる。自分の正体がバレるのも時間の問題だろう。

 

「……あっ、ありますね。風間弥生。沖縄支部から一日派遣ということになっていますね」

 

 どうやら神とサカキはまだ見捨てていないようだ。

 

「先ほどは失礼しました。私オペレーターの竹田ヒバリです。こちらは新人オペレーターの星野ウララさん。短い間ですが、よろしくお願いします」

「どうかよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

 

 3人それぞれ挨拶を交わした。

 

「それでは、次に行きましょう」

 

 アリサに手を引かれ、歩き出した。

 

 

★ラウンジ

 

「ここがラウンジです」

 

 ラウンジは他の場所と比べ少し明るい。入ってくるたびに少し目が痛かったりする。

 目の前のカウンターにはコウタ、テルオミ、エリナ、ジーナがいた。

 

「こんにちわー」

「アリサ、その子は?」

 

 コウタが言った。

 

「あっ、私今日一日派遣された風間弥生です」

「一日派遣…ですか、僕は真壁ハルオミです。こちらは第一部隊隊長の藤木コウタさん、それで」

「私はエリナ。エリナ・デア・フォーゲルヴァイデ」

「ジーナ・ディキンソンよ。よろしくね」

 

 それぞれ挨拶を交わし、アリサがカウンターの席へ進めてくれた。

 

「コウタ、弥生ちゃんに手を出したらダメですからね」

「出さないって」

 

 出されたら大変なことになる。外は女だが中身は完全に男だ。どうなるかは言うまでもない。

 

「今日たまたまムツミちゃんが休みだから、何か食べさせてあげたいけど、ごめんね」

「いえいえ、大丈夫ですから」

 

 いろんな人に説明されているが大体は知っていることだった。稀に知らないことも出てくる。そして話しているうちに夕方になっていた。ムツミがいないので自分たちで作ることになった。

 

「むぅ…」

「弥生さん、どうしたんですか?」

「あの、私料理とかしたことなくて……ごはん無駄にしちゃったらどうしようかなって」

「だったらみんなで作りましょう。皆で協力して作れば問題ないはずです」

「じゃあそうしよう!」

 

 エリナが言った。ハルオミの意見には全員同意した。まず何を作るか意見を上げた。当然意見はバラバラだ。そして自分たちで作れるかどうかの問題も発生した。6人で20分間悩んだが、まともな意見は出なかった。その意見に終止符を打つかのように弥生が提案を出した。

 

「あ、あの、もしかしたらターミナルに料理の作り方とか書いてあったりしますかね…?」

「それだ!!」

 

 コウタが声を上げた。ターミナルにはいろいろなデータがある。もしかしたら料理関係のデータもあるかもしれない。データを探すため早速移動を開始した。

 

 

★エントランス

 

 6人で一つのターミナルにのめりこんでいた。操作しているのはハルオミ。皆で「これがいい」、「これもよくない?」、「これは難しそうだね」、などといろいろな声が上がっていた。そしてあるページで手が止まった。カレーのページだった。

 

「カレー…ですか?」

 

 弥生が言った。

 

「皆でやるならこれが簡単かつおいしくできるものかと思いまして」

「そうね…これなら料理ができなくても平気ね」

 

 全員納得した。

 

「で、問題は誰が何を担当するかだ」

 

 コウタが言った。

 

「材料はあるけど、誰が何を切ったりするかだな」

「あの、恨みっこなしでくじ引きにしませんか?」

 

 今の自分の発言に口が滑ったというレベルでは済まないと思った。

 

「それもいいんじゃないですか?ね、皆さん」

 

 アリサが口を開いた。皆頷いた。どうやら誰が何をやってもよかったようだ。

 コウタが簡単なくじを作り、それぞれを引いた。弥生は人参担当だった。コウタが玉ねぎ、アリサがキノコ、ハルオミがジャガイモ、エリナが鶏肉、ジーナがナスを担当することになった。カレーのルーは全員担当だ。

 

 

★ラウンジ

 

 担当が決まったことでラウンジに戻り、それぞれ作業を始めた。

 少々ぎこちないがそれなりに包丁を扱っていた。

 

「…どんなふうに切ればいいのかな…?」

 

 正直料理なんかしたことがない。そのため大きさ、形がさっぱりわからない。今のところ直感で切っている。横目で他の人を見ると黙々と作業をしていた。

 

「…私もがんばろう」

 

 結局直感でザクザクと人参を切り出した。

 

 

 出来上がった具材を鍋に入れ煮込み始めた。少し煮立ち始めたところでカレーのルーを入れた。そしてまた煮込んだ。あっという間にカレーができた。具材の大きさがそれぞれ違い、個性が出ているような気がした。皆好きな分をお皿によそり、カウンターに座った。

 

「よっし!いただきます!!」

「「いただきます!」」

 

 皆スプーンを動かし始めた。弥生もスプーンを手に取り、自分の切った人参をすくった。それをじっと見つめ口に運んだ。人参が少々大きかった気がしたが問題はなかった。

 

「…おいしぃ」

 

 自分の表情に自然と笑みがこぼれていた。男性陣は早くもお代わりをしていた。女性陣も喜んでいた。

 もしできることならもう一度、「弥生」ではなく今度は「心葉」として皆と料理を作りたかった。

 

 

★自室

 

 皆で夕食を食べた後すぐに寝ることにした。一日過ごせばコートが帰ってくるのだ。だったら早く一日を終えるには寝るのが一番だ。寝た時間は9字になった。

 

 

AM 1:00

 

 突然目が覚めた。少し寒かったりした。たまたま布団が落ちただけだろうと思い、手を動かそうとした。だが、自分の両手は何者かに押さえられていた。

 

「…っ?」

 

 暗くてよく見えないが、誰かが自分の手を押さえているようだ。

 

「…あら、起きちゃった…」

 

 低い女性の声が聞こえた。眼帯を付けた女性、ジーナが自分の腰の上に馬乗りになっていた。

 

「…ジー…ナ、さん?」

「…そうよ、さすがに服はまずかったかしら」

「え…服…?」

 

 起き上がることができないので、頭を上げ、自分の体を見た。ドレスシャツのボタンは外され、パッドもブラジャーもなく、自分の肌が見えていた。

 

「!?!?」

「驚くのも無理はないわ…弥生ちゃん、いや…心葉君」

「ぁ…ぁぁ…」

 

 服を脱がされれば女装しているなんてわかることだった。

 

「…い、今さっきそれを知ったんですか…?」

「いいえ…弥生を最初に見たときからよ」

「ッッッ!!!」

「他人の目はだませても、私の目はだませないわ」

 

 さすがスナイパーを扱っているだけあって、観察力はあるようだ。

 

「な、何をするんですか…?」

「そうね…ちょっと可愛がるだけよ」

 

 そう言ってジーナは心葉に顔を近づけた。

 

「やっぱり、いつみても可愛いわね…」

「え、ぇえ…」

「顔を真っ赤にしたところも…ね」

 

 心葉は戸惑っていた。抵抗しようにも抵抗できない。このままジーナにいろいろされるのだろうと思った。

 

「そうね…君の弱点…とか探ってみたいわ…こことか…ふー」

 

 ジーナがつぶやき、心葉の耳に息を吹きかけた。

 

「ぴゃぁっ!!!」

 

 心葉は小さな悲鳴を上げた。

 

「いい反応ね…」

「い、いや…やめて…ください…」

 

 心葉の目から涙があふれ出した。

 

「そんな反応されると、やめるわけにはいかないわ」

 

 今度は心葉の目から流れた涙を下で舐めた。

 

「ぅんっ」

「ほんと可愛いわね…名残惜しいけど、可愛そうだからやめてあげるわ…」

 

 そう言って、ジーナは心葉から降りた。

 

「ごめんなさいね、それじゃ…おやすみ」

 

 ジーナは心葉の部屋から出て行った。

 

 

 翌日、クローゼットの中にいつものコートがかけられていた。他の服もきれいに畳まれていた。先日来ていた服はどうしたらいいかわからず、とりあえず畳んでクローゼットの奥にしまっておくことにした。

 

 

■次回予告

 

 僕は出会った。一人の女性に。もしかしたら外部居住区の誰よりも優しい女性なのではないかと思った。

 

次回「出会い」




いまさらですが、前回出てきたバゼルは後の大きな伏線に入ります。


捕捉みたいな感じですが、心葉の性格はGEBのレンの黒いところを取っ払った感じです。レンが可愛すぎて、GEBの中で断トツで出撃回数が多かったです…

今回投稿がだいぶ遅れた理由に心葉のキャラエディットに時間がかかってしまったことに原因があります。私は心葉や詩音のキャラは一度GE2で作りそれをもとにしています。
GE2は個人的に女性キャラの服がバリエーションが少なく、組み合わせにくいと思っています。特にスカートとか。それに比べ男性キャラは服装の組み合わせが簡単で……前作同様にスイーパーノワールの下がどれだけ汎用性が高いことやら……

↓心葉女装時服装
上 ディギティスター
下 クォーツスクール
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