無事雄英高校に入学した黒彦。突如現れた担任を名乗る人物相澤にジャージを着てグラウンドに出ろと急に言われてしまうのだった・・・
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「個性把握テストォ!!?」
グラウンドにたどり着いた生徒たち。相澤の言葉に誰かが叫んだ
「入学式は?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な事している時間ないよ」
生徒の疑問を一括する相澤
「雄英は”自由”な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。まぁとりあえず見せた方が早いだろう。入試一位は・・・龍ヶ崎か。ちょっとこっちへ」
言われるがまま相澤のもとによる黒彦。入試一位と言われた際に若干名から敵視に近い視線を受けた気もするが本人にとってはどこ吹く風だ
近寄ってきた黒彦に相澤があるものを手渡す
「・・・ボール?」
「あぁ。中学でやった事あるだろう?今からやってもらうのはソフトボール投げだ。ただし・・・個性解禁のな」
「個性解禁・・・?」
相澤の言葉にざわつく一同
「まぁともかく龍ヶ崎、中学のソフトボール投げの記録は?」
「374メートルだ」
「・・・個性を利用せずにか?」
「あぁ。そもそも基礎的な能力が我は他と違うからな。驚くのも無理はない。まぁこれでもだいぶ加減したのだがなぁ」
「・・・まぁ少し早いが上を知るのも大切か。じゃあ龍ヶ崎、個性も利用して全力で投げてみろ」
「ふむ、”全力”だな。よかろう」
相澤からボールを受け取り円の中に立つ黒彦。少しの深呼吸の後体に変化が起こり始める
パキパキ・・・
「あれは・・・鱗か?」
黒彦の腕や足に纏われていく黒光りする鱗。そして腕がすべて覆われた時、おおきく振りかぶって黒彦が全力を持ってボールを放つ
バシュン!!!
瞬間訪れる轟音と風圧。あまりの勢いと、その凄まじい威力は雲にぽっかり空いた穴が物語っている
「ふふふっついやりすぎてしまったな。して、記録は?」
「・・・」
相澤が無言で取り出したタブレットに映し出された記録は・・・測定不能
「恐らくは成層圏を突破して宇宙まで行ったか、空気抵抗で焼き切れたか・・・」
「はっはっは。まぁ人の技術で我の力を図ろうという方が無茶であったな」
到底人には出しえぬその記録を受けて最初は圧倒されていた生徒たちだが、しだいに興奮し始める
「うぉーすげぇー!!」
「測定不能とかマジかよ!!」
「個性思いっきり使っていいとか面白そう!」
クラスがだんだんと盛り上がり始める。しかしそんな中に相澤が一言
「”面白そう”か・・・ヒーローになるまでの三年間、そんな腹積もりで居るつもりか?」
ピシッと静まり返る一同
「ではこのテストで最下位だったものは見込みなしとして除籍処分としよう」
「「「はぁぁぁぁ!!!」」」
除籍処分。入学したての生徒たちにこれほど効果的で恐ろしい罰はないだろう。当然異議を申し立てようとする生徒も現れるが続く相澤の言葉で静まり返る
「ヒーローになるならこんな受難はあって当たり前・・・Plus ultraだろ?乗り越えてこい」
全員の眼にやる気が浮かぶ。それは当然黒彦同様だ
『ふふふっ流石雄英教師。人に発破をかけるのがうまいではないか。どれ英雄になるためのデモンストレーションだ。一位を取らせてもらうとしよう』
波乱の体力測定が今始まった
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~50メートル走~
風を斬ると音を鳴らし俊足で走り抜ける黒彦
ピピッ「2秒39」
その凄まじい記録に、エンジンという走りに特化したような個性を持つメガネ君・・・飯田がうなだれる中
「ふむ。やはり50メートルでは加速しきれんな。記録が伸びぬ」
ナチュラルに追い打ちをかける黒彦であった
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~握力測定~
「うぉぉすげぇー!!」
「500キロとかゴリラかよ!!」
腕がたくさんあるような生徒が出す高記録。黒彦も負けじと鱗を纏わせた腕で思い切り握力計を握りしめる
ミシミシミシ・・・バキッ
嫌な音を立てて握りつぶされる握力計。黒彦が相澤に謝りに行くと相澤もあきれ顔で問題ないと伝える。そんな黒彦を見ながらクラスメイトはもはや引いてしまっていた
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その後も高記録をバンバンと叩き出していく黒彦。その記録は凄まじくバイクを生み出した生徒を小走りで抜かしていったほどである
何だかんだあって終わった体力測定。そして結果発表に移る
「結果発表だ・・・ちなみに除籍は嘘ね」
何名かが壮絶な顔をしている
「あんなの嘘に決まっているじゃない・・・」
『ふむ。自由だから無しにしたという説も・・・まぁ良いか」
こうして波乱の入学初日は終わりを迎えるのであった
ちなみに龍ヶ崎黒彦。体力測定ぶっちぎりの一位であった
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次回予告
いよいよ授業が始まる雄英生活。初めての戦闘訓練でも何か波乱が起きそうな予感
次回、黒龍訓練