コズミック変態と哀れな最悪の精霊さん。   作:冬月雪乃

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ぶらり散歩

ぶらり女神と時間補充の旅。

適当にDEMやASTの駐屯地に突入して吸い上げるだけの簡単なお仕事だ。

 

「どうかね女神」

「まずいですわね」

 

あまり美味しくはないようだ。

 

 

 

 

 

 

#

 

 

 

 

 

 

晴天である。

超晴れ。

女神も日焼け止めを念入りに塗っている。

--そう、水着で!

黒のシンプルなものだがそれが却って普段フリルだらけな女神の細さを強調し、その白い肌と相余って……!

 

「あえて言葉にさせていただくならば、エクセレント。ブリリアント。もしくはちょーかわいーといった具合か。よく似合っているよ、我が女神」

「……マント脱いだらどうなんですの……?」

「裸だが」

「熱中症で死んで下さいまし」

 

あぁ、女神が私の心配をしてくれている!

この浜辺も時空間から切り取って保存しておこう。

 

「……はぁ」

「保存、と」

 

おや。

これは……足跡……!

ビーチ素晴らしいな!

 

「足跡も回収しないで下さいまし!」

 

眉間を撃ち抜かれた。

真っ赤に染め上がった表情が素敵だよ女神。

 

「ウザいですわ……」

 

はっはっ。

私を止めたければ私の自滅因子を連れてくるのだね。

ともあれ。

なんとも今回の回帰はコレクションが増える増える。

喜びが天元突破である。

 

「〈ナイトメア〉捕捉」

「……Gravis ira regum est semper. (王の怒りは常に重い)

 

なんと無粋な。

バカンスしてたらDEMに囲まれた。

女神を背後に隠してDEMの木偶人形を吹き飛ばす。

 

「〈メルクリウス〉捕捉」

 

以下略である。

意識を割く時間すら勿体無い。

あまりに無意味。

吐息で沈むような芥に割く様ならば目の前であまりの敵の数に若干怯え入ってる女神を撫で回したり写真撮ったりくんかくんかするね。

 

「あぁ、女神、あぁ!女神!」

「鬱陶しいですわ……」

 

そんな殺伐とした日常。

 

 

 

 

 

 

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しかし、ある時に転機が訪れた。

私達の元に、二人の男女が訪れたのだ。

 

「見つけたぞ第四天……!」

「変態の聖遺物を埋め込んでくれた恨み……」

「「今!ここで晴らす……!」」

 

ぶっちゃけ転生してきた人らだった。

なんだかよくわからない怒りと共に理解したことは、第六天から逃げる時に黄昏コレクションを落としていた訳だが、そのコレクションもやはり黄昏の残滓。神の片鱗のようなものが宿っているらしい。

今のところ一番強い特典を寄越せ、ついでに世界観を移動できるようにしろといった願いを叶えさせて手に入れたのは黄昏の女神のコレクション。

砂浜に残った足跡(女神の残り香付き)とブロマイドだ。

永劫破壊じみた何か別の術も施されているらしく、永劫破壊でいえば形成段階にあるらしい。

女神をマントの中に抱き込んで交戦に入る。

 

擬似形成(イエッツラー)--正義の御御足(ジャスティス・ワン)

擬似形成(イエッツラー)--封時の鏡面(ミラー・ザ・シール)

 

女の背後に巨大な脚が現れる。右だけだが、女性のもので、しかして脚だけで十分色香を放っている豊満さを持っているが、どこか未完成な危うさを持った美少女を思い浮かべるものだ。

男の手には写真機。

こちらに向けてシャッターを切るのでポーズを決めてみた。

周囲の景色が消し飛んだ。

続いて畳み掛けるように御御足が降ってくる。

なるほど、脚フェチにとってはまさに正義の一撃だろう。

女神の脚なら迷わず受け止めて舐め回す所存であるが、黄昏のものなら本家水銀か息子にでもくれてやるさ。

全くもって、舐められた話である。

形成位階。それも疑似的に似せられた贋作風情が正真正銘の流出に叶うわけがない。

 

「ふむ。これで終いか?ならばこちらから行くが」


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