コズミック変態と哀れな最悪の精霊さん。   作:冬月雪乃

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水銀無双(物理)

ビームや剣撃、衝撃に射撃が私に殺到する。

 

「……それで終いかね?そろそろ飽きたのだが」

 

まったくのノーダメージだが。

 

「化け物め……!」

 

災害レベルの被害が出るとしても女の子を追っかけ回して殺害したり拷問したりする集団が何を言うのだろうか。

 

「塵が何を言おうが塵。いくら貴様らが死のうと『ああそうか』とも思わん」

「くそっ……!」

 

相手側からすればこれ以上の無理ゲーもあるまい。

物理含めて直撃させようともノーダメージ。

しかし私の攻撃はかするだけでも大惨事だ。

 

「そもそも私を倒すというには望みが足りない。というか何もかもが不足だぞ貴様ら」

 

再びメテオ。

一番威力低いのコレだけなのだ。

占星術って不便。

 

「あぁ、あぁ、哀れだ。ただただ哀れである。自らがどのような立ち位置にあるかも知らず、無為に散って行く舞台装置。所詮その程度の意義しか持たされぬ劣等種。建前の目的を盲信し、ただ執行するだけの道化でしか無い」

「戯言を……っ!」

 

男が斬りかかるが避けずに受ける。

薄皮一枚切ることもなく額で受け止められる。

造作も無い。

 

「何かしたかね?」

 

デコピンをすると、きりもみしながら吹き飛びグラウンドへと頭を擦り付けながらスライディングで着地。

そのまま動かなくなる。

 

「あぁ、しかして愚昧である事は罪では無い。無知で蒙昧。それこそが貴様らに与えられた役割なのだからね」

 

今度は一斉に襲いかかって来た。

皆、表情に恐怖を貼り付けている。

 

sic itur ad astra.(このようにして星に行く)

Dura lex sed lex.(厳しい法ではあるが、それでも法である)

 

グレートアトラクター。

襲いかかる塵を衝撃で叩き潰した。

 

「……あぁ、すまない。少し気分が乗ってしまってね。君たちは覇道神(私達)と比べて強度が足りなかったね」

 

黒円卓や我が息子と愉快な仲間たちが私の基準となっているのでついつい無造作に放ちがちだ。

私が回帰の原因になるなど笑えない。

しばらく気をつけるとしよう。

 

 

 

 

 

#

 

 

 

 

 

 

どうやら主要な役者は被害から逃れたらしい。

いやはや、校舎を中心とした街の一角が完全崩壊。

DEM社の社員に死傷者多数。一般市民も被害が出た。

テレビのニュースをジトっとした目で見ながら女神がため息を吐いた。

 

「やりすぎですわよ」

「すまない女神。弁明のしようも無い」

 

結構抑え気味だったのだが、まだまだ足りなかったらしい。

ちなみに破壊された街並みは次の日には戻ってた。

かがくのちからってすげー。

また溜息。

…………………。

 

「女神が触れた大気などそれだけで至高の聖遺物……!」

「だからといってわたくしの吐いた息を回収して回らないでくださいます!?」

 

額を撃ち抜かれた。

 

「怒った顔も素敵だよ、女神」

「……変態ですわね……っ!」

 

あまりの可愛らしさに理性が滅尽滅相されかけた。

さすが女神。

言葉一つで私を倒すに至るとは……。


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