古代王者恐竜キング ジュラシック・エイジ   作:バックベアード

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 前回の恐竜キング!

 ある日オウガが起きると、レクシィが起き上がれなくなっていた。リアスに診断してもらったところ、レクシィはリジン欠乏症で、必須アミノ酸のリジンを体内で合成できない体質であることが判明した。
 リジンが豊富な鶏肉を食べさせレクシィは回復に向かったが、念のため経過観察を取ることとなる。
 そんな中イギリスの大英博物館にサイカニアが出現したということを知り、Dキッズ達はテレポートでロンドンへ向かう。
 結果としてサイカニアはアクト団に奪われてしまったものの、仲が拗れていたエースとレックスは仲直りをすることができた。
 だが一方で、スピノに過剰な攻撃を加えたレクシィの真意を、オウガは計りかねていたのだった…。


第4話:アマゾンに潜む影!"Get away!He's coming!"
前編


アマゾンの熱帯雨林地帯

 

 ここは1年を通して温暖かつ湿潤な気候で、降雨量も非常に多い地域である。

 そんなある日のこと…この日は特に雨が強い日だった。

 連日の雨で崖の一部が崩れ、岩が真下の河へ落下していく。その落下していく石礫の中に…あの卵型のカプセルの姿があった。

 カプセルは河へ落ち、そのままどんぶらこどんぶらこと流されていくが、水面から突き出た岩に挟まり、2つに割れてしまった。

 すると中から出てきたのは、背中に鋲のような装甲を持つ1頭の竜脚類…サルタサウルスだった。

 サルタサウルスが目覚めの嘶きをする様を見ていたのは、すぐ近くの木に留まっていた1匹の小さなトカゲと…木立の中から様子を窺う何者かだけだった…。

 

 

同時刻 アクト団基地 アジ島

 

「ぬおーっ! 今週も来た来たァーッ! 北は南の反対ぞい!

またしても恐竜が現れたぞい! 今週も泣く子も黙るアクト団の作戦開始ぞい!」

 

 アクトサーチに恐竜の反応が引っかかり、狂喜乱舞するDr.ソーノイダ。

 しかしアクト団工作員の3人は…。

 

「ちょっと待った!」

 

「厶? 何を言っとるぞい?」

 

何故か待ったをかけられたソーノイダが彼らの方を見ると…。

 

「ねぇ…いいだろ? ノラッティ〜…」

 

「ダメザーンス! 待ったはなしと言ったのはウサラパ様ザンスよ?今更ありにするなんて許されないザンス!」

 

 呑気にチェスに興じていた。

 

「全く、細かい男だねぇ…。男ってもんはもっと寛容じゃないと嫌われるものだよ?」

 

「ごちゃごちゃ言ってないで早く打つザンス!」

 

「もー、分かったっての。えーっと、ここに打つとそれがこうなってダメだから…そこでもダメで…」

 

「オレでももうウサラパ様に逆転の目はないって分かるッス。

とっとと降参するのが身のためッス…あっ! 何するんスか!」

 

「うるさいねお前は横からぐちぐちと!

バツとしてこのポッキーは全部アタシのだよ!」ボリボリ

 

 エドの言葉が気に障ったのかウサラパが彼の食べていたポッキーを奪い取り、纏めて口に放り込んでしまった。

 呆気に取られていたソーノイダだったが、ここでようやく正気に戻り、3人を怒鳴りつける。

 

「コラーッ! お主ら! 遊んでいる場合ではないぞい!

南米のアマゾン地域に恐竜が出たのだぞい!

モタモタしてないで早く行ってくるぞーいッ!」

 

「は、はいっ! ウサラパ以下3名、直ちに出撃します!

ほらっ、お前達も早く来るんだよ!」

 

 そう言いつつウサラパはさり気なく机を蹴り上げた。

 その衝撃でチェス盤が落ち、駒があちこちに散乱してしまう。

 

「あっ、まだ勝負の途中ザンスのに…。

ドクター! そのチェスの盤面戻しておいて欲しいザンスぅー…」

 

 この期に及んでチェスの盤面を心配するノラッティ〜の声を聞いて、ソーノイダは大きくため息をついた。

 

 

その頃 日本三畳市 リュウタ宅

 

 夕暮れ時の三畳市。

 マルムやオウガ、それに各々のパートナー恐竜と連れ立って家へ帰ってきたレックスは、何故かリュウタが階段下の物置部屋に隠れるのを目撃した。

 

「何やってんだ? リュウタ」

 

「しーっ! 今ガブをテストしてるところなんだ!」

 

「「「…テスト?」」」

 

「そう! ガブが嗅覚だけでオレを探し当てられるかどうかっていうテストさ!」

 

 そう言ってニシシと笑うリュウタの顔を見て、その場にいた全員が顔を見合わせた。

 と、2階からガブの声が聞こえてくる。するとリュウタはすぐさま頭を引っ込めて物置部屋に隠れた。

 それからしばらく経ち、2階からガブが降りてきた。

 

「どうしたんだガブ? 何か捜し物かい?」

 

 レックスがすっとぼけてそう尋ねると、ガブは辺りの匂いを嗅ぎ取り始めた。そのまま真っ直ぐに物置部屋へ向かい、ドアを入念に嗅ぎ回ってからコンコンとドアを角で叩いた。

 

「よく見つけたなガブ! 偉いぞ流石だぞ!」

 

 リュウタがドアを開けてガブを抱きしめようとするが、ガブはひらりと躱し、物置部屋に置かれていたドッグフードの袋に食らいつく。

 どうやらガブの本当の目的はそっちだったらしい。

 

「まあ、確かに…嗅覚は優れてるね…?」

 

「リュウタよりご飯がお目当てだったみたいだけどね…」

 

「驚いたな…。角竜もこんなに嗅覚が鋭敏だったなんて…。いや、食料が目的なら無理もないか…?」

 

 Dキッズ達がそれぞれの感想を述べる中、リュウタはガブが食らいついたドッグフードの袋を取り戻そうと引っ張り合いをしていた。

 

「何やってるんだよガブ〜…ほら離せよ、離せってば〜!」

 

 しばらくガブとドッグフードの引っ張り合いをしていたリュウタだったが、突然何かを嗅ぎつけたのか鼻をひくつかせる。

 

「おっ、この匂いは…もしかして!」

 

 匂いに釣られてリュウタが台所へ行くと、そこには母親の亜紀が作ったハンバーグが大皿に山積みにされていた。

 出来立てのようで湯気も立っており、リュウタは素早く近寄る。

 

「やっぱりハンバーグだ!

オレ、母さんの作るハンバーグ大好きなんだ〜!

いっただきまー…」

 

 ハンバーグの1つをつまみ食いしようとするリュウタだったが、それに気付いた亜紀によって取り上げられてしまった。

 

「こーら、リュウタ! お行儀が悪いわよ?」

 

「いいじゃん、一口くらい…」

 

「ダメよ。まだお父さんも帰ってきてないし、ガブちゃんが真似したらどうするの?」

 

「お願いだよ〜母さ〜ん…頼むから一口だけ…」

 

「ダーメ!」

 

 そんなリュウタの様子を見て、オウガ達も苦笑いを浮かべる。

 

「やっぱりよく似てるわね。リュウタとガブって」

 

「フフッ、そうだね」

 

「飼い犬は飼い主に似るっていうし、恐竜もそうなのかもしれないね。

そうだとすれば俺とレクシィやアメジストもどこか似ている…のかなぁ?」

 

 その時、各々のディノホルダーやディノラウザーから甲高い音が響き始める。液晶画面を見てみると、そこにはアマゾン地域周辺の地図と、そこに光る赤い点が表示されていた。

 恐竜が現れたのだ。

 ハンバーグを食べたがるリュウタを引きずりながら、Dキッズ達はDラボへ向かうのであった。

 

 

Dラボ

 

「みんな知っているとは思うけど、恐竜が出現したわ。場所は南米アマゾンの熱帯雨林地帯。

1年を通して高温多湿で、雨も多いところよ」

 

「うーむ、アマゾンかぁー…。人類未踏のジャングルにエキゾチックな熱帯植物…それから珍しい動物たち…。

あぁっ、一度見てみたい! できることならこの私が…」

 

「だから父さんはダメなんだってば…」

 

「だがなリュウタ。アマゾンに興味があるのは勿論なんだが、何よりも父さんはお前たちが心配で仕方ないんだよ。

…そうだ! これを持っていきなさい!」

 

 そう言って古代博士がリュウタに何かを渡す。

 

「父さん、何これ?」

 

「虫に刺された時はそれを使いなさい。それから腹痛の時はこの薬で…」

 

「ち、ちょっと父さん…」

 

「蛇に噛まれたらこの薬、ピラニア避けにはこれを、そして水虫にはこっちを…」

 

「もう! 父さんってば! こんな沢山渡されても使わないよ!」

 

「リュウタ! 早く行かないとまたアクト団に先を越されちゃうわよ!」

 

「スピノサウルスにサイカニア…。

オウガが回収したステゴサウルス以外は全部アクト団に取られてしまっている訳だし…今度こそは僕たちが救い出さないと!」

 

「ああ、じゃあ行ってくる!」

 

「り、リュウタ! 気をつけるんだぞ!」

 

 Dキッズ達はディノホルダーやディノラウザーでテレポートを起動し、アマゾンへと飛び立っていった。

 

「やはり心配だな…。怪我をしなければ良いのだが…心配だなぁ…。やはり私が!」

 

「大丈夫ですよ博士。ガブちゃん達も付いていますから」

 

「…やっぱり…ダメかあ…」

 

 何とか理由をつけて行こうとするもリアスに止められ、古代博士はがっくりと肩を落としたのだった。

 

 

アマゾン 熱帯雨林地帯

 

 Dキッズが到着すると、雨は降っておらず太陽も少し顔を出している状況であった。

 しかし辺りには霧が立ち込めていてあまり見通しがよくない。

 

「霧が少し出て見にくいな…。恐竜はどこにいるんだろう?」

 

「ここに転送されたからにはこの近くにいることは間違いないんだろうけど…この霧じゃあなぁ…」

 

「パラパラ、どうお? 何か聞こえる?」

 

「クゥン?」

 

「いきなり飛び出してくるかもしれないぞ。気をつけろよー…ってうわあああ!?」

 

 リュウタは坂に気づかず足を滑らせてしまい、頭から水溜まりに落ちてしまった。体にも少し泥がついてしまったようだ。

 それを見た3人と4匹は坂に気をつけながらリュウタの元へ降り、リュウタを助け起こす手伝いをした。

 

「痛え…あーあ、かっこ悪ぃ…」

 

「大丈夫か、リュウタ?」

 

「1番気をつけるべきだったのはリュウタだったのかもしれないね」

 

「うっさいな!ちょっと滑っただけだろ?

…って、あれ?ガブは?」

 

「あら、いないわ。変ね…ここに着いた時には確かにいたはずなんだけど…」

 

「おーいガブー! どこだー!?」

 

 リュウタが声を張り上げてガブを呼ぶものの、どこからも返答はなかった。 

 一方その頃、ガブはアマゾンの蝶を夢中で追いかけていたのだが、当然そんなことなどリュウタ達は知るよしもない。

 

 チビ恐竜たちを含む全員でしばらく歩いて探したものの、ガブはどこにもいない。

 

「もう…どこに行ったんだよ、ガブのやつ…」

 

「まさかとは思うけど…さっきのリュウタの真似をしてたりするのかな?」

 

「オレの? …あっ!」

 

 オウガの言葉にリュウタはハッと気づく。

 さっき家でやっていたかくれんぼを思い出したのだ。

 

「そうよ! あの時リュウタが隠れてるのをガブも見てたもの!」

 

「かくれんぼしてるのかもしれないぞ?」

 

「うーん…とにかく! お前らも探してくれよ〜!

おーい! ガブー!

ガブのやつこんな所で迷子になったら…そうだ! ディノホルダーを使えばいいんだ!

…くそぉ、ダメだ…。さっきの水でオシャカになってる!」

 

 ディノホルダーで1度カードに戻せばいいと思いついたリュウタだったが、いくら弄っても動かない。

 先程水溜まりに落ちた時にショートしてしまったようだ。

 仕方なくリュウタは大声を張り上げてまたガブを探し始める。

 

「ガブー! 出てこーい! ガブー! どこだー!!」

 

「…とにかく、ここは手分けした方がいいな。

そこにちょうど良く切り株があるね。お誂え向きにカラーテープまで巻かれてるし、それを起点に4方向に分かれて探しに行こう。

みんな時計は持ってるよね? 20分後にその切り株で落ち合おう! そこで互いに成果を報告するんだ」

 

「分かったわ!」

 

「了解!」

 

「お、おう、分かった。みんな、頼んだぜ!」

 

 レックスの提案でDキッズ達はそれぞれ分かれてガブの捜索に当たることになった。

 北側の担当になったオウガは、レクシィとアメジストと共にジャングルの中を進んでいく…。

 時折2匹を呼んではぐれていないかを確認しつつ先へ先へと進んでいくと…急に開けた場所に出た。

 

「ここは…現地住民の家屋なのかな?」

 

 眼前にはいかにも通気性が良さそうな簡素な家が建てられていた。よく見るとジャングルの一部に道が通されていて、そこに新しいタイヤ痕が残っている。

 どうやら家の主は今ここにいないようだ。

 

「もしかしたらここにガブがいるのかもしれないし、ちょっと見ていこうかな…」

 

 そう思い、2匹と一緒に家の周りを見て回ったものの、ガブがここへ近づいたような痕跡はどこにもなかった。

 しかし、それ以外に妙な点をオウガは見つけた。

 

「鶏小屋が壊されてる…。中にいたはずの鶏もみんないなくなってるな。

羽や血が飛び散ってるし、何かに食べられたのか…?」

 

 アマゾンには大型のネコ科の捕食者が複数種住んでいることをオウガは知っている。

 しかしその中で、このように小屋を豪快に壊すことができるものはいないということも知っていた。

 

『グルルル…』

 

 レクシィが唸る声を聞いたオウガが振り返ると、レクシィは少し離れたところに立ち止まっていた。

 そこは泥濘になっていて、三つ指の大きな足跡がついているではないか。

 すぐさまその側へ近寄り、手をその上へかざしてみる。

 これは間違いなく獣脚類のものだ。

 もしこの足跡がここに出現した恐竜のものだとすれば、全長は8メートルから9メートルほど。

 レクシィよりも少し小さいが、それでも十分大型の肉食恐竜なのだと解釈できる。

 

(ここに出現した恐竜の足跡か…?

つまり鶏小屋を壊して中の鶏たちを食べたのもその恐竜だったということなのか…)

 

 その時、かすかに唸り声が聞こえた。

 レクシィのものではない、別の何かだ。

 

「誰だ!」

 

 はじけるようにオウガが顔を上げ、誰かいるのか叫ぶが何も反応はない。

 唸り声は空き地の端…一際薄暗いところから聞こえたように感じたのだが、そこに何かがいそうな気配はなかった。

 

「気のせいだったのかな…?

…あっ、そろそろ集合時間だ。ひとまず戻らないと」

 

 ひとまず立ち上がり、レクシィとアメジストに声をかけて戻ろうとする。

 しかしレクシィは、先ほど唸り声が聞こえてきた空き地の端をじっと見つめて動こうとしなかった。

 

「おーいレクシィ! 行くぞー!」

 

 オウガが呼びかけるとレクシィはしぶしぶといった感じで彼のところへ走り、後をついていった。

 しかし空き地を出ていく時、レクシィはもう一度振り返り、念入りに空き地の端を見てからオウガの後を追いかけていったのであった。

 

 集合場所の切り株に着いたオウガは、そこに来ているのがレックスとマルムだけであることに気がついた。

 

「あれ? 2人とも、リュウタは?」

 

「オウガと一緒でもなかったのか…」

 

「アタシ達も分からないの…」

 

「リュウタまで迷子になっちゃったのか…。これはちょっとまずい状況だな…」

 

 ということで、ガブに加えてリュウタまで探さないといけないことになってしまったオウガ達であった。

 

「リュウター!」

 

「リュウタ〜!」

 

「リュウター! どこだー?」

 

 3人がそれぞれ呼びかけるものの、どこからもリュウタの返事は聞こえない。

 

「参ったな…。リュウタまで迷子になっちゃうなんて…」

 

「これ以上誰かはぐれると大変だ。ここからは全員で固まって移動しよう。

レクシィ達は…カードに戻した方がいいな。この霧だと見失う可能性もゼロじゃない」

 

「僕もそれに賛成だよ」

 

「分かったわ」

 

 ということでオウガ達は各々のパートナー恐竜をカードに戻し、リュウタとガブの捜索を始めた。

 

 

その頃 アマゾン熱帯雨林上空

 

 アクト団達もアマゾンへ到達していた。

 今回彼らが乗ってきたのは小型飛行船なのだが、動力源はまさかの人力(手動式)であった。

 ノラッティ〜とエドが手漕ぎボートをこぐように動かし、ウサラパはその2人に檄を飛ばすだけで1人だけ楽をしていた。

 本当にいいご身分である。

 

「キャッチ・ロー! キャッチ・ロー!

はーい、しっかり息を合わせてー! サボるんじゃないよー!」

 

「お…おれ…もう腕が限界ッス…」

 

 と、その時ノラッティ〜がまっすぐジャングルの一角を指さす。そこには林冠から突き出たサルタサウルスの首があった。

 

「ウサラパ様ぁ〜! 獲物を発見したザンス〜!」

 

「ホントじゃないか! 早速捕まえるよ…って何してるんだい!さっさと着陸させるんだよ!」

 

「「へーいへーいほー…」」

 

「…でもどうやって着陸するんスか…?」

 

「簡単ザンス…漕ぐのをやめれば…止まるザンスよ…」

 

「そっか、それもそうッスね」

 

 そしてノラッティ〜とエドは漕ぐのをやめてしまった。

 まともに着陸態勢も取れてないのにいきなり動力を絶ってしまえばどうなるか…疲れ切った2人に考えることはできなかった。

 動力を失った飛行船が急落下を始める。

 

「こ…このおバカ共〜! 何てことすんのよぉ〜!」

 

「「あ〜れ〜」」

 

 彼らの飛行船はそのまま熱帯雨林の中へ落下していった。枝葉の擦れる音を立てながら勢いよく着陸する。

 しかし何とも悪運のいいことに、飛行船に大きな損傷はなさそうだった。

 

「まだ大きなキズがなさそうで良かったザンス。

これなら帰りも何とかなりそうザンスよ」

 

「帰れるならまだ良かったよ。

それじゃあ早速恐竜を捕まえに行こうじゃないか!」

 

「取り敢えずサイカを出しておくッス」

 

 エドがサイカをチビ恐竜形態で召喚した。

 

「さっき恐竜が見えたのはどっちの方向なんだい?」

 

「えーっと、墜落する前に見たのがそっちザンスから…いやでも恐竜の上を通り過ぎていたらこっちザンスね…。

いやいや飛行船の向きがあっちザンスから…」

 

「もう、さっさとおしよ! モタモタしてるとまたドクターに…」

 

 その時、ギャーッと魂切るような悲鳴が聞こえてきた。

 ウサラパとノラッティ〜が振り返ると、エドが足から茂みの中へ引きずられようとしているではないか!

 

「ノラッティ〜! ウサラパ様〜! 助けてほしいッスよ!」

 

「い、一体何が起こってるんだい!?」

 

「エド! 落ち着くザンス! サイカを成体にして撃退してもらうザンスよ!」

 

「そ、そうだったッス!」

 

 エドがアクトホルダーにサイカのカードを通すと、サイカが成体の姿となって降り立つ。

 

「サイカ! おれの上の辺りをハンマーでぶん殴ってほしいッス!」

 

 エドがそう言うとサイカは頷き、勢いよく尻尾を振り抜いた。

 

アォォン…

 

 何かに尻尾が当たり、間延びした悲鳴と共に何か大きいものが倒れる音が聞こえ、エドの体が解放された。

 地面に落ちたエドは解放されたことに気付くと、懸命に這ってウサラパ達の元へ辿りついた。

 

「し…死ぬかと思ったッス…」

 

「エド、一体どうしたのさ。突然茂みの中へ引きずられようとしてたなんて」

 

「何かがオレの足に噛みついたんス!それでそいつに草藪の中まで引きずられたんスよぉ!」

 

「何か…?ミーには何も見えなかったザンスよ?」

 

「で…でも悲鳴があがって何かが倒れ込んだじゃないスか! 絶対に何かいたんスよ!」

 

「そ…それは確かにねぇ…。

アンタの足にも何かが噛みついた痕があるみたいだし、ちょうど茂みと同じ色で見えづらかったのかねぇ…」

 

「…あーっ! ウサラパ様! あれを見るザンス!」

 

 ノラッティ〜が指差す方向を見ると、そこには今まさに霧の奥へ消えていこうとしているサルタサウルスの後ろ姿があった。

 

「…とにかくエド! 話は後だよ!

さっさとサイカを戻しな!あの恐竜を確保するのが今は最優先だよ!」

 

「わ、分かったッス!」

 

そして、アクト団工作員3人組はサルタサウルスを追いかけ、霧の中へ消えていったのであった。

 

 




今回はここまでです。
鶏小屋を襲撃し、さらにはエドまでにも襲いかかったものの正体とは何なのか…。
次回をお楽しみにお待ち下さい。

第6話に登場させるJP・JW恐竜について考えています。以下の恐竜ならどれを登場させるのがよいか、または登場させてほしいか、是非皆様のお考えをお聞かせ下さい。

  • ディロフォサウルス
  • パラサウロロフス・ワルケリ
  • スティギモロク(お助け恐竜)
  • ディメトロドン(お助け恐竜)
  • メトリアカントサウルス
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