古代王者恐竜キング ジュラシック・エイジ   作:バックベアード

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前回の恐竜キング!

恐竜出現の一報を受け、サッカーオーレカップで沸く南米ブラジルの都市オーレへ向かったDキッズ。
ロカルド好きなリュウタとベッサム好きのマルムが彼らに夢中になっている中、アルティリヌスが出現。Dキッズはアメジストとエースで戦いを挑むものの、アクト団の邪魔が入り、アルティリヌスを取り逃がしてしまう。
その後アルティリヌスを追っている最中だというのに現地の子供達とサッカーで盛り上がっていたDキッズは、TVの中継でアルティリヌスが草のボールを運びながらオーレコロシアムへ向かっていることを知る。
そしてコロシアムへアルティリヌスを追い詰めたDキッズは、アクト団の策略でガブ&イナズマVSアルティリヌスのサッカーバトルをさせられることになる。
そんな中休暇を邪魔されて怒り心頭のジェイソンとイシドーラが現れ、恐竜を召喚してアルティリヌスを撃破し、更にはその怒りをDキッズにも向けてくる。
新技によってエースとアメジストを倒されたものの、レックスの第2の相棒恐竜、アロサウルスの『アイン』の助力もあって辛くもジェイソンとイシドーラの恐竜を退けた。
しかしその時既にアルティリヌスのカードは、アクト団に持ち去られてしまっていたのだった…。



第17話:恐るべし!バリバリ島の恐竜ダンス!
前編


東南アジア バリバリ島

ここは、「神が宿る島」という逸話が伝えられる東南アジアの島「バリバリ島」。

ここにある超高級リゾートホテルでは、これから行われるディナーショーのための用意が行われていた。

そんな中、清掃員の1人が掃き掃除をしていたのだが、その掃いているゴミの中に、例の卵型カプセルが含まれていた。掃かれているうちにカプセルが割れ、中から2枚のカードが排出される。

そして食事も揃えられ、準備が整ったところで、バリバリ島の先住民族達によるディナーショーが行われる。

 

「バーリー!バーリバリ!バーリバリ!バーリバリ!バーリバリ!」

 

1人が舞台の上で踊り、それを囲む他の者達は天に掲げた掌をクルクルと返し続けながら「バーリバリ」と呪文のような言葉を唱え続けている。

そんな中、1本の松明の木が爆ぜ、火の粉が宙を舞う。そしてその火の粉は、先程隅へ掃き捨てられたカードに舞い落ちると、カードは赤い光に包まれた。

そしてその中から姿を現したのは、ティラノサウルス上科に属する肉食恐竜・ダスプレトサウルスだった。

目覚めたダスプレトサウルスは咆哮を上げるが、ディナーショーの客はそちらに夢中で気づいていないらしい。

それをいいことにダスプレトサウルスは並べられている料理をつまみ食いし始めた。

そして、ホテルマンがふと気がついた時には既にダスプレトサウルスの姿はなく、料理も食べ尽くされていたのだった…。

 

 

その頃 三畳市 リュウタ宅

 

オウガとマルムは、今日も今日とてリュウタの家へ集まっている。

そしてマルムは、オウガ達の前でパラパラにボイストレーニングを施していた。

 

「せーのっ、ランランラーン♪ランランラーン♪ランランラ〜ン♪はぁーいパラパラも一緒にー…」

 

そしてパラパラに復唱させるものの、パラパラは好き勝手に歌うばかりで合わせる気がなさそうだ。

 

「はーい、パラパラ。ランランラーン♪ランランラーン♪ランランラ〜ン♪」

 

再度マルムが歌うもののパラパラは好き勝手に歌い続けており、しまいにはガブも乱入して更にやかましくなってしまった。

 

「もーっ、そこはもっと低い音で…ランランラーン♪ランランラーン♪ランランラ〜ン…」

 

マルムが音程を修正しようとするが、遂にパラパラはもうたくさんだと言わんばかりに俯いてしまった。

 

「…なんか、今日は調子悪いみたいね…」

 

「調子?…っていうかこれ…歌…?」

 

「歌だとしても、パラパラは音程に合わせる気はなさそうだったけどね…」

 

「喜んでるのは、ガブだけだったみたいだな…」

 

彼らの目の前では、未だにテーブルの上で鳴きながら踊り続けるガブの姿があった。更にガブの動きに感化されたのか、イナズマもそこに加わったではないか。

 

「ちゃんと歌ってたじゃない!恐竜でここまで歌えるのはすごいと思うわ。ね?パラパラ?」

 

『クォ?』

 

マルムが優しくパラパラに喋りかけるものの、当のパラパラはあまりピンと来ていないらしい。

そんな様をオウガ達、特にリュウタは欠伸混じりで眺めていた。だがそんな時、突然エースが暴れ出すとレックスの腕から抜け、マルムの頭を踏み台にして駆け出していく。

さらにそれを追いかけてアインもまた飛び出していった。

 

「あっ!エース!アイン!」

 

「エース!もう、何なのよあの子!」

 

「ごめん…。エース最近機嫌悪くてさ…」

 

「えっ?何で?もしかして、アインと折り合いが悪いの?」

 

「いや、そんなことはないよ。

むしろエースはアインといる時は楽しそうに過ごしてるから。でも、運動不足っていうか…この辺だとなかなか思い切り走ったり暴れたりできないだろ?」

 

「そうだよなぁ…。散歩に行ってもリードは外せないし…ガブだって原っぱで思い切り遊ばせてやりたいけど…」

 

「この辺りも最近は開発が進んでるみたいだしね。

レクシィ達がめいっぱい遊べるスペースというと、なかなか見当たらないんだよな…」

 

「そっかぁ…。パラパラ達が生活していた世界とは随分違うもんね…。そりゃストレスも溜まるわよね…」

 

そんな話をDキッズの4人がしていると、大きく跳躍したエースがガブとイナズマの背中を飛び石のように踏み越えていく。

それを追うアインはリュウタとオウガの間を飛び越えていった。

 

「こら!エース!」

 

レックスがエースを叱りつけるもののエースは立ち止まることはなく、踏まれたガブとイナズマも大して意には介していないようだった。

すると、突如としてガブにイナズマ、そしてパラパラが一緒になって歌いながら踊り始めたのだ。

更にはこの騒ぎで目を覚ましたアメジストもその輪へ加わっていく。

いつしかその場には計4匹の恐竜達による大合唱が響いていた。

これにはエースとアインも足を止め、オウガの膝で寝ているレクシィは苛立たしげに唸っている。

 

「ガブやイナズマにはストレスがないみたいだな〜…」

 

「アメジストも、案外今の生活で満足してるのかもね…」

 

その時、彼らのディノホルダーやディノラウザーから甲高い通知音が響いた。

冒頭のダスプレトサウルスの出現をディノサーチが感知したのだ。

 

 

Dラボ

 

通知を受けたDキッズは、いつものようにDラボへと急行した。

 

「父さん!恐竜が現れた!」

 

「おお!今度はどこだ!?」

 

「…ここは、東南アジアのバリバリ島だわ」

 

「バリバリ?」

 

「聞いたことがない島ですね…」

 

「「神が宿る島」という異名を持つ場所よ。

ビーチなど一部の地域は観光地化されているけど、島の殆どは原始のままの密林よ。原始のままの…ね」

 

 

その頃 バリバリ島

 

密林の中を、1台のツアーバスが走り抜けていく。

これは近くの超高級リゾートホテルに宿泊しているVIP達を、密林観光に連れて行くためのものなのだ。

そしてその運転席には、見覚えのある老人が座っていた。Dキッズ達にカードホルダーを譲った、あの老人である。

 

「さぁー、ここは人跡未踏のジャングル。何が出てくるか分かんねぇぞぉ!」

 

老人の言葉に、ツアー客達が密林を見渡すと、すぐそばにゴリラが2頭いるではないか。

それを見た彼らが歓声を上げる。

…しかしよく見るとそのゴリラはスタッフが動かしているロボットであった。東南アジアにはいないはずのゴリラが何故かいる秘密がこのイカサマである。せめてオランウータンにすべきだっただろう。

更にバスは移動し、今度はスマトラゾウの親子が現れる。しかし彼らの足は近くの木に繋がれ、移動できないようにされていた。

これまた偶然を装ってゾウと出会ったように演出するイカサマであった。

そこで老人はバスを停め、ツアー客にバナナを差し出した。

 

「ほーれ、エサもあげられるぞ!」

 

ツアー客がバナナを差し出すと、ゾウが鼻を伸ばしてそれを受け取る。

その様をツアー客達は歓声を上げながら見ていた。

 

「さあ、次行くぞ!今度は何が出るかな〜?」

 

…そんな密林の中を、これまた見覚えのある3人組がトボトボと歩いていく。

ウサラパ達アクト団工作員の面々だった。

 

「なんザンス?あのインチキくさいツアーは…?」

 

「おれもバナナ欲しいッス…」

 

と、そこでウサラパが運転席の老人を指さした。彼らにとっても、老人は因縁深い存在であるためだ。

 

「あぁっ!あのジイさん!あのジイさんだろぉ!?」

 

「そうッスよ!あのジイさんッス!ほら、ボロ飛行機のパイロットで…この前は原宿にいた奴ッス!」

 

「そうザンス!通りでどこかで見たことある顔だと思ったザンス!

にしても…今回はここでツアーバスの運転手ザンスか。神出鬼没なジイさんザンスねぇ…」

 

「何でもやるんだねぇ…。ふぃーっ…」

 

「あのジイさんに恐竜のこと聞いてみたらどうッスか?」

 

「ムダムダ。バリバリ島1日中探しても全然見つからないんだから…」

 

そう呟くと、ウサラパはまた宛もなく歩きだしていく。エドとノラッティ〜もその後へ続いていった。

 

「この島にいることだけは分かってるザンスのにねぇ…」

 

未だに恐竜の影すら掴めないウサラパ達がまたトボトボと歩いていく中、先程まで彼らがいたところをダスプレトサウルスが通り過ぎていった…。

 

 

戻ってツアーバスでは、引き続き密林ツアーが続けられていた。

密林を眺めていたツアー客達だったが、突如として彼らの顔が驚愕と恐怖に染まる。

何故なら、ダスプレトサウルスがバスを追い抜いていったからだ。

すぐさまツアー客の1人…いかにも金持ちという感じの恰幅の良い男性が運転手の老人に詰め寄る。

 

「おい!ジイさん!今のは何なんだい!?」

 

「ダスプレトサウルス。恐竜だよ」

 

「…えぇっ?」

 

淀みなく答えた老人の言葉に、男性は驚く。

更に老人はこう続けた。

 

「このツアーに恐竜は入ってねぇぞ。早く逃げた方がいいんでねぇのか?」

 

そして老人がブレーキを踏んでバスを停める。

するとブレーキ音を聞きつけたのかダスプレトサウルスが振り返り、吼えたのだった。

 

 

その頃、ウサラパ達は相変わらず密林を彷徨っていた。

 

「腹減ったッス…」

 

「でも飯を食う金もないザンスよ…」

 

そんな彼らの後ろから、悲鳴がどんどん近づいてくる。彼らがそれに気付いて振り向いたものの時既に遅く、バスから逃げてきたツアー客達に踏みつけられてしまった。

これで彼らが集団に踏まれるのは3回目である。

 

「…なぁーんでこーなるのかなぁ〜…」

 

「ザ〜ンス…」

 

 

その頃 バリバリ島 ビーチ

 

ウサラパ達がまたしても悲惨な目に遭っていた時、Dキッズは丁度ビーチへテレポートしてきたところだった。

 

「ここが、バリバリ島…?」

 

「…みたいね?」

 

「でも、みんな画面を見てみてよ。恐竜出現の反応があったのは島の内陸部だったでしょ?

そしてここは北部のビーチ。あまり近くにテレポートできなかったみたいだね」

 

「こりゃあ、大分移動しないとダメだな…」

 

その時、ガブやイナズマ、パラパラ、アメジスト達が海へ駆け出していってしまった。

そして他の海水浴客もいる中、浅瀬で遊んでいる。

 

「ガブ!イナズマ!海で遊んでる暇なんてないぞー!」

 

「おーいアメジストー!恐竜を保護した後ならいくらでも時間はあるからまずはそっちに行かないかー?」

 

『…あれでは、満足するまで戻ってこないだろうな』

 

リュウタやオウガが彼らの恐竜へ呼びかけ、レクシィが呆れの言葉を溢す中、エースも波打ち際まで歩いていくものの、そこで立ち止まった。

水嫌いは克服したとは言え、極力入りたくはないようだ。

 

 

その頃 リゾートホテル前

 

密林を彷徨った末にホテルに辿り着いたウサラパ達は、掃除をしていたホテルマンを捕まえて食事をせびっていた。

 

「ちょっとだけ!ちょっとだけでいいから休ませて下さいよぉ〜ん!」

 

「ミー達もう、飲まず食わず一睡もせずでヘトヘトのヨレヨレ状態ザンスぅ…」

 

「せめてバナナ1本だけでも…」

 

これではただ身なりがいいだけで乞食と変わりない。しかし、当然ながら持たざる者にかけるような温情などホテルマンは持ち合わせていなかった。

 

「あー、ダメダメ!ここはあんたらが来るようなところじゃないんだよ!他行ってくれ!」

 

にべもなく断られ、ウサラパ達はがっくりと肩を落とす。

しかし、そんな彼らに何やら慌てた様子の声が聞こえてきた。

 

「お待ち下さい!お客様!」

 

そちらを見ると、ホテルスタッフが荷物を纏めて帰ろうとする客を引き留めようとしていた。

身なりからして、恐らく彼が総支配人なのだろう。

そして客の方は先程ツアーバスに乗っていた人物であった。恐らく「こんな恐竜がいる島にいられるか!私は帰らせてもらう!」的なシチュエーションなのだろう。

 

「帰ると言ったら帰るんだよ!」

 

「はあ…ですが…恐竜が出たなんて、まさかそんな…」

 

その言葉にウサラパ達が目の色を変える。彼らの目的はそれなのだから当然だろう。

 

「本当に見たのよ!こんなところにいたら恐竜に食べられちゃうわ!」

 

そう言い捨てると、客はホテル前に停められたリムジンに乗り込み、去っていってしまった。

 

「あぁ…こんな噂が広まったら大変だ…」

 

意味不明な状況ではあるものの、このままではホテルへ来る人間がいなくなってしまう。

何とかしなければと考え込む総支配人に、ウサラパ達は声をかけた。

 

「恐竜なら、アタシ達が捕らえて差し上げますわ!」

 

「おっ…!?」

 

「アタシ達、泣く子も黙るアクト団は恐竜退治のエキスパートなんですのよ!」

 

「あんた達が…?」

 

どう見ても恐竜退治に来た格好ではないウサラパ達に、総支配人は疑いの目を向ける。

しかしここで怖気づいてしまっては台無しだ。そのためウサラパは強気に続けた。

 

「何よその疑いの眼差し!」

 

「あ、あの…恐竜が出たというのは本当のことなんですか?」

 

「本当ですわ。あ〜あ、こんな噂が広まったら、誰もここのホテルには泊まらないでしょうねぇ…?」

 

「あぁぁっ!それは困ります!

分かりました!私共にできることがあれば、何でもお手伝いさせていただきますが…」

 

それを聞いたウサラパは、その言葉を待っていた、と言わんばかりにほくそ笑んだ。

 

 

その後 リゾートホテル スイートルーム

 

ホテルの利用客の中でも限られた者しか入れないスイートルームに、ウサラパ達の姿があった。

ノラッティ〜はキングベッドを独り占めしており、、エドは山と積まれたバナナを貪り食っていた。

そしてウサラパはパレオに着替え、プールサイドで寛いでいる。

どうやら恐竜退治と引き換えにスイートルームをタダで使わせるよう取り引きしたらしい。

 

「スイート使い放題なんて…あの支配人話せるわぁ〜♪」

 

「あぐ…むぐ…美味いっす…!」

 

「ウサラパ様ったら口からでまかせが上手いザンス!シュバタシュバターッ!」

 

「まぁね〜♪ここに泊まって恐竜を探し出せば、一石二鳥だよ♪」

 

乞食同然の状態から一気にセレブ気分を味わったウサラパ達は、なるべくこの状況を楽しむことに決めたようだった。

 

 

その頃 

 

オウガ達Dキッズは、車の轍を辿って密林の中へと入り込み、歩き続けていた。

チビ恐竜達はすっかり疲れてしまったようで、それぞれのパートナーに負ぶさったり抱えてもらっていた。

ちなみにオウガはアメジストを両手で抱え、レクシィには肩掛けバッグの中に入ってもらっている。

レクシィが心を許していなかった頃からの形式なのだが、レクシィ当人はこれが気に入っているらしい。

 

「ねぇ~、リュウタ〜。ホントにこっちで合ってるの〜?」

 

「大丈夫!オレに任せとけって〜!」

 

すると、前方からリムジンが走ってくると彼らの目の前で停まる。そして窓から顔を覗かせたのは、先程ホテルをチェックアウトしたあの客であった。

 

「おいボウズ!こんなところにいたら危ねぇぞ!恐竜が出たんだい!」

 

「恐竜!?」

 

「この先のリゾートホテルの近くだ。悪いこと言わねぇから、早く逃げた方がいいぞー!」

 

「ありがとうございまーす!」

 

客の男はいかにも金持ちそうな体格の割に案外優しいようであった。車を停めてまでDキッズに逃げるよう忠告してくれたあたり、そうなのだろう。

しかし、Dキッズの目的はむしろそっちなのだ。

 

「ほぉれ見ろ!言った通りだろぉ?」

 

「はいはい…」

 

「どちらにせよ、ようやく場所の目処がつけられたね。この先にあるっていうリゾートホテル目指して行ってみようか」

 

その時、レックスの腕の中で突然エースが暴れ出した。

 

「こらエース、暴れるなって…」

 

レックスが宥めようとするものの、一向にエースは鎮まる気配がない。

その様子を、オウガ達も心配そうに眺めるのだった…。

 

 

その後 リゾートホテル

 

日も暮れ始めた頃、ここでは再び先住民族によるディナーショーが行われていた。

 

「バーリ…バーリ…バーリ…バーリ…バーリ…」

 

先住民族の儀式を眺める宿泊客達の中には、ウサラパとエドの姿もあった。

ウサラパは優雅にパスタとワインを嗜んでおり、エドは相変わらずバナナを貪っている。

しかしノラッティ〜の姿はそこにはなかった。

 

「ムグムグ…美味いッス…!」

 

「こりゃ、ごくらくだねぇ…」

 

「しかし恐竜探さなくていいんスかねぇ?」

 

「いいっていいって!日頃馬車馬みたいにこき使われてるんだからさぁ、こういう時こそ息抜きしなきゃ…」

 

やはりウサラパ達は、恐竜探しは置いておき、ここのリゾートホテルで甘い汁を吸えるだけ吸う心づもりのようだった。

 

その頃、オウガ達Dキッズもようやくリゾートホテルに到着したところだった。

 

「この辺かなぁ…?」

 

「多分そうなんじゃないかな?」

 

「ホテルの人に聞いてみましょ!」

 

すると、レックスに抱えられていたエースが再び暴れ出し、今度はレックスの腕を抜け出していってしまった。

 

「あっ、エース!」

 

更に、ガブやイナズマ、パラパラ、アメジスト、そしてアインもエースに続いて行くではないか。

それを見たDキッズは、慌てて彼らを追いかけるのであった。

 

 

一方、ディナーショーに来ていなかったノラッティ〜は、彼らに割り当てられたスイートルームでジェットバスに浸かっていた。

 

「あ〜、ちょ〜気持ちいいザンスねぇ〜…」

 

ノラッティ〜が寛いでいると、目の前に広がる密林の中から何かの声も聞こえてくる。

 

キュウン コロロロロ…

 

「今のは…鳥の声ザンスかねぇ?これもまたエキゾチックでいいものザンス…」

 

気楽にそんなことを呟いていたその時だった。

彼の目の前に広がる木々の中から、枝を踏みしだく音が聞こえてきた。

そちらへ視線を向けると、そこからダスプレトサウルスがぬっと顔を出したではないか。

 

「うわぁーっ!シュバタシュバターッ!?」

 

慌ててノラッティ〜はジェットバスを飛び出していく。

しかしダスプレトサウルスは彼のことは眼中にないようで、やがて左へ折れてホテルの敷地内へ向かったのであった。

そしてそれに続いて、先程も聞こえてきた甲高い鳴き声を響かせながら小柄な肉食恐竜もその場に現れる。

その体色は灰色で、頭部には1対のトサカを備えている。そして、後頭部から垂れ下がるこれまた1対のヒダも特徴的であった。

その小型肉食恐竜は辺りの匂いを注意深く嗅ぐと、ダスプレトサウルスが歩み去ったのと同じ方向へ小走りで移動していったのだった…。

 

 




今回はここまでです。
ご察しの通り今回は久々にJP・JW恐竜を加えての進行にしていきたいと考えております。
また、以前あとがきに記した通りゴールデンウィーク後は1日おきに最新話を投稿していきたいと考えています。
では、明後日の後編更新をお楽しみにお待ち下さい。
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