古代王者恐竜キング ジュラシック・エイジ   作:バックベアード

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前回の恐竜キング!

リアスの月に1度の楽しみである小型飛行機での空中散歩についていくことにしたDキッズ1行(オウガを除く)。
そこで管制官の鈴木と姉の関係を怪しんだマルムと、ガブとイナズマが嫌がったことで搭乗を断念したリュウタを置いて、リアスとレックスは空の旅に出発する。
しかし飛行中にアクト団のロケットと接触し、尾翼の破損と燃料漏れを起こしてしまう。
更に悪いことに、アクト団のロケットが墜落する際に滑走路を穴だらけにしてしまった上、メガラプトルまで出現してしまった。
オウガも駆けつけ、何とかメガラプトルやアクト団も退けたところで、リアスは燃料の残量を理由に強行着陸を決行する。
しかしマルムの『朋鋼翼撃』や、オウガの『スカイダイブ』で召喚されたプテラノドンとケツァルコアトルスのお陰で、リアスの飛行機は無事に着陸することができたのだった…。


第22話:ネス湖の怪物!幽霊恐竜ネッシー浮上!
前編


ここは、イギリスのスコットランド地方に存在するネス湖。ここには、20世紀前半にとある外科医が撮影したという写真を証拠に、海棲爬虫類の1種である首長竜の生き残り・通称ネッシーがいるという噂があった。

そんな深夜のネス湖に、2人の男がボートを出している。どうやらネッシーを探しに来たようだ。

しかし周囲は濃い霧に包まれており、探索は難航しているようである。

 

「チッ、これがネス湖名物の霧か…。何にも見えやしねぇ…」

 

「いいからきちんと水面を照らせ!ネッシーの野郎を捕まえりゃあ、がっぽり大金が入るんだ!

そうなりゃオレ達は毎日遊んで暮らせるぜ!」

 

「あぁ、分かってるって…ん?何だ?」

 

懐中電灯で辺りを照らしていた方の男がそう答えた時、ボートに衝撃が走った。何か巨大なものがぶつかったようである。

2人がそちらを振り向いてみると、そこには…巨大な体と長い首、そして小さな頭を具えた何者かの存在があった。限りなく首長竜に近い姿である。

 

「うわぁぁぁぁ!?ね、ネッシー!?」

 

「野郎!出やがったな!」

 

一度は驚いたものの、2人はすぐに捕獲の準備に取り掛かろうとする。しかし、いつの間にか目の前にいたはずのネッシーらしきものは姿を消していた。

すると、今度はボートの下から何か巨大なものが水面へと迫り上がり、ボートを持ち上げてしまったのだ。

やがてボートは傾き、乗っていた男達は湖に投げ出されてしまう。

 

「「た、助けてくれーっ!」」

 

すっかり怯えて情けない声を上げる男2人を尻目に、ネッシーらしきものは濃霧の中へと消えていく。

そして、それだけでは終わらなかった。

 

「お、おい…。あれは何だ…?」

 

男の1人が、ネッシーらしきものが去っていった方とは逆の方向を指さす。なんとそちらからも、何か巨大なものが水面を掻き分けながら彼らの方へ迫ってきていたのである。

 

「ひいいっ!嫌だ!嫌だ!」

 

「来るなぁぁぁっ!」

 

必死に彼らもバタ足で岸へ向かって泳いでいく。しかしその間にも巨大な何かはぐんぐんと彼らとの距離を詰めていっていた。

しかし、彼らが足をつけるほどの浅瀬に到達したところで、その何かは引き返していく。

どうやらこれ以上は追跡できないと判断したようだ。

 

「「た…助かった…」」

 

抱き合って無事を喜ぶ男達を尻目に、巨大な何かは湖の中央部へ引き返し、湖底へ潜っていったのであった…。

 

 

翌日 Dラボ

 

この日、Dラボにいたのはリアスとミサの2人だけだった。

今はミサがアーモンドチョコを、リアスがポテトチップスを頬張りながらモニターでTV番組を見ているところのようだ。

 

『イギリス北部の湖ネス湖では、謎の怪物ネッシーに再び注目が集まっています!地元の観光協会が、ネッシーを捕獲した人に懸賞金として10万ポンドを出すと発表したことで、ブームが再燃したものと思われます!』

 

どうやら最近ネス湖では再びネッシーの目撃情報が増えてきたこともあり、地元の観光協会が地域活性化のためにネッシーに懸賞金をかけたようだ。

冒頭に出ていた2人の男もそれで夜のネス湖へ繰り出していたようである。

 

『それを受け、私達の番組では、Dラボ所長にして日本を代表する古生物学者である古代剣竜博士を隊長とした、Dキッズ調査隊を現地に派遣しました!』

 

ニュースキャスターのその言葉と共に画面が切り替わり、グラスゴー国際空港に降り立ったばかりの古代博士とDキッズの様子が映し出される。

皆カメラを向けられることに慣れていないのか、恥ずかしそうに赤面しながら撮影を受けている。

 

『三畳TVはニュースの現場へ…参上します!

それでは、中継映像の到着までしばしお待ち下さい!』

 

何とも言えない決め台詞と共に、ネッシー特集のコーナーは始まりを迎えたのであった…。

 

 

その頃 イギリス ネス湖付近

 

ニュースに載せるための映像や写真を撮り終えたDキッズ調査隊は、TV局がチャーターした小型バスでネス湖へ向かっているところだった。

 

「あぁ〜…遂にネッシーに会えるんだなぁ〜…。

何しろ幻の恐竜だからなぁ…早く会いたいぜ!なっ!ガブ!イナズマ!」

 

『ガブガァブ!』

 

『ゴロロッ!』

 

「でも、まだ恐竜かも分からないんだろ?」

 

「そうだね。それにネッシーはどっちかと言うと海棲爬虫類っぽい見た目だけど…中生代の動物が今でも生きているかもしれないっていうのはロマンがあるよね」

 

「第一本当にいるのかしら?最初にネッシーの写真撮った人は、それがフェイクだと自白したっていう話も聞いたわよ?」

 

マルムがそう口にした時、それまで口を閉ざしていた古代博士が口を開いた。

 

「いるに決まってるだろう!」

 

「「「「えっ?」」」」

 

「この私が隊長を引き受けたからには…何が何でも見つけ出してみせーるっ!」

 

「…気合い入ってるなぁ、パパさん」

 

「隊長って言われて舞い上がってるみたいだぜ?」

 

「あそこまで乗せられやすいと、ちょっと心配にならなくもないけどね…」

 

Dキッズの呆れ半分な視線も気にしない、そんな古代博士に、三畳TVのディレクターがすり寄っていく。

 

「我々としても、バッチリ視聴率は稼ぎたいですからねェ〜ッ!頼みますよッ!隊長!」

 

「隊長っ…!はっ、はいぃ!任せて下さい!」

 

「な?」

 

「うん…」

 

「やっぱり心配だなぁ…」

 

すっかり乗せられてしまっている古代博士を見て、Dキッズは不安そうな視線を向けたのであった…。

 

 

その後、無事にネス湖に辿り着いた一行は、まず湖を一望できるポイントへとやって来ていた。

 

「ここがネス湖かぁ…」

 

「確かに神秘的な所ね…」

 

「ロンドンは霧の街っていうのは聞いたことがあったけど、ネス湖もけっこう霧が濃いんだね」

 

「そうだな。そしてこの霧の中のどこかに…ネッシーがいるんだなぁ…!」

 

「さぁ…姿を見せろ!ネッシーッ!」

 

Dキッズが4者4様の反応を見せる横で、カメラを向けられた古代博士が決め台詞と共にポーズを取る。

しかし、そこへ予想外の相手が乱入してきた。ガブとイナズマである。

 

『ガブガブガブガブ…』

 

『ゴロゴロゴロゴロ…』

 

2匹は息を合わせて古代博士のズボンに噛みつき、引き下ろしてしまったのだ。

 

「うわっ!?こ、こらガブ!イナズマ!やめなさい!せっかく人がカッコよく決めてるのに〜!」

 

ズボンを下げられてしまった古代博士は走り回って2匹を振り落とそうとするものの、2匹はガッチリと噛みついており離れる気配がない。

隊長の情けない姿に、思わず三畳TVのクルー達も脱力気味である。

 

「ちょっと隊長〜…。それにしても、元気なワンちゃんですなぁ…」

 

「ネッシーを見に来たのかね?」

 

と、そこへ1人の中年男性が現れた。いかにもネッシーを知っている人間といった様な雰囲気に、その場にいた全員の視線が集まる。

 

「ディレクター、現地の有識者でも呼んでたんですか?」

 

「いや、呼んでないぞ?」

 

「じゃあ何なんですかこの人…。突然絡んできて…」

 

「は、はいそうなんです!はるばる日本から…」

 

「ほう、日本からとは…。よくここまで来なさった。

しかしあなた達は幸運ですな。実は、ヤツを目撃できる絶好のポイントを知っておるのじゃが…」

 

その言葉を耳にした古代博士とリュウタが男性のもとへ駆け寄っていく。早速耳寄りな情報を手に入れられるチャンスであるのだから、当然とも言えよう。

 

「本当ですかっ!?」

 

「お爺さんもネッシー見たことあるの!?」

 

「あぁ、勿論だとも!」

 

「えーっ、すっごーい!」

 

「皆さんご覧下さい!目撃者です!我々はネス湖に到着して早速、目撃者と遭遇することに成功しました!」

 

すぐさまその場にカメラが向けられ、古代博士が男性の紹介に入る。

カメラに向かって得意げな笑みを浮かべる男性を、オウガとレックスは訝しげに見つめていた。

 

「本当かな…?どことなく胡散臭そうな雰囲気がするんだけど…」

 

「僕も同感だよ」

 

「そのジイさん、嘘つきだよ!」

 

その時、近くの木の上からそんな声が聞こえ、1人の少年が飛び降りてきた。

その少年を見た男性の顔が、焦りと怒りに染まる。

 

「こらっ!ジョン!」

 

「お知り合いなんですか?」

 

「えっ?…いやぁ、ハハハ…近所のヤンチャ小僧でしてね、いつもホラばかり吹いては皆を困らせておるのじゃよ…。

…ジョン!商売の邪魔だ!あっち行ってろ!」

 

「フン!」

 

男性に怒鳴られたものの、その少年…ジョンは馬鹿にしたような態度を崩そうともしない。

それを見てますます怒りを募らせる男性に、古代博士が恐る恐る声をかける。

 

「そ、それで…是非ネッシーを見た時のお話をお伺いしたいのですがー…」

 

「ん?あ、あぁ。話してやってもいいが…そういえばあんた達、今夜の宿は決まっておるのか?」

 

「え?いやあ、それは…ディレクターさん、宿はどうなってるんです?」

 

「宿ならもう取ってありますよ。まあこの辺りはホテルも少なくて、けっこう距離はある場所だったはずですが…」

 

メモを見ながらそう答えたディレクターに、男性はすごい勢いで迫っていった。

 

「ダメダメ!そんなのじゃ!ネッシーを捕獲したいのなら、限られた時間をどれだけ捜索にあてられるかを考えないと、他の連中に先を越されかねんぞ!」

 

「そ…それは確かに…一理ありますな…」

 

「だがあんた達が本当にネッシーに会いたいというのなら、絶好の宿を紹介してやろう。さぁ、こっちへ…」

 

そう言って男性が先導するように歩き出すと、古代博士やTVクルー達もその後へ付いていく。

それを見たジョン少年は、また男性に呼びかけた。

 

「お客が捕まって良かったねーっ!」

 

「うるさいっ!仕事の邪魔をするなーっ!」

 

「べーっ!」

 

男性から怒号を浴びせられた少年は、今度こそその場から退散していく。

…と、ここまでの光景を、Dキッズの面々は呆気にとられた様子で見ていただけであった。

 

「…どうするの?」

 

「あのお爺さんが宿を紹介するって言って父さん達もついて行っちゃったし、オレ達もついて行かないわけにはいかないだろ…」

 

「でも…なんか怪しいよな…あの人…」

 

そう口々に言いながらも、Dキッズとチビ恐竜達は大人達の後へ付いていく。

…しかし、何故かレクシィだけはじっと湖を見つめているままだった。

 

「…あれ?レクシィ、どうしたの?何か気になることでもあった?」

 

気付いたオウガが側へ寄っていくものの、レクシィは反応はおろか微動だにしない。

アメジストが体を擦り付けてみるものの、何の反応も返さなかった

 

「どうしたのさ、レクシィ。皆もうあのおじさんに付いていっちゃったから、俺達も行かないと…」

 

その時だった。

ブシュウッという音と共に、何かが水飛沫を上げたのである。それと共に巨大な…ワニのような大顎が一瞬見えたかと思うと、その何かは湖の中へ…仄暗い水の底へと消えていった。

それと共に、オウガの肩掛けカバンの中からディノラウザーの通知音が響く。彼がそれを取り出して画面を見てみると、ネス湖にオレンジ色の点滅が出ているではないか。

 

『…オウガ。今のを見ただろう?』

 

「…見たよ。すごく大きな…何かが一瞬水面に上がってきてた…。

それに、この反応は…レクシィと同じ世界の恐竜…いや、海棲爬虫類なのかな…?」

 

『私は知っているのだ。このような水の底には…私達の理解が及ばない、巨大な何かが潜んでいるということをな…』

 

そう言って湖面を見つめるレクシィの横顔からは、冷や汗すら浮かぶような恐怖心が滲み出ているように感じられたのだった…。

 

 

その後、Dキッズ調査隊は男性に先導され、彼が経営しているという宿屋へ案内されていたのだった。

宿のエントランスや土産物売り場には所狭しとネッシーグッズが並べられており、これにはDキッズや古代博士も大興奮である。

 

「すっげーっ!これ全部ネッシーかよーっ!」

 

「これみんなお爺さんが集めたの?」

 

「その通りじゃ!ネッシーに関しては、この町でワシより詳しい者はおらん!」

 

「「「「へぇ~…」」」」

 

「それぜーんぶ作り話だから!」

 

そこへ、開いた窓からジョン少年が割って入ると、すぐさまその話を否定した。

 

「こらっ!あっちへ行けっ!」

 

男性が拳を振り上げて向かってくるのを見たジョン少年は、素早く逃げていった。

 

「ふう…ふう…全く、デタラメばかり言う小僧なんですよ。信じない方が身のためですぞ」

 

「はあ、なるほど…。

では早速、ネッシーが目撃された時の話をお願いします!」

 

「オッホン!…そう、あれは…」

 

「ネッシーならもう死んじゃったよ!」

 

またしてもジョン少年が割り込むと、衝撃の発言をした。捜索対象であるネッシーが既に死んでいるという話は、その場にいる全員を驚愕させるには十分なものであった。

 

「えーっ!?死んじゃった!?」

 

「あぁ!とっくの昔にね!」

 

「何を言っとるかっ!」

 

そう言って男性が掴みかかろうとしたものの、ジョン少年はそれを軽々と躱してDキッズ達の前へ出る。

 

「でも!昨日も目撃したっていう人が…」

 

「その人達が見たのは幽霊さ!」

 

「ゆっ、幽霊!?」

 

なんと、目撃されているネッシーは幽霊であるのだという。それはそれで新しいUMAになりそうなものだが…今回目指しているのはネッシーの生け捕りなのだ。

 

 

その頃、今回出撃したマシンの中で、いつものアクト団工作員の3人組もそのテレビ中継を見ていた。

 

『そう、ユーレイ…』

 

『このガキッ!…あっ、ハハハ…』

 

「「「えーっ!?」」」

 

「ユーレイザンスかっ!?」

 

「怖いッスぅ!ウサラパ様ーッ!」

 

ネッシーの正体が幽霊だと聞き、エドとノラッティ〜は震え上がった。そんな彼らへ、ウサラパは1発ずつげんこつを落としてから叱りつける。

 

「どこまでアンポンタンなんだい!昨夜の賞金稼ぎが見たのは、アタシ達のこの潜水艦じゃないか!」

 

「あーっ!そうザンした!」

 

「何のためにネッシーの形にしたと思ってんだい…」

 

「ネッシーが仲間だと思って近づいてきたところを、ガバッと捕まえるためッス!」

 

「分かってんならさっさとお探しっ!」

 

どうやら彼らの今回の作戦は、ネッシー型の潜水艦でネス湖中を探し回るというもののようだ。

そして運良く見つけられれば、ネッシー型の潜水艦を仲間だと誤解して近づいてきたところを捕獲する…というもののようである。

そして今はノラッティ〜が潜望鏡から外の様子を確認しているものの、霧が濃いせいか何も見つけられないようである。

 

「うーん…何も見えないザンスねぇ…」

 

「もうどきなっ!アタシが探すよ!」

 

「ギャーッ!痛いザンスぅ…」

 

「でももし捕まえられたら、カードだけじゃない…懸賞金も手に入るから一石二鳥なんだよ!」

 

「そう言えば、ドクターもそう言ってたザンスね。

最近アクト団の財政状況が悪化の一途を辿ってるから、その懸賞金がどうしても欲しいらしいザンス」

 

「カロリディーから10万ドルも貰ったのに、マシンの修理で殆ど使い果たしちゃったみたいッスよ?

無計画が過ぎるッスよねぇ…」

 

そんな雑談をしながら、エドとノラッティ〜はテレビ中継を見続けている。

今流れている映像では、あの男性がジョン少年をようやく捕まえたところだった。

 

『こら離せって!』

 

『まあまあ…ねぇ君、ネッシーが幽霊だって話、もっと聞かせてくれない?』

 

『やーだよ!祟りがあるもん!』

 

古代博士のお願いをあっさり断ると、ジョン少年は男性の拘束からスルリと逃れ、カメラの前へ躍り出た。

 

『うらめしやーっ!』

 

「たっ、祟りっ!?怖いッス!」

 

「ウサラパ様ぁ!帰りましょうよぉ!」

 

「オダオダするんじゃないよ!さっ!行くよ!」

 

「「ヘイヘイホォー…」」

 

すっかりネッシーの幽霊を信じ切っている2人をウサラパが叱責し、探索を続行させる。

そんな彼らの潜水艦の下…ネス湖の湖底では、オウガとレクシィが目撃したあの巨大な生き物が体をくねらせながら泳いでいく。

そしてその尻尾が湖底に積もった泥を巻き上げると…そこから姿を現したのは、いつもの卵型カプセルであった…。

 

 

その頃、ひとまず自由行動となったDキッズと古代博士は、湖の畔で話し合いをしていた。

 

「ネッシーが幽霊だったなんて…」

 

「道理でディノホルダーも反応しないわけだ」

 

「ディノホルダーは反応しなかったみたいだけど…ほら、見てよみんな。俺のディノラウザーにはオレンジの反応が出てるんだ。

さっきレクシィと一緒に姿も確認したんだけど、かなり大きそうな生物だったよ」

 

「マジかよ!?くぅーっ…幽霊でもオーウェンさんのとこの恐竜でもいいから、オレもネッシーが見たいぜーっ!」

 

「…今は湖の中央部を巡回してるみたいだね。岸に近づいたタイミングで、僕達も見に行ってみようか」

 

レックスがそう提案していたところで、古代博士のもとへTVクルー達が駆け寄ってきた。

 

「隊長ぉ〜っ!あのジイさんが、向こうの森で何か動くものを見たって…」

 

「何っ!?」

 

どうやらあの男性もネッシーらしきものを目撃したようである。

これには古代博士だけではなく、Dキッズも色めき立った。何故ならオウガのディノラウザーでは、オレンジの反応はまだ湖の中央部にある。

それで、本物のネッシーが現れたのだと判断したのだ。

 

「よぉーっし!オレ達も…」

 

「ダメだ!お前達はここに残れ!ネッシーかどうか見極めるのは私の使命だ!」

 

「でも、父さん…」

 

「でももだってもない!これは隊長命令だーっ!

…隊長は1人危険に立ち向かうのであった…。いいーっ!カッコいいーっ!」

 

そう言い残すと、古代博士はTVクルー達と共に森の中へと駆け込んでいった。

結局自分が第1発見者として手柄を独り占めしたいだけのようである。

 

「はぁ〜…」

 

「僕達は湖畔を探しながら、オレンジの反応が近づくのを待とう…」

 

「そうするしかなさそうだね…」

 

置いてけぼりにされたDキッズは、ひとまず今いる場所周辺で探索をすることにしたのだった…。

 

 

それから少し後 ネス湖のとある岸辺

 

Dキッズがネッシー捜索を始めてから少し時間が経った頃のことであった。

その近くの岸辺にアクト団の首長竜型潜水艦が木々に隠れるように浮上すると、ウサラパ達3人がハッチから顔を出したのである。

 

「プハーッ!」

 

「狭いところにいると息が詰まるザンスねぇ…」

 

「まったくッス。…あーっ!あそこにいるのはガキンチョッス!」

 

「「えっ!?」」

 

エドの声にウサラパとノラッティ〜が反応して指さす先を見ると、そこではDキッズの面々がいた。

しかし、様子が変である。

 

「どこだー?エースー!おーい!出てきてくれー!」

 

なんと、探索中にエースが迷子になってしまったようである。Dキッズとチビ恐竜達総出で捜索にあたっているが、どこへ行ったのかも分からないらしい。

 

「参ったなぁ…。まさかネッシーじゃなくエースを探す羽目になるなんて…」

 

「みんな、ごめん…。僕がちゃんと見ていれば…」

 

「もう、だから謝るのはいいってアタシ達も言ったでしょ?それより早く見つけないと、またオバさん達が来ちゃうかも…」

 

マルムがボソリと呟いた「オバさん」発言は、当然ウサラパの耳には聞こえていた。

 

「…あぁん?今誰かオバさんって言わなかった?」

 

「何も聞こえなかったッスけど?」

 

「聞こえなくても分かるんだよーっ!

キーッ!ガキンチョ共に先を越されて堪るかい!さっさと潜ってネッシー探し再開だよ!」

 

「えーっ…もうザンスかぁ…?」

 

「早くするんだよ!さっさと潜航開始ーッ!」

 

「「ヘイヘイホー…」」

 

ウサラパに叱りつけられ、エドとノラッティ〜も渋々艦内へ戻っていくと、操縦桿を手に取った。

 

「じゃ、潜航開始ッス!」

 

気を取り直したエドが操縦桿のボタンを押して潜行させようとしたが、潜水艦はそのまま岸の方へ直進してしまい、艦内に衝撃が走る。

 

「なっ、何事だい!?」

 

「あっ、バックにするのを忘れてたッス」

 

「何やってんだいこのアンポンタン!それならとっととバックするんだよぉ!」

 

ウサラパの指示に従い、今度は潜水艦をバックさせようとしたが、何故か潜水艦はなかなか動かなかった。

 

「あれぇ?」

 

「何かに引っかかってるみたいザンスねぇ…」

 

実はこの時、首長竜型潜水艦の頭部にあたる潜望鏡の部分が木に引っかかっていたのである。

しかし彼らは誰一人として確認のためにハッチを開けて外に出るものはいなかった。それどころか…。

 

「ああもうおどき!こういう時は、ああしてこうしてこうやって…」

 

ウサラパがノラッティ〜から潜望鏡を奪い取ると、上下左右に激しく揺さぶり始めたのだ。

当然木に引っかかった頭部は激しく揺さぶられるが、一向に離れる様子はない。

そしてそのように不自然に木々が揺れているところを、Dキッズに見つかってしまった。

 

「おっ、おい!あれ…!」

 

「まさか、ネッシーの幽霊!?」

 

「ディノラウザーによると…オレンジの反応はまだ湖の中心部から離れてない!これはもしかするかもしれないよ!」

 

「葉っぱを食べてるのかしら…?」

 

Dキッズの面々が揺れる木々を見て、口々に考えを述べていた時だった。

 

『ウウウ…ガァブ!』

 

なんと、突然ガブが走り出し、霧の立ち込める木々の中へ走っていってしまったのだ。

当然、Dキッズや残りのチビ恐竜達も後を追う。

 

「あっ!ガブ!」

 

リュウタが呼び止めようとする声も聞かずにガブは走り続け、遂にアクト団の潜水艦を見つけた。

そして高くジャンプすると、首長竜の頭部を模した潜望鏡に食らいついたのである。

すると、何故か艦内にいるエドとノラッティ〜も頭に痛みを訴えだした。痛覚を共有されているのだろうか。

 

「「イタタタタ!」」

 

「な訳ないだろこのアンポンターン!」

 

「なはは…」

 

「そうザンした…。って言ってる間に…ああああザンス〜!」

 

エドとノラッティ〜がふざけている間に、どんどん潜望鏡はガブに噛み砕かれて骨組みだけになっていってしまう。

このままでは潜望鏡の本体も穴だらけにされてしまいかねない。

そう思ったウサラパは更に強く潜望鏡を揺さぶり始めた。

 

「こらーっ!離れろ〜っ!」

 

しかし、それでもガブは離れない。

 

「ガブーッ!」

 

そして更に悪いことに、Dキッズもその場に近づきつつあった。このままでは鉢合わせしてしまいかねない。

そうなれば恐竜の数では負けているアクト団は、ここで撃破されて撤退することになりかねないのである。

 

「キーーーーーッ!!!!あーっ!もう鬱陶しーっ!」

 

そして一際強くウサラパが潜望鏡を引いた時だった。

遂に耐えきれなくなったガブが宙へ投げ出され、湖へと落下したのだ。

 

「ガブ!待ってろ!今行くぞ!」

 

ガブが溺れそうになっているのを見たリュウタはすぐさま波打ち際の砂地へ下りると、そこにある倒木から長い枝をへし折ろうと気張り始めた。

彼に続いてイナズマも砂地へ滑り降りると、友を助けるために危険を省みず、湖へと飛び込んだのであった。

 

一方、アクト団の潜水艦では、ウサラパが無闇矢鱈に潜望鏡を振り回したお陰か、ようやく木の枝から外すことができたところだった。

 

「あーっ!外れたザンス!」

 

「今だよ!急速潜航!」

 

「「ヘイヘイホー!」」

 

こうして、ウサラパ達の乗る潜水艦は、Dキッズの目を盗んで潜航することに成功したのであった…。

 

戻ってDキッズの方では、リュウタが長い枝をガブの方へと差し出しているところだった。

一方でイナズマもガブの背後へ回り、少しでも早く上陸できるように押してあげている。

そして、ガブがリュウタの差し出した枝に噛みつき、岸へと引き上げられた。

すぐさまリュウタは、助け上げたガブを抱きしめる。

 

「ガブ!良かった…。イナズマもありがとな!」

 

『ガァブ…』

 

『ゴロゴロ!』

 

そして、4人が先程まで揺れていた木々の方を見ると、もう既に揺れは収まっていた。

当然、揺れを起こしていたものの正体を彼らはまだ知らない。

 

「あれ?さっきまでそこの木々が揺れてたはずだったのに…」

 

「消えた…」

 

「やっぱり幽霊なのかしら…」

 

「…くそっ!」

 

 

その頃 ネス湖水中

 

何とかDキッズの視界に収まらずに逃げることができたウサラパ達は、潜水艦を引き続き潜航させていた。

しかし、先程無理やり枝から取り外した潜望鏡頭部は激しいスパークを放っている。

 

「まったくもう…。何でも齧ればいいと思ってるんだから、始末に終えないわねぇ…」

 

ウサラパがそうボヤいていると、目の前の潜望鏡が激しいスパークを放ち始めた。

そして、爆発四散して砕け散ってしまったのである。

 

「「「うわぁぁぁぁぁ!?」」」

 

エドとノラッティ〜もその爆発に巻き込まれてしまったため、潜水艦はコントロールを失って湖底に衝突してしまった。

 

「ゲホッゲホッ…このおバカ!しっかり舵を取るんだよぉ!」

 

「「ヘイヘイホー…」」

 

超アクトアクロカントサウルスを暴走させた時以来のチリチリ具合になった彼らは、また操縦桿を握ると潜水艦を浮上させていったのだった。

 

さて、この潜水艦が湖底に衝突した影響は勿論出ていた。

先程泥の中から出てきた卵型カプセルを2つに割っていたのである。

中から排出されたカードは水中で青い光を放ち、恐竜の姿を形作っていく…。

そしてその光の中から姿を現したのは、南米原産の小型竜脚類・アマルガサウルスだった!

アマルガサウルスは湖底を蹴ると、勢いよく水上へ上昇していく…。

そして、あの巨大なワニのような生き物…モササウルスもその後をつけていっていたのであった…。




今回はここまでです。
では、明後日の後編でまたお会いしましょう。

第26話の原作「恐竜遊園地で大儲け!」にあたるエピソードでマルムの第2のパートナー恐竜を登場させたいと考えております。つきましては、私が選出した候補からどれが相応しいか皆様からご意見を伺いたいのです。もしよろしければ、以下のうちから1つを選んでご回答下さい。

  • ランベオサウルス
  • エドモントサウルス
  • カロノサウルス
  • コリトサウルス
  • オウラノサウルス
  • ディプロドクス・ハロルム(小)
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