転生ウマ娘がラスボスのマルゼンスキーと競い合うお話。
感想や評価など貰えると、狂喜乱舞して更新が捗ります。

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マルゼンスキーを語るなら、欠かすことのできない存在。


転生〜ジュニア期

 どうも、今どき珍しくもない転生者です。えっ、経緯を簡単に?

 

 最初に聞こえた声のヒトが、ひどく驚きながらも抱き上げてくれた。(捨て子?)

 目が見えるようになって鏡を見たら、ウマ耳尻尾付きになっていた。(ウマ娘?)

 テレビを見ていたら、シンザンとかいうウマ娘が走って踊っていた。(レース?)

 

 ウマ娘プリティーダービー世界です、本当にありがとうございました!(3アウト)

 

 うーん、私の知識はアニメ3期までで、元になったアプリも競馬も知らない。シンザンって出てこなかったし、テレビがブラウン管な時点で過去かな。そもそもアニメ世界か、元になったアプリ世界か、まったく別の可能性もあるんだろうけどね。

 

 そんな経緯でウマ娘になったんだけど、成長するにつれて胸がウズウズ、脚がムズムズ。他の子達はそんな衝動に任せてその辺を走っては怒られてたけど、こちとら元ヒト人生2週目、TPOぐらい弁えている。そういうことで院長先生に相談して適切な場所に移動、とりあえず走ってみたんだけど。

 

 なにこれ、ナニコレ、楽し過ぎでしょ。これならサイレンススズカの気持ちがわからなくもない。そう思いながら爆走!

 

「気をつけてね、大きな怪我したら一生走れなくなるよ!」

 

 徐々に減速して声の主、私を拾ってくれた孤児院の院長先生のところに戻る。院長先生は元トレーナーで、引退した後、困窮するウマ娘を少しでも救おうと孤児院を始めたんだってさ。良いヒトだね。

 

「先生が見てあげるから、無理しないって約束できるかな?」

 

 首を縦に振ると、院長先生は笑顔で頷いてくれた。

 とはいえ院長先生が忙しいのはわかっているから、普段は無理せずできることをしよう。身につけたり鍛えるのに時間がかかることといえば体幹やバランス感覚、トウカイテイオーのような柔軟性、ミホノブルボンのような体内時計辺りかな。その辺りを上手くぼかして院長先生に伝えたら、色々アドバイスしてくれたので実践しつつ、モリモリ育つウマ娘パワーを活用して微力ながら孤児院を手伝う日々。

 

 そして遂に降りてきましたよ、まったく知らないけど速そうな名前が。この身体にもウマソウルが宿ってる証拠だね、スタートラインに立てて本当に良かった。内心でそう喜んでいたら、耳寄りな話まで入ってきたじゃないですか。

 

「子供レースに出てみるかい?」

 

 迷うことなく参戦決定。

 実は、孤児院のウマ娘達は好き勝手に走るからか、速いと感じなかったんだよね。だから比較対象を知るのに丁度いい機会だったし、レースも経験できるなら最高だ。

 そして私は、普段抑えていた衝動を子供レースにぶつける。

 

 やはりスピード、スピードは全てを解決する。ヒャッハー、いっちゃーく! 内心はそんな感じで荒ぶっていた。

 

「おめでとう、賞品はシューズ引換券と沢山の人参ね!」

 

 子供レースに勝った私は、笑顔のお姉さんにお礼をいってから賞品を貰う。これが凄く助かる賞品でね。お金がないから、普段はお古のシューズに安い蹄鉄をつけて、壊さないように使ってたんだよ。今回はショップに行って欲しいサイズを自分専用に貰えるし、蹄鉄もいくつかセットで付いてくるとか最高だった。

 副賞も大量の人参で、食事量の多いウマ娘であれば、少しは食費に貢献できるからよく考えてるなって思ったよ。

 

「また来てね!」

 

 お姉さんの声に頷いて手をふる。そんなやり取りをいったい何回したかな、経緯は割愛するけど中央トレセン学園を受験できるようになった。

 元々そのつもりだったから勉強はしてたし、院長先生のおかげでトレーニングもレースもバッチリ。とはいえ狭き門だという知識があったから、凄いドキドキしたけどなんとか合格。お金はないので奨学金制度を利用して、無事入学した。

 

 さあ、競争人生の始まりだ!

 

▼△▼△▼

 

「ん〜、楽しかったわ♪」

 

 チーム『リギル』主催の模擬レース会場。死屍累々、ポキポキと同期の心が折れてるけど、わからなくもない。一緒に走ったウマ娘の中に、アニメで存在自体は知ってたマルゼンスキー(若干若く感じる)がチートを疑うくらいに突出した競争能力を見せたからだ。

 とはいえ、こちとら人生2周目であり、延長戦でもある。だから、やりたいことをトコトンやろうと決めてるし、乗り越えるなら壁は高い方がいいとすら思える。

 

「俺(私)と一緒にG I勝利を目指そう」

 

 マルゼンスキーがリギルに決まったからか、それとも2着だったからか。私はトレーナーに囲まれて、異口同音にそういわれたんだけど。

 

「勝てるなら」

 

 マルゼンスキーを指差して、声をかけてきたトレーナー達にそう伝えたら全員消えた。根性なしばっかりだなぁ、気持ちはわからなくもないけど。

 

 そんな私だったけど、色々あって無事トレーナーをゲット。いやあ、半裸ジャージ(見た目不審者)なのは置いておくけど、この人しかいないよね!

 

 だから決めた、私達が常識を破壊する(・・・・・・・・・・)ってね。

 

▼△▼△▼

 

 毎日、坂路。とりあえず坂路、やっぱり坂路。坂路は全てを解決する!

 

 どういうことかって? トレーナー曰く、最高速度は私が、加速力やスタミナはマルゼンスキーが上らしいんだけど、最高速度に到達・維持するにも距離を走るにしてもスタミナが足りないとのこと。スピード練習が楽し過ぎて、スタミナ不足に陥っていたとしたら私が悪い。だから模擬レース2着だったんですね!

 なお、マルゼンスキーがぶっ壊れてるだけで、例年通りならここまで苦労しなかったらしい。さすが院長先生の育成、マルゼンスキーが予想外すぎたってことかー。

 

 そんなこんなで、あっという間にやってきたメイクデビューは余裕でした。マルゼンスキーに勝とうっていうのに、逃げ腰なウマ娘やトレーナーには負けられないよ。ちなみウイニングライブもバッチリ。ちゃんとスペちゃん棒立ち事件から学んだからね!

 

 で、その後2戦してGIII含む3戦全勝の快進撃!

 いやー、もう奨学金は心配しなくてもいいかも。G IIIだけでも賞金3,100万円だったし、ビックリしたよ。まあ、全部貰える訳じゃないから、もっと勝つけどね!

 

 そして12月のG Iレース朝日杯前に、トレーナーと決めたプランに従って出走するとあるレースで、マルゼンスキーと偶然バッティングした。お互いの今を知るには丁度いいし、出るからには勝つ。そう気合いを入れて、マルゼンスキーが待つG IIIレースに挑み。

 

 ハナ差でギリギリ勝った? いや、勝ったのはいいけど、マルゼンスキーが先行? 彼女は全力で走るのが好きだったし、逃げというか先駆が得意だった筈なのに?

 

 ……本気じゃなかった(・・・・・・・・)

 

「朝日杯に出て」

 

 気づけば言葉が漏れていた。ハッとしたけど、吐いた言葉は消えないし、本心でもある。私は、唖然とするマルゼンスキーをその場に残して、ウィニングライブの準備に向かった。不本意なレースだったけど、この感情を胸に朝日杯でなら全力を出すだろう本気のマルゼンスキーを絶対倒すと固く決意して。

 

▼△▼△▼

 

 トレーナーから、マルゼンスキーが先行だったのは、東条トレーナーの指示だったと教えて貰った。聞いてきてくれたんだって、ありがとう。

 東条トレーナー曰く、脚を消耗しやすく不安定な逃げより、それを抑えられて勝率も上がる堅実な好位抜け出しの先行を常に薦めるんだとか。

 

 東条トレーナーの意向より、重要なのは本人の意思じゃないのかな。トレーナーがウマ娘を慮っても、不本意なレースしかできなかったら、本人は辛いと思う。  

 まあ、その提案を受け入れたマルゼンスキーもマルゼンスキーだけどね。結果的にマルゼンスキーは楽しくなかったんだろうな、いつも楽しそうに走っていた彼女が、微妙な表情だったのはそういうことでしょ?

 

 とにかく、朝日杯でもあんな走りしたら、死ぬほどブッチぎる。先駆で本気だったとしても、必ず勝つ。そのために今日も今日とて私は坂路を走るのだ。

 

 そうそう、最近、よそのトレーナーが機会を見つけてはトレーニングを止めて移籍すべきだと言ってきて困る。無理してないし、無理矢理やらされてる訳じゃないっていってるんだけど、なかなか聞き入れて貰えない。最終的には、練習の邪魔はしないでとお願いするまでがパターン。

 

 筋肉痛になるくらい普通だと思うんだけど。超回復を利用したトレーニングでもあるし、疲労が蓄積し過ぎない範疇で限界まで鍛えないと、本気のマルゼンスキーにはきっと勝てないからね。

 

 さて、話は変わるけど、トレーナー曰く私は割と早熟型でスタミナも増えやすいとのこと。皐月賞を取って、最も早いウマ娘になるのも不可能じゃないそうだ。いやあ、夢が広がるねー。

 

 とはいえ、まずは目の前のレース。それに向けたトレーニングに集中しよう。頑張るぞ、おー!

 

▼△▼△▼

 

 優駿が集い、クラッシックレースの行方を占うジュニア期のGIレース『朝日杯フューチュリティステークス』。中山レース場は、詰めかけたファンの熱気で、例年にない盛り上がりを見せてるとトレーナーが言っていた。

 

『本日の中山レース場メインレース、GI朝日杯フューチュリティステークス。芝1,600mで行われます。好天に恵まれ、良バ場の発表』

『いやあ、例年を遥かに上回る人出ですね、入場者は7万人を超えましたか』

 

 それもそのはず。

 このレースには、突出した戦績のウマ娘が2人出走する。私とマルゼンスキーだ。

 

『……とマルゼンスキーの一騎討ちと見られていますが、2人ともこれまでのレースで20バ身以上の着差をつけています』

『そうですね。かたや無傷の4連勝。かたや一騎討ちでの2着を含みますが、3戦2勝連対率100%ですからね。

 無敗でジュニア期を終えるか、マルゼンスキーが勝って直接対決での戦績を5分にするか。そういったことからも注目度は非常に高いんでしょう』

 

 無敗の私は、メイクデビューをレコードで大差勝ち。2戦目にしてGIIIレースも大差勝ち。この時点で一強かと巷では言われていたそうだけど、遅れてデビューしたマルゼンスキーも同じ様に勝ち、2人共2戦で20バ身以上の着差を記録したそうな。

 無敗の私が4戦目、マルゼンスキー3戦目でファン待望の直接対決になったけど、周囲から見るとそれまでのレースに比べて精彩を欠いたハナ差決着。

 

『直接対決こそマルゼンスキーは先行策でしたが、それ以外の強いレースは全て逃げ。あの結果から見て、逃げ2人によるスピードレースが期待されますね』

『ええ、近年稀に見る高速逃げ対決。どちらかが追う形にはなるでしょうが、熱いレースになることも決まりでしょう』

 

 だからこそ今日は強いレースが期待されてるみたい。ジュニア期最後のGIレースであればと、多くのファンが集ったという訳。まあ、どちらにしても私は私のレースをして、マルゼンスキーをブッちぎるけどね。

 

▼△▼△▼

 

 ところで今日のレース、同期が逃げて出走はたったの6人。これからも私やマルゼンスキーから逃げるのかな。私にしろマルゼンスキーにしろ、スプリントも走れるんだから、逃げ場なんて現状ダートを除いて中長距離しか無い。それもいずれ解消されるだろうし、少なくても私は既に中距離を走れる。

 

 ちなみ私が1枠1番で、マルゼンスキーが6枠6番の大外。先駈の私達にとって、枠順的に優位なのは私かな。

 レースプランは、レコードを狙って走るのがトレーナー流であり、私流。キッチリ決められるだけ、いえ、それ以上のタイムが出せるように鍛えてきたから焦りはまったく無い。

 

 そうこう考えながら向かった地下バ道には、ある意味で選ばれたウマ娘だけがいた。逃げなかった優駿、勝つ気概のある優駿は、やっぱり面構えが違ってくるよね。その中でも、赤い勝負服を着たマルゼンスキーの気合いは別格で、目に見えるようだ。

 

「絶対勝つわ」

 

 そう一言言い放って、これ以上の会話は不要とばかりに離れていくマルゼンスキー。以前とまったく違う気迫溢れる姿に、最高のレースを予感し、離れていくその背中を見送った後で地下バ道から出る。

 

 勝負服を着た私がパドックに出ると、とんでもない歓声が上がって思わず耳を畳んだ。

 ちなみに勝負服のデザインは、ヘソ出しの青い長袖ワイシャツもどきに、白のネクタイと短めなベスト。裾にスリットの入った白のパンツ。青い手袋とタイピン。白いフォーマルシューズに青い靴紐。スカートかパンツかの違いはあるけど、マルゼンスキーと似ているところも割と多い。紅白がメインカラーで、差し色が黄青と、対象的でもあるしね。

 どうしてこうなったかまったくわからないんだけど、妙にしっくりきたんだ。謎過ぎるけど、ヒラヒラのスカートは制服だけで十分な私には、ありがたかった。

 

『……、1枠1番です。中性的で清潔感のある勝負服に身を包みます』

『黒鹿毛の髪が勝負服に映えますね、身長高めな恵体と相まって非常に凛々しくもあります。

 元々女性ファンの多い彼女ですが、これは一層増えそうですね』

 

 えっ、知らなかった、そうなの? しっかりファンサービスしよう、こうかな?

 

『おっとお、ファンサービスもお手のものですか、黄色い声援が増した様ですね』

 

 十分アピールした私は、軽く片手を上げてからゲートに向かう。私がいないとゲートインを始められないからね。勿論、その前に、他の出走ウマ娘のパドックがあるんだけど。

 

▼△▼△▼

 

 中山レース場に響くファンファーレ。

 パドックが終わり、ゲートインする。人数は少ないから、すぐ済むだろうと思ってたんだけど、なかなか進まないみたい。どうしたんだろうね。そうこうしているうちに、やっとゲートインが終わり。

 

『6枠6番マルゼンスキーが入りまして、ゲートイン完了。スタートです!』

 

 ゲートが開く瞬間。高めた集中力でタイミングを察知し、身体は重力に任せて自然に倒しながら、開いた瞬間一気に加速する。今日のために磨いてきた初速の追求、劣る加速力をスタートダッシュで補うための必須技能。

 

『おっと、2人を除いて出遅れましたか? 鋭い出足で内を行くのは1枠1番……』

 

 うん、先手を取った。マルゼンスキーは才能の暴力で殴ってくるタイプで、加速力に優れているからか、スタート技術は普通より上程度。比べて私は加速力で劣るんだから、当然スタートの技術を複数極めて対処、1ハロン目のタイムと初速を稼いだ訳。とはいえ……。

 

『外からマルゼンスキー、グングン加速して追い抜いた!』

 

 これでいい。マルゼンスキーは進路妨害しない様に走らなきゃならないし、そのロス分で私の加速も進んでいく。最高速度で勝る以上、いずれ追いつき追い越せる筈。とはいえ、予定よりもマルゼンスキーが速いな。

 

『前に出て内にマルゼンスキー、追う……』

 

 電撃戦であるスプリント・マイルでも、スリップストリームは機能する。こうして追走すれば、空気抵抗が減って加速しやすくなってる筈なんだけど、やっぱりマルゼンスキーがレコードタイムより速い。スタミナは消費するけど、しっかり追走しながら、限界まで加速しなきゃ!

 

『速い速いぞ! 3着以降は5バ身6バ身と離れていくが、2人の距離は2バ身ほどか! 徐々に詰まっているのか!?』

 

 スタミナは犠牲にしたけど、マルゼンスキーを追い抜ける最高速度に達しつつある。それはさておき、今のマルゼンスキーは気持ちよく走れてるのかな。もしそうなら、勝負とは別に、同じレースを走る一人として嬉しいんだけど。

 

『ラスト3ハロン! もう差は1バ身もないぞ! 逃げ切るか、マルゼンスキー! 差し返すか……』

 

 え? なにこれ、幻覚? 目の前に赤いテールライトが見えるんだけどって、マルゼンスキーが再加速した!?

 

 ふざけないで、ここまできて引き下がれないよ! 私は、トレーナーの不利を覆す育成が好き。最悪、私が負けるのはいいとしても、トレーナーの練習が悪く言われるのだけは我慢ならない! 未来のためにも絶対に! ここでいかなきゃ、ダメなんだ! 今がその時でしょ!?

 

 だって私は、必至速度(ヒシスピード)なんだから!

 

 瞬間、脚が軽くなった、いつもより抜群に加速するのを感じる。なのに思考はクリアで、心は灼けるほどに熱く滾って。ああ、これがアスリートのいう領域(ゾーン)ってやつかな。

 

 目の前には、追い抜くべきマルゼンスキーの背中が迫っている。進路を変えなきゃ……。

 

 “絶対勝つ、勝つんだ!”

 

 ふと気づけば、脚が凄く重たいんだけど。それに、なんかあった様な気が……。というか、いつゴールしたっけ? そう思った私の耳に音が戻ってくる。

 

『凄まじいデットヒート! 重なり合ってゴール板を通過しましたが、どちらが体勢有利とも見えませんでした!』

 

 え? もしかして加速のタイミング悪かったとか!? 私抜いたよね、覚えてないけど!

 

『写真判定になりました! タイムは、えっ……。1:34.4というとんでもないレコードです!』

『いやー、大差なので相当なタイムだろうとは思っていましたが、ここまでとは驚きです。それにしても随分判定に時間がかかりますね、それだけ接戦だった証でしょう』

 

 ちょっと、これで負けたはナシだよ!? 湯気が立ち昇るほど熱い身体が、急速に冷えていく気がする。

 

『! 出ました、なんと同着! 同着です!』

『ジュニア期を5戦全勝のヒシスピードと、それに準ずるマルゼンスキー。信じられない様なレコードタイムを叩き出した二人の対決から今後も目を離せませんね』

 

 そんな実況を聞きながら、最悪は免れて良かったと息を吐く。とりあえず勝負は持ち越しになったし、意思表明だけはしっかりしておこうかな。

 

「マルゼンスキー」

「ヒシスピードちゃん」

 

 声をかけると呼び返された。手を差し出すと、握り返されて。

 

「「次は勝つ(わ)!」」

 

 模擬レース込みの戦績だと、1勝1敗1分か。決着は皐月賞かな、なーんて思いながら、私は沸き立つファンに笑顔で大きく手を振ったのだった。

 




<史実における初戦>
ハナ差で、ヒシスピードが敗北。
このレースは、マルゼンスキーが掛かり気味だと判断した騎手が抑えた結果、危うく敗北するところでした。
それを本作では、先行策としたためと表現し、ヒシスピードにハナ差で逃げ切ってもらっています。
この辺りは、サイレンススズカの逃げを先行に変えさせた東条トレーナーも反映させ、実力を発揮しきれなかった理由としています。

<史実における2戦目、朝日杯>
マルゼンスキーの一人旅、驚異的レコードによる大差圧勝。
実際に6頭で行われた本レース、その結果からマルゼンスキーとのレースを同期に回避され続ける原因となりました。
本作においては、マルゼンスキー一強としないため、またライバルとしてのヒシスピードを表現すべくテコ入れし、驚異的レコードによる同着としました。

<ヒシスピードを和名にするなら?>
ヒシは、菱雅(ヒシマサ)という屋号から取ったものなので、正しくは菱です。
ヒシマサルという競走馬もいましたし、ヒシスピードの父父がヒシマサルでした。
本作の転生オリ主は、競馬知識が皆無なので、勝手に当て字した模様。

<史実におけるマルゼンスキー>
スタートは上手いと言えるほどではなく、加速力で補っていたとのお話。
それでなんとかできてしまえるほどの圧倒的スペック差があったともいえます。
本作では、その逸話を採用。アプリのスキル完備したマルゼンスキーを出したらまったく勝てず、お話が成り立たないのでお許しを。


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