この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
おんどりゃア!!幻神ちゃんは一番お気に入りのキャラなんだ途切れず書き続けてやらァ!!
終わりなき災禍との戦いは終わりを告げた。
それに共鳴してか、この世界の人々にとっては久方ぶりに雨がやみ、太陽がさんさんと大地を照らしている。
だが
未だ日本の人口は少なく、その大半が"無個性"になっている。
そしてほぼすべてが廃墟となった日本の街の中を——『
その理由はただの一つだけ。
「ッ! 端末に生体反応が入った! こっち!!」
「うん!!」
僅かにも残った生存者の救出である。
終わりなき災禍だけではない、『並行世界』の日本は秩序が機能していない故に無法地帯となっている。
その原因は過去に公安が核兵器を使用し、多くの犠牲を払ったことによる市民の恨みが原因の一つだろう。
終わりなき災禍によって大半の"個性"持ちが糧となり、アリス達は終わりなき災禍を少しでも弱体化させるために"個性"持ちを殺していった。
今生きているのは生き延びた者、もしくは"無個性"のみ。
結果として、幻神と緑谷は元の世界に戻れるようになるまでの期間だけ、『並行世界』での自主的ヒーロー活動を行っているのだ。
「ここの瓦礫の下みたい」
「わかった。僕が退かすから幻神はその間に」
一つの瓦礫の山につき、緑谷はゆっくりと崩落しないよう瓦礫を退かしていく。
それにより開いた道を幻神は通り、中にいた要救助者を見つけ出し救出する。
「どう?」
「傷からして最近みたい…まだ意識もあるから、先日の戦いによる影響かもしれない。救助要請は?」
「しておいた。もうすぐだと思うから、応急処置しておこう」
瞬間、エンジンが噴く音が2人の耳に入る。
2人が上を見上げれば『VF-171 ナイトメアプラス』が3機と『VB-6 ケーニッヒモンスター』が1機が、二人の下へと事項しながら接近しており、『VF-171 』だけが『ガウォーク』へと変形、変形しない『VB-6 ケーニッヒモンスター』と共に地上へと着陸した。
そして『VF-171 』のキャノピーが開き、パイロットが降りて二人の元まで駆け寄り、敬礼を行う。
「お勤めご苦労様です!」
「いえ、それよりもこの人を速く本部へ。応急処置はしましたが傷は深いです」
「承知しました。それとここら一帯の残りは我々で行います。お二方も本部へ。アリスたいちょ——じゃなった…局長がお呼びです」
「えっ、だけど……」
緑谷はまだできるとばかりに発言しようとするも、彼らは「お願いします」とばかりに頭を下げる。
2人は一度顔を合わせてから、救助者と共に『VB-6』へと同じように乗り込んでいき、『VB-6』は浮上し、本部へと向けて飛び立った。
——◆——
私と出久くんは一度救助活動をやめて、本拠地へと戻ってきて今ではアリスさんが引き継いだ局長室へと戻ってきていた。
「ごめんなさいね、本当だったらもうとっくに元の世界に戻れているはずなのに」
「いえ! それにこの世界の事情を知った身としては放っておけないですよ!」
「うんうん!!」
「イヴも『イチイバル』の使用による過労なのと、元の"個性"はそう簡単に使える代物じゃないから難しいのよね。世界を超えるテレポートジェムも先の戦いで予備も含めて破損しているし……」
思わず苦笑いする。
この世界の秩序はないから書類とかはないとはいえ、それでもいろいろと後処理をしなければならないことは多い。
今アリスさんが対処している書類に関しては、本拠地内でのあれやこれらの使用許可とかばっかりだ。
「救助とか復旧とかと同じ最優先であなたたちが戻れるためのものを、ミネを筆頭として製作に取り掛かってもらってるわ」
「お姉ちゃんが?」
「えぇ、元に戻ったから私たちもいろいろと覚悟は決めていたのだけれど、事情を知り、全てを思い出したから今では共に活動してくれてるわ。彼女曰く、「亡き父の想いを無駄にしたくない」と」
そっか……あの戦いの後、この世界での美音のお父さんは存命で、娘を救うために自ら人でなしになることを選んだみたいで、その時に私の記憶を見て最も適した人物……アダムの存在に気づいてそのまま成り代わりのようになったみたい。
だからアダムがいたんだってなったけど、あれの正体が本当は父親なんて誰が思えるんだか……。
「最短でもあと一日はかかるらしいから、今のうちにお風呂や食事を済まして構わないわ。部屋も含めてより良いものを用意するわ」
「えっ、でも食材とかそこらへん大丈夫なんですか…?」
「終わりなき災禍は日本にいただけで、海外では意外と建物的被害は少ないのよ。だからもう復旧も終盤に取り掛かってるそうよ。食材とかの提供はしてくれるみたいだからね」
なるほど…じゃあお言葉に甘えてお風呂入ろうかな。この本拠地のお風呂、貴族が入るお風呂並みにめっちゃすごいし。
——◆——
「やっぱり慣れないな…この広さは……」
女性風呂の方の大浴場に私は来たが、思わず本音を漏らしていた。
それはアリスさんたちの本拠地である豪邸染みた一か所的な場所であるこの大浴場は、一般的お風呂はおろか、ハイツアライアンスの寮の浴場すら小さく見える程の高級な大浴場だからだ。
外と内で差が激しすぎてもう口ポカーンだったよ初見の時は。
とりあえず身体の汚れをシャワーで洗い落としてから、髪をタオルで結んで湯舟へと使った。
「あ”~……」
「——おっさん臭がするわよそれ」
「ぶぁ!?」
肩まで漬かってこれを漏らしたら背後から突然声を掛けられて驚いた。
振り返れば、タオルで身体を隠しているミネがいた。
「ミネも湯舟休み?」
「湯舟休みって……まぁそんなところ。作業員たちにそうするように言われたから来たってだけだけど」
ミネの髪は私が切る前の長さのままだから、より多くのタオルで丸めた状態で湯舟に入ってきた。
「……てっきり、お姉ちゃんはアリスさんたちも許さないと思ってた」
「そうね、普通ならそうなるわ。でも事情とか諸々知って、その罪を全て勝手に背負って亡くなった父に怒りと悲しみを抱いて、彼女たちがどれ程父を尊敬していたかは分かった。それに、今のわたしはユウカとイズク、二人の形見とも言える"個性"を両方宿している。これを復讐のために使ったら合わせる顔がないわ」
そう言いながらミネは片腕を上げる。
するとそこに赤い熱が走って行って、白い稲妻が微かに溢れ出ていた。
それは間違いなく出久くんの"個性"と酷似している。
もし仮に『並行世界』の出久くんの"個性"なんだとしたら疑問点が多すぎる。
「そっちのイズクくんはどうやってお姉ちゃんに"個性"を与えたの? 『オール・フォー・ワン』の力なんてないし、本人は『超パワー』って言ってるけど……」
「……」
えっ、なんでそんな嘘でしょみたいな顔してるの…?
「そっからか~そっから知ってないのか~……わたしはこの世界ではとっくに死んだ変態ロリコン梅干しの話を昔たまたま聞いて、『
「な、なにその言い方!? なんなの!?」
「本人に聞きなさい。わたしの場合は人知れず知った…? みたいな感じだから」
いや意味がわからない……。
「こっちからしたらあなたの存在に驚きよ。輪廻、それも転生が実在してそれがわたしの中にいたなんて」
「あ、あ~……それはその、正直言うと私も転生した時は驚いたよ? たまに見る神様にあれやこれや言われて転生とか、目が覚めたら知らない大人に可愛がられながら抱かれていたりとかじゃないもん」
「確か幻神の場合は、侵食するようになって一時期は混ざりかかってたものね」
「そうだね。お姉ちゃんの人格に私の記憶が流れ込んでいって最終的に一つになる感じ……私たちの今の状態は感情が一つにならなかった場合の過程的な奴かな?」
「記憶を共有する多重人格で片方がいなくなったって言い方があってると思うわ」
それだ、確かにそれが一番フィットする表現だ。
「にしてもさ、アリスさんはすごいね。みんなが"個性"なしで錬金術を使えるようにしたり、『アルカ・ノイズ』や『可変戦闘機』までこの世界の私の記憶を見て造ったんだから」
「その時はわたしも洗脳されてたから覗き放題だったんでしょ」
確かに……本人も「天堕ユウカの記憶の元」って言ってたし。
しっかし私は"個性"増幅装置がないとできなかったことをしていたからなんか悔しい部分もあるんだよな~。
「……イヴちゃんはこの世界にはもうヒーローはいないって言ってたけど、本当なの?」
「厳密に言えば日本内でのヒーローはってことで、海外は普通にいるわよ。でも今日本は終わりなき災禍のこともあって鎖国状態になってる。アリス達はそうなる前に亡き父の指示のもと入国し、今では日本を拠点としている組織って感じね」
そうなんだ。
鎖国なのは被害をこれ以上広げないためなのかな……。
「開国しないの?」
「下手すれば海外の
oh……そりゃ無理ゲーだ。
ましてや『アルカ・ノイズ』なんてこの世界でも抵抗はできようがやられれば最後なんだ。
「そろそろ出るわ。幻神ものぼせる前には出なさいね?」
「はぁ~い」
ミネは湯船から上がって身体を流しに向かう中、私は口元まで湯舟にいれる。
もしお姉ちゃんが生きてたら、こんな感じになってたのかな………そんなもしかしたらあったかもしれない未来を描きながら、私は瞼を閉じた。
——◆——
終わりなき災禍との戦いが終わってから約2日。
ついに私たちの世界に戻るための諸々の準備が整い帰れる時が来た。
本当に最短で戻るための手段を完成させたらしい。
この世界の残った人たち凄すぎない?って思いながら整備された空港的な場所に私と出久くんは来ていた。来たんだけどね…私と出久くんは目の前にいるミネ…正確に言えばその後ろにある物体を前に口が閉じなかった。
「………ね、ねぇ…これで戻るの…?」
「えぇそうよ」
「「……」」
やっとのことで聞いたが、その答えに私と出久くんは思わず互いを見つめた。
だって、整備されたその空港…否、カタパルトにあるのは——
「『VF-31 ジークフリード』。これに二人は搭乗して飛んでもらうわ」
「——いや無理があるでしょッ!!!」
思わず叫んでしまった。
だって、だって『VF-31 ジークフリード』って【マクロスΔ】の主人公が乗ってる機体じゃん!!『フレイア・ヴィオン』との切なくも最高で私の推しカプの機体じゃん!!
そんな彼が乗っていた愛機を名に造った挙句に、私たちを乗せようとしてるのォ!?
「まぁ幻神の言いたいことは分かるわ。普通な出来ないわよね」
そこじゃなァァいッ!!
いや元の世界での美音も"個性"増幅装置を使用した状態ではあったものの『Sv-303』を具現化させてたよ?
でもこれは、なんで"個性"を使ってないのにいるの?ねぇなんで!?
いやね、『VF-171 ナイトメアプラス』と『VB-6 ケーニッヒモンスター』も普通にこの世界にあって、アリスさんの部下さん方が乗っているのにも驚いたけど、ここまでやるかァ!?
できるのかァ普通ゥ!?この世界の人達凄すぎない!?そしてその源でもある『
「あの、これはどうやって……」
出久くんもついに問いただした。
そうだよね!気になるよね!?
「こっちの世界のユウカの記憶を参考に造ったとしか言えないわ。元々わたしの身体を調べたりして錬金術やらクォーターやら使えるようにしてる人たちだから、これぐらい簡単なんでしょ」
だからって普通に可変戦闘機造るかァ!?
「ワープの仕方はイヴの『ギャラルホルン』のエネルギーと『マクロス・クォーター』に残ってた幻神たちの世界の座標を固定しすることで『VF-31』をフォールドさせるといった感じよ」
「今良い感じにするためにフォールドって言った?」
「気のせいよ」
気のせいであるかボケェ!!
「
「——わたしとイヴ、そしてミネも同行するためよ。向こうの人たちは訳も分からないだろうし、謝罪とかも含めてね」
「「えっ?」」
振り向けばアリスさんとイブさんが立っていた。
いつの間に…!?
「向こうからすれば突然雄英に侵入したあげく、生徒であるあなた達二人を攫った
「私が話した事情も事情なだけあって皆さんはあれだからね……」
あ~……そういうことか。
「……ッ」
終わりなき災禍の原点、その正体と言える始まりの少女。
終わりなき災禍に変貌して封印もされた状態で現代までいたから、昔の状態のままで、今ではミネたちが保護者になっている。
私たちにも可能限り心を開こうとしているらしいし、ミネもそうしようとしてるけど、終わりなき災禍……うんん、『サイカ』ちゃんはまだミネにしか心を開いていない。
「大丈夫よ、傍にいるから。それにみんなあなたのことを恨んでもないから」
「……うん」
「とりあえずそれぞれ乗り込んですぐに向かいましょう。幻神、あなたの記憶の元生み出したのだから操縦はできるでしょ」
「うっ……そ、それとこれとは……あっ、はいやります」
一番詳しいの私だもんね、はい…私たちはそれぞれの機体に、荷物と一緒に乗り込んでいき、キャノピーを閉ざした。
色々とボタンをいじって、前作の知識と元ネタである戦闘機の操縦動画とかも思い出しながら起動していく。
するとカタパルトの進路に、ラインが道を示すように表示された。
『カタパルト進路クリア。各機発進スタンバイ』
「なんか、こういうのって映画とかでしか見たことないから乗るの新鮮だな……本当にロボアニメのコックピットみたいだ」
「……ッ」
後部座席の出久くんがそう呟く中、私は思わずと俯く。だってこれらはこの世界での私の前世の知識から得て作り上げられたもの。
決してオリジナルには及ばないだろうけど、それでもこの世界の、アリスさんたちの技術力とかは凄いってことだ。
操縦桿を握ったり、ペダルに足を乗せたりしてもわかる。
液晶、テレビ越しでしか見ることのできなかったコックピットに今、私はいる…乗っているんだ。
『並行世界』の私は、私より遥か先にいて、それらを全部ミネたちに託した……よっぽどヒーローだって実感してしまう。
『こちらミネ並びにサイカ。発進準備完了』
『こちらアリス並びにイヴ、いつでも行けるわ』
「……出久くん、いい?」
「うん」
チラッと後ろを確認すれば、シートベルトなどをちゃんと確認している。
私も今一度システム諸々を確認して、操縦桿を強く握り直した。
「こちらアカシア並びにデク、発進準備完了!」
『了解、カウント開始』
するとカタパルトの遥か先に、黄色と黄緑の輝きと稲妻を漏らしうごめく輝く深緑色の、規模の大きいゲートが開いた。
そのゲートの周りには、ゲートを維持させるためなのか同じサイズの黄金の錬成陣が展開されている。
同時に各機が動作確認を行い、推進機からエンジンをエネルギーを放射していく。
瞬間、カタパルトが動き出すと同時に一気に推進機が噴射された。
「「うぅ…!!!」」
その勢いに耐えながらやがて空へと飛び上がった。
『進路そのまま、さぁ行きましょう』
アリスさんが先頭で飛行していき、私たちも後に続いてゲートに接近していく。
「……帰ろう、出久くん!」
「うん、僕たちの世界に…!」
ペダルを強く踏み、操縦桿を前に押すことで『VF-31』が加速し、二機に続いてゲートへと入っていった。
原作に早く戻りたい…やりたいことがいっぱいあるんだ…!!そのための少しばかりのダイジェストォ!!
もしよければお気に入り登録と評価、感想の方よろしくお願いします!