ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
なんか暑さでモチベーションが落ちてます。申し訳ありません。
今さらながらエピソードフレイヤの時系列、間違ってました。なので一部、修正しました。前のレフィーヤの事といい、所々間違って申し訳ありませんでした。
それとファミリアクロニクルヘイズ発売されましたね。
そして本編22巻、外伝17巻、ファミリアクロニクルアミッドを今年の冬に発売決定しましたね。あれ? 春姫編は?
骸によって多くの冒険者が掌に踊らされ、ダイダロスは混乱状態に陥る。
「今、ダイダロス通りは冒険者同士が勝手に潰し合い、情報は錯綜。もぬけの殻も同然です」
(こいつ……ヤバ過ぎる!!)
他人のプライドとコンプレックスを刺激し、抑圧を増進させ、情報を混乱させ、1兵も使わず、それも幻覚だけでダイダロス通りの戦況を支配した。ティオネは骸が完全に危険人物だという事を認識する。
(いやそれよりも……)
もしこの事態がバレようものなら、完全に【ヘスティア・ファミリア】は敵意を向けられ、凄惨な報復を受ける。にも関わらず、先程からツナが平然している事にティオネは違和感を覚えていた。
「あんた……バレたらタダじゃ済まないわよ」
「バレる訳ありませんよ。利用された事にすら気づかないような愚かな連中が僕に辿り着ける訳がない。仮にバレたところで全員返り討ちにすればいいだけの話です」
「そんな事……」
「できますよ。あの程度の人間などいくらでも見てきましたし、幾度も葬ってきた。地獄のような場所でね。何なら実演して見せましょうか?」
「骸」
「冗談ですよ。あんな連中など殺す価値もない。それに僕の目的は君の体を乗っ取る事。あんな連中がどうなろうと、僕の知るところではありません」
(ツナの体を乗っ取る……!?)
(何を言ってるの……!?)
骸の目的の意味を知り、ティオナとティオネの全身に悪寒が走る。
「それでは僕はこれで失礼させてもらいますよ」
骸はムクロウへの憑依を解き、元の体へと戻っていき、ムクロウは再びクロームの肩に乗る。
「作戦通り俺がティオネと戦う。お前はティオナの相手をしてくれ」
「……本当にいいの?」
「……ああ」
「わかった」
ツナの決意を見て、クロームは三叉槍を頭上で水平に構え、回転させると、三叉槍の持ち手の先端を地面に突き立てた。
「ちょっ……!?」
「嘘でしょ!!」
すると地面に亀裂がが入り、地面が崩れ、土台が失った事で周囲の建物が次々に崩れ落ちていく。
ティオナとティオネは崩れた地面の上から落ちないようにバランスを取っていた為、底の見えない奈落の底に落ちる事はなかったが、非力な少女がまさかこんなパワーを発揮した為、ティオネとティオナは驚愕する。
「がっ!!」
「ティオネ!!」
クロームの力に驚愕している最中、ツナがティオネの顔面を右手で掴み、左手の炎を逆噴射させそのままどこかへ連れて行ってしまう。
ティオネが連れ去られた事にティオナが気づいた時にはすでに遅く、ティオネは助けられない距離にいた為、救出する事を断念せざる得なかった。
「え……!?」
先程まで崩壊していた世界が何事もなかったかのように元に戻っており、ティオナは驚愕する。
(まさかあれが幻覚……!?)
あれだけのリアリティのある光景が現実だという事をティオナは理解すると同時に驚愕する。
六道輪廻。ツナの世界では人間は死ぬと地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天界道のいずれかに行くと言われている。クロームはこの6つの世界をモチーフにした能力を使う事ができる。
今使ったのは第一の道、地獄道。強力な幻術を使える能力である。それに霧の炎の特徴である構築の力が加わった強化版である。
掟で憑依弾の使用と製造を禁止され、多くの【ファミリー】から迫害を受けた【エストラーネオファミリー】の上層部は名誉挽回の為に、【ファミリー】の子供を使って人体実験に手を出した。その際にこの六道輪廻の力に目覚め、【エストラーネオファミリー】を壊滅させた子供がいた。それが骸である。
元々は骸の力であったが、骸が【
クロームは再び、三叉槍の持ち手の先端を地面に突き刺すと、今度は大量の火柱が四方八方に展開される。
「熱っ!!」
火柱が直撃する事は避けたが、それでもティオナの肌は焼けるような熱さを感じ取っていた。
一方でクロームは火柱を隠れ蓑にしながら、ティオナの間合いに移動すると、三叉槍を薙ぎ払った。ティオナは三叉槍の攻撃をしゃがんで躱す。そして
「あ……あ……あ……」
「ごめんね。すぐに楽にするから」
殺さないようしながらも、苦しみを感じる時間を1秒でも減らす為に、力の加減に細心の注意を払いながら、ティオナはクロームは気絶させようとする。
「どこを見てるの?」
「え……?」
ティオナの背後からクロームの声が耳に入る。それと同時に火柱が消え、絞め技をかけられていたクロームが霧のように霧散した。
「こっち」
ティオナが背後を振り向くとそこには五体無傷のクロームの姿があった。
「私はこっち」
「私はこっち」
「私はこっち」
すると無数のクロームが出現し、ティオナを取り囲むと一斉に襲いかかる。ティオナは
「あー!! もう分かんないよ!!」
小細工なしの純粋な肉弾戦であればティオナの独壇場。しかしティオナはこういった策略めいた戦闘は苦手分野であり、頭を悩ませていた。
またティオナには【
しかし幻覚で熱さや痛みを感じたとしても、それはティオナ自身が勝手にダメージを受けたと錯覚しているだけであり実際の肉体にはダメージはない。故にスキル発動条件を満たせない。ティオナは取ってクロームはかなり相性が悪い相手なのである。
残ったクローム達は三叉槍を同時に薙ぎ払った。
「蛇!?」
すると大量の蛇が出現し、ティオナの体を絞めつけていた。どういう原理で蛇が現れたのかが分からずティオナは困惑する。
「それ。本物の毒蛇」
「いっ!?」
第三の道、畜生道。人を死に至らしめる生物を召喚するスキルである。
ティオナは耐異常の発展アビリティを持っている為、
蛇で動きを封じている間、クロームは三叉槍を前に突き出す。今度は四方八方から大量の水柱が現れ、ティオナに向かって行く。
「うぉりゃあああああ!!」
ティオナは絡み付いた蛇を無理やり引き剥がし、水柱を回避した。
(幻覚だって分かってるのに……)
ダンジョン探索において一番の脅威は
ティオナは【ロキ・ファミリア】として何度も深層に赴き、何度も
(あ!! そうだ!!)
なんとか本体を見つける方法を考えていた矢先、ティオナは妙案を思いつく。するとティオナは目を閉じ、そのまま何かに集中する様子を見せていた。
「そこ!!」
ティオナは自身の背後からステイタスを解放し一気に走り出した。しかしティオナの背後は何もなかった。
「これなら幻覚に引っ掛かからないもんね!!」
しかしティオナは自身満々の様子であり、足を止める様子はなかった。
クロームは先程の幻覚達が戦っている間に幻覚で周囲と同化し姿を隠していた。その事をティオナ自身は知る由もないがティオナは目を瞑り、気配を探る事に全神経を集中させる事でクローム居場所を探り当てたのである。
幻覚は五感を支配する。しかし気配までは誤魔化せない。特にこれまで何度も死線を乗り越えたティオナの野生の感は鋭い。
さらに目を瞑れば幻覚にはかからない。畜生道による生物召喚も、耐異常の発展アビリティを持っている上に自身の力で拘束から脱却できる事は実証済みであった。
「がっ!?」
だがティオナ何かにおもいっきり激突し、激痛と頭から少量の血が流れる。ティオナが目を開けると分厚い鋼鉄の壁があり、ティオナがぶつかった衝撃で大きな亀裂が入り鋼鉄が粉々に砕ける。
(な、何で……!?)
ダメージを受けたとはいえ、第1級冒険者であるティオナに取っては問題なく戦闘を続行できる。しかし何も無かった筈の鋼鉄が出現したのか理解できず、困惑していた。
「そう落胆する事はありませんよ。貴方の選択はまさに最適解。しかしそれは普通の術師を相手にする場合の話ですがね」
クロームと同じく三叉槍を持ち、紺色の髪に、左目は青色、右目は赤色で漢数字の六が浮かび上がっている青年が現れた。この男こそ六道骸の本来の姿である。
(この声⋯⋯!?)
目の前にいるのが先程のムクロウと同じ声がしている事にティオネは動揺を隠せずにいた。
「君が激突したのは紛れもない現実。この鋼鉄と僕はクロームの幻術によって創造された実体のある幻覚。言わば有幻覚」
「っ!?」
骸が有幻覚について説明すると砕けた鋼鉄の破片が霧散。ただでさえ高度な幻覚を創造できるだけでも普通ではないというのに、ゼロから物質を創造できるという事実にティオナは衝撃を隠せないでいた。
霧の炎の特徴は構築。理論上は実体のある幻術を作る事は可能であるが、それができる術師はそうはいない。
超がつく程の1流の術師であり、ボンゴレギアを持つクロームだからこそできる技術である。そこにさらに世界最高クラスの頭脳を持つ天才科学者にして、
とはいえ有幻覚にも弱点はある。有幻覚によって人を創造しても、実在する存在の性能を超えることはできない。
「講釈はこれくらいにしましょうか」
すると骸の右目の数字から六から一に変化。地面を突き破り、大量の幻覚の
(強い……!!)
先程の蛇の拘束とは比べものにならない力で締め付けれ、ティオナは苦汁の表情を浮かべる。
「どうしました? ノロノロとしてるとグサリ⋯⋯ですよ?」
三叉槍を構えながら身動きの取れないティオナにゆっくりと近付いて行く。
「このぉおおおおおおお!!」
力を引き出し、無理やり蓮の花の拘束から脱却。そしてティオナは
「そちらがそう来るのでしたら僕も」
骸の右目が一から四に変化し右目にオーラが灯る。そして三叉槍と
第四の道、修羅道。格闘能力を強化するスキルである。
「おや? 純粋な格闘戦では決着はつけられないようですね」
骸は術師でありながら近接戦闘もこなせる。並大抵の者では骸には敵わない。パワーはティオネの方が圧倒的に上であるが、それを差し引いても骸の戦闘技術はティオネにも劣っていなかった。
「ですが僕に気を取られてばかりでは勝てませんよ」
すると後方のクロームが再び周囲に火柱が展開し、再び灼熱地獄を作り出す。骸はその場から引くと、幻覚で己の分身を創造。そして火柱を隠れ蓑にしながら移動始める。
(どれが本物!?)
火柱を隠れ蓑として利用し、移動する骸を目で追うもティオネはどれが本体か分からず、ティオネは困惑する事しかできないでいた。
先程の鋼鉄に激突したせいで、視覚を遮断して戦う戦法は使えなくなった。相手が実体のある幻覚を作れる以上、視覚を封じてしまえば向こうの思う壺でしかないからである。
有幻覚であればダメージを負ってスキルを発動する事はできるが、スキルを発動させても本体がどれなのか分からな以上、発動しても意味がない。
ティオネが困惑している間にも骸は分身と共に真正面から攻めに転じ、ティオネは迎撃体勢を取る。
(こうなったら⋯⋯)
幻覚が見破れないのであれば、ティオネは敢えて骸の攻撃を敢えて喰らう事と引き換えに一矢報いようと考えた。肉を切らして骨を断つ。幻覚が見破れないティオネが取れる唯一の手段であった。
「っ!?」
だがティオネの両目に異物が混入し、ティオネは視界を奪われる。
「恥じる事はありませんよ。その昔、沢田綱吉も引っかった手だ」
しかし骸は幻覚の中に実物の石片を紛れ込ませ、石片の存在を悟られないようにする事でティオネの視界を奪った。そしてその一瞬の隙を突き,本物の骸が三叉槍でティオネの全身を斬り裂いた。
「くっ!!」
視界は塞がれたままだったが、致命傷ではなかった為、ティオネは即座に
視界が光を取り戻すと、ティオネは自信の斜め上から、三叉槍を振り下ろそうとしている、骸の姿を視界に捉えた。ティオネは
(これは幻覚じゃない!!)
もしこれが幻覚だった場合、幻覚に惑わされた隙を見せ、攻めて来るであろう骸を返り討ちにする算段だった。
「ごめんね」
すると目の前にいた骸が謝ると、骸の体が炎に包まれクロームが姿を現した。
(しまっ⋯⋯っ!?)
目の前にいたのが骸ではなく、骸に化けたクロームだったと気づいたが、時すでに遅く背後から鈍い音が響き渡った。
「言った筈ですよ。僕に気を取られてばかりでは勝てないと」
ティオネの背後からには三叉槍にて背後からティオネの急所を貫いている骸の姿があった。
(意識が⋯⋯)
急所を貫かれ、ティオネの体は前方にゆっくりと傾く。そしてそのままティオネの体は動かなくなる。
するとティオネを貫いていた三叉槍と傷が霧散していく。ティオネの体は三叉槍と貫かれたと錯覚し、意識を失ったのである。
「クフフフ。幻覚⋯⋯有幻覚。幻覚に潜む有幻覚⋯⋯有幻覚から生まれる幻覚。真実の中に潜む嘘⋯⋯嘘の中に潜む真実。これが霧」
霧の守護者の使命。無いものを在るものとし、在るものを無いものとする事で敵を惑わし、【ファミリー】の実態をつかませないまやかしの幻影。骸とクロームは見事に使命を体現した。
「堕ちろ。そして巡れ」
なんか書くのが難しいかったです。というか僕の頭の方が混乱してしまいました。
次回はツナとティオネの戦い⋯⋯といきたいんですが炎真サイドの話をやります。
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