終わりなき物語など存在しない。いつかは来るものです。

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最期が告げられた評決の日

「ふーんふーんふーん、ふんふーん」

 

「はぁ、ファットマン…」

 

「真面目に仕事をしろってか?マギー、俺の返事は決まってるぞ」

 

「いつ運び屋を辞めるか、それしか考えてないって?」

 

「ああ、雨は中々止まないもんだ…」

 

「…」

 

太ったコウノトリのエンブレムが刻まれた大型ヘリを操る運び屋、ファットマン。そして相方のオペレーター、マギー。軽口を叩き会う彼らはその勤務態度とは裏腹に実績はかなりのもの。何せ彼らに運ばれる傭兵の帰還率はトップだ。

 

「さて、任務完了だ。お疲れさん」

 

「お帰りなさい。さぁ、帰還しましょう」

 

今日も無事に帰ってくる。だがその時は突然やって来た。

 

「なぁ、マギー」

 

「どうしたのファットマン、柄でもない声で」

 

普段はふてぶてしい口調のファットマンが珍しく真面目な口調で喋る。

 

「明日の天気知ってるか?」

 

「明日の天気?いつもの通りよ。鉄の雨、時々晴れ」

 

「そうか…マギー」

 

「?」

 

「俺、運び屋辞めるわ。今日付けで」

 

「はぁ!?」

 

今までもファットマンが運び屋を辞める宣言は数多あった。だがどれもこれも口先だけで半ば冗談であったが今回ばかりは違う。ファットマンはくだらないことこそ言うが嘘はつかない男だ。それが重要なことならばなおのこと。

 

「何考えてるのファットマン!」

 

「なぁ、マギー。俺らが運び屋やってどれくらいになる?」

 

「え…ざっと10年ちょいってところかしら?」

 

「ちょうどキリ良く10年だ。俺も、このヘリもそれだけ年を取ったってことだ。最近あちこちガタが来てしょうがない。このまま消えちまうのも悪くない。そう思わないか?それに今日は…晴れだ」

 

「有終の美ってやつ?でも今日の天気は…」

 

「晴れさ、俺が言うんだから間違いない。好きなように生きて、好きなように死ぬ。誰の為でもなく。それが俺らのやり方だったろ?辞めたいときが辞め時さ」

 

「あんたがそこまで言うならあたしから言うことは何もない。じゃあね、ファットマン」

 

「ハッハッハ、淡白だなぁマギー」

 

「パイロットのあんたとオペレーターの私。それが無くなればこんなもんよ。さっさと消えなさい。ファットマン」

 

「そうさせてもらうさ。長い間世話になったな、マギー」

 

「…」

 

「ああ、そうだ。最後に一つ」

 

「…?」

 

「なぁ、このろくでもない世界はどうだった?」

 

「…」

 

「じゃあな、マギー」

 

エンブレムと同じく、小太りのおっさんが返事を待たずに基地を後にする。十分に稼いでいる彼はこれから隠居するのかはたまた新たな仕事を探すのか。それこそ彼の掲げる好きなように生きて好きなように死ぬのだろう、彼の行く先は彼さえも知らない。そんなおっさんを見送ったマギーは呟く。

 

「ええ、本当にろくでもない世界だったわ、ファットマン。でもそんな世界が…」

 

「私の、私たちの魂の場所よ…」

 




私がACを知ったときにはPS3は生産終了していました。それでも、あの硝煙に満ちた世界への憧れが消えたことはありません。ルビコンでこれからもやっていきましょう。

世に平穏のあらんことを

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