もしも人工的に先天的な天才を創り出す施設があったら?
そしてその施設の名前がブラックルームであり、施設最高傑作が山内春樹だったら?
そんな一発ネタ短編

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第1話

ブラックルーム

それは遺伝子操作によって人工的に史上最高の天才を生み出すため作られた実験施設。

山内春樹はその施設の実験体の一人として生まれた。

 

彼はありとあらゆる才能が優れていた(頭脳、身体能力、観察力……etc)。

実験体たちのテストで全ての数値でぶっちぎりの1位を記録し続け、それはブラックルームという倫理的にも法律的にも完全アウトな施設が潰れるその日まで、変わることはなかった。

 

そして、ブラックルームを潰したのはどんな権力者でもない、戸籍のない一人の実験体( 少年)──山内春樹。

彼の生まれ持ったありとあらゆる才能を使えば造作もなかった。

 

なぜ、ブラックルームを潰したかといえば、自由というものを経験してみたかったから。

 

(さーて、自由になったはいいけど、なにをしようかな〜)

 

誰も立ち入らないような深い岩山の麓。

崖の上から、爆発して燃え上がり続ける研究施設(実家)を見下ろしながら少年は考え、なにをするか決めた。

 

「そうだ、学校行ってみるか。青春ってやつを経験してみたい! よし、決まり!」

 

それからその史上最高の天才児は持ち前の頭脳をフル活用して、自らの戸籍を作り、適当に学校を選んで入学した。

齢12歳の出来事であった。

 

それから3年が経ち。

 

山内は、東京都高度育成学校へと進学。

配属クラスはDクラス。

ちなみに受験はホワイトルームの最高傑作とは違って実力は隠さなかったし、なんから実力を隠さないでずっと生きて来たわけだが……何故かD。

 

その理由は入学式の後の、クラスでの自己紹介で誰もが理解することになる。

 

「俺は山内春樹、全てにおいてめっちゃ天才だから……茶柱先生含めて女子はみんな俺に惚れてもいいぜ☆ 何時でも俺の部屋に来てくれて構わねぇからな☆ あ、男共に興味はないから、話しかけんな。てなわけで、クラスの女子のみんなよろしく〜!」

 

そう、ブラックルーム最高傑作の山内春樹くんは能力が高いだけの、クソ野郎だった。

女を贔屓し、男をぞんざいに扱い、問題行動ばかり起こす問題児。

中学時代は学校に居る女子(教員含む)に無理やり(されど天才だから証拠を残さず)手を出して……男(教員含む)たちを敵に回し、全てを返り討ちにした。

 

山内春樹という人物をよく知る人間は、みんな口を揃えてこういう。

 

最低の天才、と。

 

そんな最低な人工的に作られた先天的な天才と、人工的に作られた後天的な天才綾小路清隆が同じクラスになった時点で既にDクラスはAクラスよりも圧倒的なアドバンテージを持っていた。


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