νシン・アスカは伊達じゃない! 作:DestinyImpulse
ガンダムSEED FREEDOM ZEROの新情報を見て速攻で書きました。
いゃ〜シンが主人公と言う事でワクワクが止まりません。
コレでサプライズでデスティニーインパルス辺りが出てきてほしいですね。FREEDOMで登場予定だったとも聞きますし、ZEROでボロボロになってFREEDOMで出せなかったとか辻褄合わせなら幾らでもできますし、プラモ展開とかもしやすいですし。
小さな無人島で邂逅したアスランとカガリ。
一触即発だった二人だったが突然のスコールと満ち潮に晒され逃げるように無人島の内陸へと足を進めて、程度のいい洞窟で一夜を過ごすことになった。
「わ、私を縛っておかなくていいのかよ!隙を見てお前の銃を奪えば、形勢は逆転だぞ!?」
「はぁ?」
先程までアスランに縛られて、脅威にならないと判断され解放されたカガリが勇ましく言うが、今の彼女は今満ち潮で海水まみれ、ダメ出しと言わんばかりにスコールにも見舞われて身につけている衣服がダメになっていた。
なんとかガスバーナーで服を乾かしてはいるが、彼女は今、色気のない下着姿の上にサバイバルキットの毛布を被っているだけだ。
「そうなったらお前、バカみたいだからな!」
故にそう言われても、あまり迫力はない。むしろ滑稽すぎて、気がついたらアスランは笑っていた。
「なんで笑うんだよ!」
「いや、懲りない奴だと思ってね」
そう言うアスランだったが次の瞬間には気まずそうに顔を逸らす。
「…銃を奪おうとするなら、殺すしかなくなる。だからよせよ?そんなことは…ヘリオポリスでもここでも、せっかく助かった命だろ?」
「…ザフトに命の心配をしてもらうとは思わなかったな」
強がって、カガリは言い放った。
沈黙が二人の間に落ちる。たき火の中で、なにかがパチッと弾けた。
「ヘリオポリスは…俺達だって、あんなことになるとは思ってなかったさ」
「え?」
弾けた音に続いて小さく吐き捨てたアスランの表情はとても悲しげだった。アスランはまるで自分に言い聞かせるように言葉を紡ぐ。
「モルゲンレーテが開発した地球軍のモビルスーツ。それだけ奪えればよかったはずだった…なのに、地球軍が抵抗をするから」
「どう言おうがコロニーを攻撃して壊したのは事実だろうが…」
「中立だと言っておきながら、オーブがヘリオポリスであんなものを造っていたのも事実だ」
そもそも、オーブは自国が保有するモルゲンレーテの高い技術力で中立を貫いていたと言うのに、ここにきて地球軍に手を貸すとなると、パワーバランスが一気に傾くのは目に見えていた。
そこから先にあるのは、オーブを危険視して排除しようとするザフトと、更なる技術を要求する地球軍との板挟みになることくらい、たやすく想像できただろうに。
そう言われると言い返すことができず、カガリはぐっとつまる。
「俺たちはプラントを守るために戦ってるんだ。あんなモノを見逃すわけにはいかない」
「そ、それは地球だって同じだ!私たちだって、お前達が攻めてきて地球をメチャクチャにするから…!」
カガリは必死に反論した。相手の言葉を認めるわけにはいかない。なんとなく、それでは共に戦って、死んでいった砂漠の仲間達に申し訳が立たないような気がした。
「俺の母はユニウスセブンに居た」
しかしアスランはポツリと呟くように言った言葉にカガリは固まった。
「本当にただの農業プラントだった。避難勧告すら無く、何の罪もない人達が一瞬のうちに死んだんだぞ。大人も子供も……無差別に」
母の死を聞いて、ユニウスセブンの惨状を見てアスランが思った事はシンプル……【何故?】だ。
何故、母が死ななければならなかったのか、誰がやった、誰に責任を取らせればいい?
そうして、気がついたら自分は憎しみに突き動かされて、ザフトでパイロットをやっている。
そんな傷みに満ちたアスランの独白にカガリは自分もと良い放つ。
「私の友達だって沢山死んだよ。数え切れないほど多くの人が死んでる。地球とプラントの戦争でな…!」
そうしてお互いに睨み合っていたが…ふいにアスランは疲れたように息をつく。
「………よそう。ここでお前とそんな話をしても仕方がない」
「あ!お、おい!敵の前で寝ちゃう気かよ!」
思わず横になったアスランに、カガリは驚いたように声を上げたが、それに力強く返す気力はアスラン残っていなかった。
「え?あ…いや…まさか…けど、地球に降下して…すぐ…移動で…ぜんぜん…」
そのままアスランの意識は微睡に落ちていく。そんなアスランの無防備な寝顔を見下ろし、カガリはため息をついた。
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捜索開始から二時間後。
何の手がかりも得られなかった俺達は、一度アークエンジェルへ帰投する流れとなった
「カガリ、大丈夫かな……」
整備を受けるストライクをキラ先輩が天井を見上げたまま呟く。
「………心配ですけど、戦闘機の残骸は見つかってないですし、まだ望みはありますよ」
「そうだぜ、お二人さん。希望を捨てるもんじゃない」
「…おっさん」
「おっさんじゃない!」
そんな俺達の元にムウのおっさんが近づいてくる。おっさんの方もスカイグラスパーで探してくれたみたいだが今の所は手掛かり無しだ。
「あと5時間もすれば、日も昇る。そうすりゃまた捜索に出られるからな」
そう語りつつもおっさんの表情はどこか暗かった。
「俺もたいがい、情けねぇよ」
カガリさんに退けと言ったのはおっさんらしい。
そんな彼女が行方不明になった原因には自分がカガリをフォローできなかったことにあると、おっさんもまたパイロットとしての責任を感じていた。
「………………」
こう言う時こそ原作知識が欲しくなるな…
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「……敵放っておいて寝るなよなー」
眠っている顔からは張りつめたものが消え、あどけなくさえ見える。カガリの日はしばし少年の寝顔に留まっていたが、無意識に腰のホルスターへと移り固まる。
「ッ…!」
次の瞬間、はっと目をそらした。
まるで悪いことをしている所を見つかった子供の様に、こそこそとたき火の向こう側に移動し、どおり腰を下ろす。
変な奴と、カガリも思う。ナイフを振りかざしたところまでは機械のように正確で容赦なかった。それなのに、カガリの悲鳴を聞いて殺すのを思いとどまったのみならず、拘束をといて自由にさせている。たしかに、地球軍でもない彼女には捕虜としての価値も権利もないのだが、一度は自分を殺そうとしていた相手を、いったい何でで放っておくんだろう?
無論、カガリには眠っている相手を手にかけるなんて卑怯な真似はできない。………いや、もし起きていたとしても、もうこの兵士を殺すなんてできないような気がする。
もしかして、相手も同じ気持ちなのだろうか。警戒心もなく眠ってしまったのは、カガリを侮っているのではなく、信用しているからなのだろうか?でもしカガリは、まるで恐れるように、外に視線を向けた。月の光を浴びた、イージスの巨大な姿が、否応なしに目に入る。
そして脳裏を過るのは崩壊するヘリオポリスに燃え盛る砂漠の街、バクゥにムシケラの様に潰された命達…
「…………」
カガリは毛布をかぶったまま立ち上がった。アスランは、彼女の接近にも気づかず眠りつづけている。
目を覚ましてくれ…!
彼女の心の半分は、アスランが気配に気づいて目を開けることを望んでいた。目を開けろ……そしたら、自分は誤魔化して笑い、元の場所に戻ることができる……何事もなかったように、さっきの不思議と心地よい時間に帰れる。
しかしアスランは眠り続け彼女はそのかたわらにそっと膝をつき、ゆっくり手を伸ばす。
『銃を奪おうとするなら、殺すしかなくなる…』
辛そうに言ったアスランの言葉が、耳に蘇り、彼女の手を躊躇わせる。その時、菊が火の中でパチッと大きな音を立てて弾けた。彼女はギクッと身をすくませ、そして、アスランの日が開いた。
「ッ!?」
カガリは咄嗟に銃をつかみ、相手に毛布を投げかけて飛びのいていた。
「おまえっ……!」
アスランは声を荒げ、頭から被さっていた毛布を跳ね除けると銃を手にしたカガリを睨み据える。その手がナイフの刃をパチンと出した。
「ごめんっ!」
カガリは震える手で銃を握りしめ、泣きそうな顔で叫ぶ。
「おまえを撃つ気はない!でも…あれはまた地球を攻撃するんだろ!?造ったオーブが悪いってことは分かってる!でもあれは!あのモビルスーツは地球の人達を沢山殺すんだろ!?」
「……なら撃てよ。その引き金を引いているのは俺だ、俺はザフトのパイロットだ。機体に手を掛けさせるわけにはいかない。どうしてもやると言うのなら……俺はお前を殺す」
そんなカガリを見つめていたアスランもまた静かに言う。その顔には先程まであった動揺は欠片も無かった。
カガリはそんなアスランを愕然と見つめた。冷たい汗が握ったグリップを滑らせる。殺す……そんなつもりで、彼女は銃を奪った訳ではない。ただ、相手の優位に立ち、あの機体を破壊する力を得ようとした。それだけのことなのに…。
だが、それだけで済む事ではないのだ。引き金を引いているのはこの男。例えモビルスーツを壊しても、彼が戦いを止める訳ではない。
殺さなくてはならないのか?自分は守りたいだけ…彼が殺そうとしている者を助けたいだけなのに……。だが、それは相手も同じだ。彼も同胞を殺させない為に戦っている。どちらも想いは同じなのに…!
銃を握る手にぐっと力がこもった。が、次の瞬間、カガリはそれを力一杯投げ捨てていた。
「くっそオオ!」
「なぁ!?」
アスランが驚いて目を見開いたあと、此方に飛びかかってくる。次の瞬間には凄まじい反響がカガリの鼓膜を打ち、彼女はアスランに押し倒されていた。
彼女の投げ捨てた銃が暴発したのだ、覆い被さったアスランの怒鳴り声が響く。
「馬鹿!オープンボルトの銃を投げるヤツがあるかッ!」
「ご、ごめん……」
その勢いに、カガリは呆然としたまま呟く。アスランはヤレヤレといった顔で身を起こし、もう一度彼女を睨んだ。
「ったく…どーゆーヤツなんだよ、お前は…!」
「いや……だから、その…」
カガリはもぞもぞと口の中で呟く。
銃が暴発する危険性など、さっきは丸切り頭から飛んでいた。銃器類の抜いを仕込んでくれたキサカが聞いたら泣くだろう。
それにしても!と、カガリは今さらのように思いついて、兵士を見やる。彼はもしかして、自分を庇ってくれたんだろうか…そこで、彼女は兵士のパイロットスーツの脇が裂け、そこから血が滲み出ているのに気づいた。
「それっ…今ので…!?」
彼女が声を上げると、兵士はちらりと傷に目をやる。
「ああ、大した事ない。気にしなくて良い」
「手当てしなきゃ!わ、私がやってやる!」
アスランはカガリから視線を逸らす様にして立ち上がり、非常用パックに手を伸ばす。それを見たカガリは後を追い、ひったくる様にパックを取った。それにアスランは不審そうな顔で、パックのストラップを引く。
「……自分でできる」
「いいからやらせろよ!このまんまじゃ私、借りの作りっぱなしじゃないか!少しは返させろ!」
そう言って振り払おうとするアスランの手を掴んだカガリが真っ直ぐとした目で見つめてくる。アスランはわずかに視線を彷徨わせてからふいっと横へ顔をずらした。
「その前に…服着てくれないか…」
溢れるように顔を真っ赤にしていうアスラン。カガリはそこで自分の格好を改めて思い出した。毛布すら脱いで、今の自分は下着姿でしかない。かぁっと顔が赤くなるのを感じて、カガリはすごすごとアスランの手を離して、さらに距離も離した。
「みっ、見るな!」
「だ、だから見てない。もう、乾いてると思うぞ」
アスランはそっぽを向いたまま、うわずった声で言う。
彼が言ったとおり、たき火のまわりに干されたカガリの服は、殆ど乾いていた。カガリは慌ててそれらを身につけながら、ちらちらと兵士の方を見やった。
変な奴、殺すと言った相手をかばって怪我をして、生まれつきの殺し屋みたいに冷静だったくせに、女の子の下着姿くらいでおろおろしている。
もしそんな彼を前に、カガリはどうしても引き金を引けなかった。
このとき彼女もまた、はじめて生身の等身大の【敵】を目のあたりにしたのだった。
そして時は流れ朝方、鳥のさえずりがアスランの耳を届く。やけに規則正しく鳴く鳥だ…と、アスランは微睡みの中思い、ハッと目覚める。鳥の声ではない、これは電子音だ。
たき火はすっかり燃えつきていた。その傍らでまだ眠る少女の前を駆け抜け、アスランは“イージス"のコッピットへ飛び込む。電子音は電波を拾った通信機の立てる音だった。彼は無線のスイッチを入れる。
〈ス………アスラン……聞こえ……応答……〉
酷いノイズに混じって、馴染みのある声が飛び込んできた。
「ニコルか!?」
アスランが無線に向かって叫ぶと、ニコルの声がすぐさま返ってくる。
〈アスラン!よかった、今、電波から位置を〉
「どうした?」
少女の声に、アスランは外へ目をやる。少女も目覚め、目をこすりながらイージスの足元に立ち、コックピットを見上げていた。
「無線が回復した!」
「え!?」
アスランは叫び返し、直後に鳴り出した別のアラートに気を取られる。沖に投下したソノブイが、海中を接近するなにかを捉えていた。アスランはそれを確認したあと、カガリの元に降りる。
「こっちは救援が来る。他にも、海から何か来るぞ。お前の機体がある方角だ。俺はこいつを隠さなきゃならない。出来れば、こんな所で戦闘になりたくないからな」
「私も機体の所へ戻るよ。どっか隠れて様子を見る」
「……そうか」
まるで二人とも、夢から覚めたようだった。出会うはずもなかった少年と少女は、同じ火を囲んで同じ時を過ごした。そして、朝になれば自分が属していた元の世界へ戻っていくのだ。
まるでシンデレラだ。
…と、少女の背中を見送りながらアスランは考え、らしくもない発想に笑い出しそうになった。それに、あの少女はおよそ、おとぎ話の姫君には似つかわしくない。乱暴でがさつで、怒ったり泣いたりと忙しくて、自分がどう見えるかなんてまったく考えもしない。
アスランは不意に、名残惜しい様な気分になり、去っていく少女の後ろ姿に声をかけた。
「お前!地球軍じゃないんだな?」
「違うー!」
アスランの問いかけに、彼女は声を張り上げて応じる。子供っぽい返事に、アスランはふっと笑いかけ、その笑みを途中で凍らせる。
……軍人でもないくせに…!
アスランの脳裏を幼なじみの顔が一瞬よぎる。そのとき、向こうから少女の声が飛んできた。
「カガリだ!おまえは!?」
驚いて顔を上げると、少女はまだ先程の場所に立って、アスランを見ていた。
カガリ……それが彼女の名。あんなに長い時間いっしょにいたのに、名乗りあう事さえしていなかった。
「…アスラン!」
アスランが答えるとカガリは頷き、くるりとあちらを向いて走り出した。
「カガリか…」
忘れない様に、アスランは心の中で、もう一度その名を繰り返した。
二人はまだ知らない。
これがお互いの未来を大きく左右する、運命の出会いであったという事を…
今後の大まかな展開は一応あるのですが、細かい所の調整が難航しており、投稿は今後とも遅くなります事をお詫びします。