成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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百九話 ジェットコースターって意外と怖くないな

 

 「二人とも、そろそろ移動したいんだけど……何見てるの?」

 「「これ」」

 「これ?」

 

 クロコと一緒にプレナパテスがやって来て、サカバンバスピスを指差す。

 

 「(◉▼◉)」

 「……ん、ホシノ先輩が好きそう」

 「呼んだ〜?」

 「いや、ホシノ好きそうだなって話してた」

 

 ベタと触れ合っていたホシノは声が聞こえたのかしてやって来てサカバンバスピスと同じくらいの目線に立った。

 

 「(◉▼◉)」

 「…このお魚飼っていい?」

 「……え、そんなに欲しい?」

 「欲しい」

 

 即答かよ。俺この魚どこに居るのか知らないんだけど。

 

 「こちらの魚を購入されるのでしたらリジーパーク出口付近のペットショップで購入出来ますので…キープしておきましょうか?」

 「良いのか?」

 「はい!園内で遊んでから購入したいと言うお客様が多いのでキープ出来るようにしています」

 「じゃあ、よろしく頼む」

 

 他の客もやってるなら別に良いか。俺が社長だからって変に気を遣われてる訳じゃないよな?……そうだと思いたい!ってか他にも居たのかあの魚。

 

 「では購入される方のお名前をこちらに記入してください」

 「は〜い……これで良し…うへへ〜」

 「そう言えばこの魚って何食べるの?」

 「あぁ、金魚の餌とか食べるぞ…て言うか食べてた」

 

 餌を近くに置いたら少しずつ吸い込まれていったから多分食べれるんだろ。

 

 「じゃあアトラクションに乗るか…何に乗る?」

 「はい!私はジェットコースターが良いです!優秀なAIなのであのくらいのスピードへっちゃらです!」

 「優秀なAIかどうかは関係ないと思うけど…私も賛成!」

 

 コンとミカはジェットコースターか。

 

 「アルちゃんももちろん乗るよね?」

 「え!?…えぇ、も、もちろん乗るわよ?アウトローたるものジェットコースターなんかに怖がる筈ないでしょう?」

 「流石です!アル様!アル様が乗るなら私も乗らせて頂きます!」

 「ふふ……」

 

 (ど、どうすれば良いの!?私ジェットコースターなんて生まれて初めて乗るわよ!?噂ではかなり怖いって聞くけど、い、いえ、落ち着くのよ私、噂はあくまで噂、もしかしたらそこまで怖くないかも知れないじゃない?)

 

 大丈夫か?なんとなく心に中で白目を剥いてるような感じがするけど。

 

 「……まぁ、行くか」

 

 乗る人と乗らない人で別れて、乗らない組みは近くで待ってもらう事になった。

 

 「VIPの方はこちらで〜す」

 「“ほとんど人が並んでない…これがVIP“」

 

 案内された場所で先生が思わずそう呟く程に人が並んでいなかった。

 

 「一応パンフレットは見たんだけど…これってどう言うジェットコースターなの?」

 「これは「ビナーコースター」と言ってアビドス砂漠ならではのジェットコースターになっている。なんと、このジェットコースター…走る場所は砂の中なんだ」

 「「「砂の中!?」」」

 「もちろん砂で埋もれないように色々としてるから安心設計だ」

 

 予言者であるビナーをモチーフにしたビナー型の乗り物で、砂の中を爆走する。それがこのジェットコースターの売り。

 

 「貴重品などはこちらでお預かりします!」

 「こうしてみんなで乗るってなると、なんだかワクワクするね!」

 「そう言うこった!」

 「……ふむ、私は貴重品扱いですか」

 

 まぁ、流石にゴルコンダは頭だけとなると安全バーを持てないし…なのでジェットコースターの類は諦めてくれ。

 

 「それではご乗車の皆さん!安全バーにしっかり掴まってくださいね!」

 

 俺の隣にはリオ、前にアルとハルカ、後ろにプレナパテス、クロコと言う感じで座っていた。

 

 「私はこう言うの乗るのは初めてだから、少し楽しみかも」

 「…私も、いつもは自転車で砂漠走ってただけだから」

 「お〜二人とも初めてなのか。実は俺も」

 「ここの設立者なのに!?」

 

 プレナパテス、ここを建てた事イコール乗った事あると言うわけではないんだぞ。

 

 乗り物が上まで登り、穴の方に向きを変える。

 

 「ふふ……この程度なら全く怖くないわね」

 「アル、これはまだスピードすら出してないぞ?本番はここからだ」

 

 後ろ姿しか見えてないが、アルが少し震えているように見えた。

 

 乗り物が勢い良く発進し蛇が蛇行するようにグネングネンと猛スピードで曲がり砂のトンネルに入っていく。

 

 「キャアアアアアアアアアア!?!?」

 「あ、アル様は全力で楽しんでいるんですね!私も楽しいです!」

 「お〜こりゃスリルがあるな」

 「砂のトンネルと言うのも新鮮ね」

 

 怖いかと思ったが、スタントマンも真っ青なレベルのアクションを今までやって来たからかそこまで怖くないな。リオも別に怖がっていなさそうだし。

 

 「わぁああああ!?」

 「…風が心地良い」

 

 上下したり2回転したりグルグルと回ったりと…いや回転多いな!?

 

 「少し目が回ってきたわ…」

 「これだけ回転してればそうだろ。後少しだから我慢してくれ、リオ」

 「えぇ」

 

 周りが絶叫している中、俺とリオは酔い対策に目を閉じていた。これ設計したの誰だ……俺か。

 

 数分後に元の場所に戻って来て、目を輝かせて降りてきたクロコやシロコを除いて大体はフラつくか口を押さえたりしていた…いや、便利屋はなんとも無さそうだな。ミカも。

 

 「お前ら強いな。あれ結構酔いやすかっただろ?」

 「そう?私は楽しかったけど!」

 「なら良かった。あ、撮影ポイントで撮れた写真が貰えるがどうする?」

 「貰っとく!」

 

 全員で写真を貰って見てみると、腕を組んで居る俺と目を閉じてるリオ白目を剥いて絶叫しているアル、口をもにょもにょとさせているハルカと同じように叫んでるプレナパテス、いつもと変わらない表情のクロコ、そしてダブルピースでカメラ目線のバルバラが写っていた。

 

 「ん〜私はどこかな?あ、あったあった!」

 「バルバラはカメラがある所を分かってたのか?狙ったようにピースサインするじゃん」

 「叫んでるのが私だけじゃなくてちょっと安心」

 「…ふ、ふふ、ぜ、全然怖くなかったわよ?」

 

 いや絶叫してたじゃないか。

 

 −−−そう思ってもアルの為にも口には出さないでおいた

 

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