「このホットドック美味しいです!…もぐもぐ」
「ほんと、びっくりするくらい美味しい」
「料理には特に気を遣ってるからな。客の胃袋を掴んでリピーターを増やそうと言う事だ」
自治区にそこそこ人通りが戻って来ているけど、それでもまだまだ土地は有り余ってる。ここで一気に人を呼び込まないとな。
「あら?あの人集りは何かしら?」
「…あぁ、あれはそろそろマスコットたちがここを通る時間だからだろ」
「どんなマスコットなの?」
「えぇっと、確か一人はタイガーシャークの「フレッシュくん」で…」
ちなみにマスコットの名前とかは部下が付けた。しょうがないな、俺ネーミングセンスないし。
そう心の中で言い訳をしているとフレッシュくんの後ろから三匹の動物っぽいマスコットが出て来た。
「「シロ」と「クロ」と「ゴズ」だ」
「“みんなミメシスだよね!?なんで採用したの!?“」
「マスコットを決める会議の時に熱烈なアピール(物理)を受けてな」
「…いま変な副声音が付かなかった?」
気のせいだろ。決して会議中に猛獣が如き視線に怖気付いて採用したわけではない。
「ところでなんでフレッシュくんって名前なの?」
「あいつは飲料を販売する移動販売機でもあるからだ」
「あ、じゃあ彼も機械なんだ?」
キヴォトスの外と同じように着ぐるみにしようかと思ったんだが、あれ夏場が地獄だろ。だからオートマタにしたんだよ。中の人が可哀想だから。
「それにしてもあいつらどうやって俺が遊園地を建ててた事に気付いたんだ?あいつらって元々閉園した遊園地に住んでたろ」
「ふむ、恐らくはこの場に渦巻いている歓喜の感情に引き寄せられて来たのだろう。あれらは喜びが動力源であるが故に」
「それで何かしらの方法で俺の居場所を特定して突撃…じゃなくてアピールをしに来たと」
生徒組みはもっと近くで見るために近づいて行って大人組はそこからちょっと離れたベンチで雑談していた。
「それにしても以外だな。ベアトリーチェもスズカと一緒に行くと思ったんだが」
「流石にあの人混みだと押し流されますよ…っは!?まさかスズカを狙ってあの中で痴漢をしようなんて輩が!」
「落ち着け!?あっちには便利屋もアビドス復興委員も居るし最強のセコム、バルバラが居るんだぞ。むしろあの布陣をどう突破するんだよ一般人が」
人混みに傘をバットのように構えて突撃しようとするベアトリーチェを腕を掴んで止めて、そう説得すると動きがピタリと止まった。
「…それもそうですね。当時の私もバルバラの事だけは良い事しましたね」
「お前自分に対して辛辣過ぎん?」
「あんな天使を虐待してたのですから妥当な評価だと思いますが?」
えぇ…なんかスズカに対する好感度限界突破してないか?お前。
「“話には聞いてたけど…なんて言うかほんとに人が変わったね…本物?“」
「疑いたくなる気持ちも分かるがこいつは本物だぞ。家では基本ジャージだし」
「“え?ジャージとドレスしか持ってないの!?極端過ぎない!?“」
「いや、他にもちゃんと服は持ってるぞ。よく着てるのがその二つってだけで」
俺だって今はあのスーツじゃなくてシャツとジーンズだし。
「服の事を言うならあなたもでしょう?どうしていつもシャツとジーンズばかりなんですか?」
「…俺の体格に合う服が中々見つからなくてなぁ。あるのは傭兵用の軍服と仕事用のスーツ、あとはアロハシャツと新しいボディの方の衣装が少々」
「ちょっと待ちなさい。なぜアロハ?」
そりゃ俺と言ったらアロハシャツだろ。ココナッツジュース片手に持って帽子被ってさ。
「ただいま戻りました!」
「お〜お帰り…何持ってんだ?」
「…ん、この遊園地オリジナルの天然水サイダー」
差し出された物を受け取ってラベルと見るとフレッシュ君がサーフボードに乗ってこのサイダーを片手に持っている絵が描かれていた。うん。確かにこれも作ったわ。
「私クロに魔法で浮かせてもらっちゃった…彼女ふわふわだった」
「セリカ、語彙力」
あの人混みの中でそんな近くまで行けたのか。凄いなお前ら。
「アタシはシロからぬいぐるみもらったぜ!ラッキー!」
「隊長前見た時から欲しいって言ってましたもんね〜」
「ゴズの目の前にバルバラが突然出て来たのもビックリしましたね。さっきまで隣に居たと思ったら居ないんですもん!」
こう言うので良いんだよこう言うので…友達と遊んだり色んな事やったりと普通の青春をしてれば…キヴォトスの危機とかが何度も来るのがおかしいだなからな?
「ふふ…これのお陰でより一層アウトローっぽくなったわね」
「とてもお似合いです!アル様!」
アルの方はアルの方でどっから見つけたのか、口元だけを覆うカラスのマスクを着けてドヤ顔していた。
「じゃあ合流したし次の場所に行くか!」
「「「はーい!」」
本当なら別行動でも良い気がするんだけど。なんか遠足みたいな感じになってるよな〜。
「…社長、あれなんです?」
「どれ?」
「あれ」
エンジニア君が怪訝そうな顔をして「ケテルアドベンチャー」と大きく書かれた場所を指差す。
「え、何あれ知らん。こわ」
あんなの造った覚えないんだが。
怪しいと思ってこのアトラクションを担当している職員の場所まで行くとなんと予想外なやつが担当していた。
「イラッシャーイ!楽しい楽しいアトラクション!ケテルアドベンチャーだヨ!ここではなんト、キヴォトスの英雄である先生と海崎リジーが戦ったケテルと戦うことが出来るネ!う〜ん!お得!」
「ボンゴ!?」
カイザーPMCの事件以来出会わなかったボンゴが何故か働いていた。
「Oh!久しぶりネ!このアトラクション、やってくかイ?」
「そうじゃなくて…このアトラクションなんだよ。俺知らないぞ」
「hmm?アナタが建てたのでは?」
覚えが無いから聞いてるんだよ。
「……あ」
「…どうした?警備」
「…いえいえいえいえいえ!なんでも無いっすよ!?」
まさか、お前。
「…書類提出し忘れたな?」
「そそそそそんなことないぜ!俺がそんな凡ミスするなんてある訳がない!」
「…はぁ、この際だ。ボンゴ、ここはどんなアトラクションなんだ?」
「それじゃあ中に案内するヨ!団体様ご案内デース!」
建ててしまったものはしょうがない。このアトラクションの事をしっかり把握しとかないと。
「ところで、ボンゴって誰?どこで知り合ったの?」
「あ〜これは前の話になるんだが。子ウサギ公園に行った日に所確幸とか言う組織に先生と誘拐されてな」
「「「「は?」」」」
「うぉ!?どうしたお前ら、ハイライトどこ消えた」
誘拐されたと言った瞬間コンや大人組以外、全員のハイライトが消えた。リオ、お前そんな視線だけで人を殺せそうな顔が出来たんだな。
「そう…そんな事が」
「リオ?顔が怖いぞ」
小声でブツブツと呟かんでくれなんか不穏だぞ。
「で、まぁその時にボンゴ叩いて隠れてたのがこいつだ」
「HAHAHA!この人には世話になったヨ!」
「…あぁ〜だからボンゴ」
そう、こいつの本名知らないし名乗ろうともしないからボンゴ。しかも割とちゃっかりしてる。
「で、オイラがここで働いてる理由だったネ?実はこの間のペロロジラ?に襲われた時に楽器の皮が破れちゃってネ!オイラクレジットっと持ってないから困ってたのサ!ダメ元でここに来たら採用されたってコト!」
「んん?だがボンゴ持ってるじゃないか」
「これは応急処置しただけだからまだ使えないヨ」
あ、本当だ。よく見たら破れたところに布を貼り付けてるだけだ。
「そして説明しよウ!ここはケテルと言う機械と戦う事が出来るアトラクション!この遊園地オリジナルケテルから普通のケテルまで居て、この水鉄砲を使ってポイントを稼いで行くのが目標!時間制限は特にナシ!6人チームで全員がやられるかゴールに辿り着くまで終わらなイ。あ、そうそう、アッチで水着のレンタルもやってるヨ。服が濡れるの嫌な人は借りると良いネ」
遊園地オリジナルのケテルって、それ大丈夫か?預言者にされたりしない?そこの部分ちょっと不安なんだけど
「興味深い技術ね。水鉄砲の筈なのに普通の銃とそんな変わりが無いように見えるなんて」
「リオはどうする?待ってるか?」
「…いえ、私も久しぶりに体を動かしたいから、やるわ」
リオが端末を操作してチーム登録をしていく。
「リジーは私と一緒で良いかしら?」
「あぁ、良いぞ」
「分かったわ。後はトキと…」
横からポンと自分の登録をしたコン、友達と遊ぶんじゃなかったのか?
「家族水入らずの遊び!これも私の憧れです」
「トキは?」
「お姉ちゃん」
お〜う。いつの間にか娘が増えた。
「それなら彼に体を複製された私も彼の息子と言えるんじゃないかな?」
「…じゃあ私はその先生の娘だから姪っ子」
「お前らもかプレナパテス、クロコ」
それならゲマトリアはどうなる。親戚か?
「後一人はもちろんスズカさんです!リジーの娘ならば?と聞かれたらスズカさんはトップ2です!トップ1は私ですよ?この中で一番付き合いが長いので私なので!」
凄い自慢そう、尻尾がめっちゃバタバタしててボンゴが仰け反ってるぞ。やめてやれ。
−−−そもそもプレナパテスは銃を使えるのだろうか?コンの尻尾がボンゴをバタバタと攻撃してる中でそんな事を思っていた