成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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百十二話 俺たちは食べに来たのか?それとも遊びに来たのか?

 

 「…すまん、すっかり忘れてた」

 「いえ、大丈夫よ。出来ればもう少し続けて欲しかったけれど」

 

 それはそれで俺の心臓に悪いから勘弁して欲しい。心臓ないけど。

 

 『ソレデハコチラ次ノメニュー…パンチノ効イタ後味ガ自慢ノ一品デゴザイマス』

 

 料理長が指をパチンと鳴らすと٩( ᐛ )وの顔文字が表示されたパンチンググローブ付きのケテルがテーブルを殴り飛ばしながらやってきた。

 

 「…は?、って危ねぇ!?」

 「( ˊ̱˂˃ˋ̱ )」

 「なんだこいつ」

 

 シールドを構えてパンチを防ぐと顔文字を変えてシールドの横からチラ見せしてきた。

 

 「( ˙-˙ )」

 「え、それどう言う心境…ぐは!?」

 「あのリジーが翻弄されてる!?」

 

 こいつ真顔で左フックかましてきやがった!

 

 「┐(´д`)┌」

 「なんだそのやれやれって、そもそもアトラクション様のエネミーが煽るんじゃねえよ!こんの!」

 「∑(゚Д゚)ファッ!!?」

 「リジー遂にケテルを投げ飛ばすほど馬力が上がったんですか!?」

 

 背負い投げの感覚で持ち上げて叩き付けたら意外と軽かったんだがこいつ。

 

 「コン、こいつ見た目の割に軽いぞ…」

 「うそ!?」

 

 あまりの軽さに驚いているとケテルがバネの様に足を弾ませて拳を振りかぶってくる。

 

 「こいつ明らかにキヴォトスだと不遇なタイプだろなんで近接に全振りしてんだよ」

 「でもなんとなく気持ちは分かるかも…銃弾を躱しながら近づくのって格好いいよね」

 「そもそも銃を使わせてくれないんだがこいつ」

 

 復帰が早過ぎて銃を構えてる暇がない。顔こそふざけているがタイマンなら間違いなく強い部類入るぞ。

 

 「‪ ( 厂˙ω˙ )厂うぇーい‬」

 「…こいつ、もう許さん!!銃が使えないなら!!」

 「リジーがケテルを持ち上げたー!」

 

 シールドをそこら辺に放り投げて全力で顔文字ケテルを持ち上げメトロノームの様に振り回す。

 

 「(((;°Д°;))))ギィィィィィィィィィャャャャャャャャァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 「ふはははははは!よくも散々煽ってくれたなぁ!!」

 「かなり楽しそうにしてますねリオ様」

 「……彼、FPSで煽りプレイヤーに散々やられてたからかしら」

 

 煽りには耐性があると自負してたがあれはない。毎回マッチする毎に屈伸煽りしてきやがって。どことなく黒服っぽい名前のあいつは絶対許さん。

 

 「このまま投げ飛ばしてくれるわ!オラァ!」

 「ヒイィィ(゚ロ゚;三;゚ロ゚)ヒイィィ」

 「あ、逃げるな!!」

 

 投げ飛ばしたのを利用してあのケテルは逃げていった。あいつ絶対預言者だろ。

 

 『コチラ、コンソメスープデゴザイマス』

 「タイミング!後なんで俺だけカップなんだ!?」

 『本日ハオ客様ガ来店スルトハ思ッテオリマセンデシタノデ食器ノ数ガ…』

 「妙に人間味を感じるわね。ここの料理長」

 

 そもそもここレストランだろうが!それなのに食器が無いってなんだ!

 

 『悲シイ事ニ……此処ガアトラクションデアル以上ハ折角徹夜デ並ベタテーブルヤ食器等ガ薙ギ払ワレテシマイ数ガ不足シテシマウノデス…オヨヨ』

 「だったら今みたいにエネミーを倒してから用意すれば良いんじゃないかな?」

 『……ナルホド!ソノヨウナ手ガゴザイマシタカ!』

 「お前ほんとにここの料理長か!?そもそもお前に睡眠は必要ないだろ!」

 

 わざとらしい泣き真似までしてなんなんだこいつ。本当にここのロボットか?

 

 『私ハマダAIガ未熟デスノデ…ホラ、アレデス、巷デ人気ノシンギュラリティト言ウモノデスヨ』

 「シンギュラリティ起こしてるようには見えないな。そう言うのはコンレベルまで賢くなってから言え」

 「当然です!私はとても優秀なAIなので」

 

 そもそも巷で人気ってそれどこ情報だよ。俺そんな話聞いた事ないぞ。

 

 コンソメスープを飲みながらハンカチを持ってオヨヨと泣いているフリをする料理長を呆れを含んだ視線で見る。

 

 『デハ次ノ一品ヲドウゾ、コチラピチピチトシタ活キノ良サガ売リデゴザイマス』

 「早えよ!もう少しゆっくり飲ませろ!」

 

 残り少しといったところで料理長が指をパチンと鳴らすとフレッシュくんがレストランの中にある噴水から波に乗りながらやってきた。

 

 「……ん?」

 「やぁ!俺はフレッシュくん!海の王国で一番のサーファーさ!どうだい?フレッシュくんサイダーでも一本飲んで俺と一緒に良い波に乗らないかい?」

 「いやケテルじゃないだろお前ぇ!!」

 『本日ノポワゾン担当ガ少々不具合ヲ起コシテマシテ本日限定デバイトヲ雇イマシタ』

 

 なんでこんなぐだぐだなんだよ!このレストラン!

 

 「まぁそう言うことさ!だけど俺、オーナーが設計した通りで戦闘できないんだよな。どうしようか?」

 『ソコハ……ジャンケンヤ腕相撲デ良イノデハ?』

 「良いのかそんなんで、ああもう、こんな事なら戦術くらいはAIに組み込んどくだった。そもそもそのヒレでどうやってジャンケンするんだよ!」

 「そこはほら、ジャンケンカード?」

 

 どうしてそんなの持ってるんだよ。用意周到過ぎだろフレッシュくん。

 

 「それじゃあ誰が俺とジャンケンする?俺は誰でも良いぜ!」

 「…ん、私がやる」

 

 俺が色々と改善点が出てきた事で頭を悩ませている間にクロコがジャンケンをする事になっていた。

 

 「オーケー!それじゃあいくぞ?…最初はグー!ジャンケン!」

 「先手必勝」

 「ウボァ!?」

 「それジャンケンじゃないぞ!?」

 

 まさかのクロコ、フレッシュくんを平手打ちで攻撃して転倒させたんだが。え、ジャンケンって何か知ってる?

 

 「このアトラクションはエネミーを倒すことを前提にしている……つまり、いまフレッシュくんを床に“倒した“から私の勝ち」

 『ナント……フレッシュクンハ今倒レタ!確カニルール通リ!』

 「流石にそれは俺も盲点だったぜ…ガク」

 

 なんだこのコント、何がしたいんだこの料理長は。

 

 『コチラ、オレンジ香ル鮭ノムニエルデゴザイマス』

 「だからタイミングぅ!お前なんなの!?しかも今度は俺だけ箸かよ!嫌がらせか!?」

 『悲シイ事ニ……』

 「そのくだりはもういらん!!」

 

 −−−ハンカチ持ちながら泣き真似をしてる料理長を見て、根本的に設計を見直した方が良い様な気がしてきた

 

 

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