成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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百十五話 ホテルで何やってんだよ

 

 「はぁ〜なんとか整理出来た。これでマシになると良いんだが」

 「お疲れ様、お互いに大変だったわね」

 「俺に関してはペンが折れまくって大変だった。やっぱ事務作業はあっちのボディじゃないとダメだな」

 

 手伝いに来た筈なのに余計に仕事を増やしてしまった気がする。こう、職員たちの可哀想なモノを見るような目がさ……。

 

 時計を見ると夜の十時になっていた。コンたちには日数は掛からないと言ってたけど数時間で終わるとは俺も思ってなかったな。

 

 「こんな時間まで付き合わせてすまないな」

 「構わないわ、いつもあなたには世話になっているから、少しでも助けになりたいのよ。私も、きっとみんなもそう思っているわ」

 「俺のほうこそ、リオたちには世話になりっぱなしだ」

 

 最初こそ、アビドス復興委員と先生から一定の信頼を得て後は傍観者で居れば良いと思ってたけど、それをリオが良い意味でぶち壊してくれた。

 

 予約を取っていたホテルにチェックインをして、部屋に向かい扉を開けると、開けた瞬間に枕が飛んできてたので掴んだ。

 

 「…ん?」

 「「「「あ」」」」

 

 人数が多いから大部屋を二つ取っていた筈なんだけど何故か全員が集まって枕投げをしていた。いや、ゲマトリアの黒服を除いたメンバーベッドの上で談笑してるっぽいな。

 

 「仕事は終わったんですか?リジー」

 「あぁ、結構早くに終わってな、それで?なぜお前たちは一ヶ所に集まって枕投げを?」

 「え〜っと、思った以上に広い部屋だったからつい…」

 

 モモイが頬を掻きながら「あはは〜」と乾いた笑いをしている。俺が怒ってると勘違いしてない?

 

 「そう言う二人は何をしてたの?なんだか部屋に入った時から楽しそうな雰囲気だったけど?」

 「ちょっとした雑談をしてただけだぞ?」

 

 ちょっとニヤっとした顔をしているモモイの言葉をサラッと受け流して部屋を見渡す。明らかにこの一室にそんな枕の数ないだろ。なんでゲーム開発部は枕で砦作ってんだよ。

 

 「あまり雑に扱って破くなよ?」

 「そんな事しないよ!」

 「そうかぁ〜?ゲーム開発部の部屋を見てるととてもそうは思えないが」

 「最近はちゃんと掃除してるからね!」

 

 本当か?モモイやミドリの事だから新しいゲームを買ってまた足の踏み場が無くなってる気がするんだけど。

 

 「次に開発部の部屋を見た時片付いてなかったらクソゲーやってもらうぞ」

 「え!?り、リジーが用意するゲームか……ヤバそう」

 「うん、高笑いしながら後ろで見てそうだよね」

 

 別に愉悦を感じてるわけじゃない、実況の時のキャラ付けで高笑い系キヴォチューバーだと認識されて辞めれなかっただけの話だ。

 

 「ほらお前ら明日も遊ぶんだろ!さっさと寝ろ!」

 「「「は〜い」」」

 

 渋々ながらも生徒たちは枕を片付けてそれぞれベットに潜り込んだ。もう一つの部屋に戻るつもりがないのか隣の部屋組も他の生徒と添い寝をして寝るようだ。ベッドがデカくて良かったな。

 

 「私たちはもう少し雑談でもしていましょうか、今後の方針も決めていかなくてはいけませんので」

 「今後の?」

 「えぇ、現状は色彩を退けキヴォトスは平常の状態へと戻りました。ですがアレはいつまた来てもおかしくない。我々の戦力は一部を除き全て色彩に奪われてしまったのでそこをどう補うかを考えなくては」

 

 あ〜そう言えばそうだったな、今のゲマトリアの戦力はヒエロニムスとベアトリーチェだけになるのか。

 

 「まぁ、お前たちもあまり遅くならんようにな」

 「あなたはどうするので?」

 「俺も少ししたら寝る。ちょっと考え事がしたくてな」

 

 生徒たちの就寝を邪魔しないようにバルコニーに向かおうとすると後ろからモモイの声が聞こえてきた。

 

 「いまだ!全員総攻撃〜!」

 「ん?どうわぁああ!?」

 

 振り返るとそろそろ寝る筈だった全員が布団から出てきて俺に向かって枕を投げてきた。

 

 「おい!寝るんじゃ無かったのか!」

 「もちろん寝るよ!リジーと遊んでからね!」

 「素直に寝ると見せかけて夜更かし…良いじゃない!」

 「お昼はリジーと中途半端にしか遊んでませんしね!」

 

 だからって一斉に枕を投げつけるなよ!視界が全体的に真っ白だわ!

 

 「ってなにサラッとお前も混ざってんだ先生!」

 「“まぁまぁ、楽しそうなんだから良いじゃないか“」

 「お前は寝かしつける側だろうが!引率の先生が一緒に枕投げしてるってノリ良すぎか!!」

 

 飛んできた枕を引っ掴んで先生に投げ返しベッドに沈める。

 

 「え!?先生が速攻で寝た!?」

 「ふははは!激務明けの大人では到底抗えないフッカフカの高級羽毛枕だ!どんな大人でもこの枕を顔に押し付ければあっと言う間に夢の中だ!」

 「じゃあなんでリジーは眠ってないのさ!」

 「俺はいつでも快眠してるからだ!」

 

 リオ?リオなら今の一斉枕投げの時に流れ弾を食らって寝たぞ。相当疲れてたんだな。

 

 「さぁ次に寝たい奴はどいつだ!」

 「( ˘ω˘ )スヤァ…」

 「…ヒヨリはもう限界だったらしい、既に夢の中だ」

 

 サオリ、お前はなぜそんな本気の構えなんだ。これは銃撃戦じゃないもっと気楽な格好で良いんだぞ。

 

 「是が非でもリジーをこの枕で寝かせてやるんだから!」

 「ほう?もしそれが出来たなら何か欲しい物を一つ買ってやろう!」

 「ほんと!?後から嘘でしたは無しだからね!」

 

 もちろんそんなせこい事はしない。何故なら絶対に寝ない自信があるからな!体調管理は万全!

 

 【 十分後 】

 

 「( ˘ω˘ )スヤァ…」

 「いや勝負しかけた本人がすぐ寝るのかよ」

 「お姉ちゃん、よく夜更かししてるから」

 

 唐突に始まった枕投げ大会だったが、それを仕掛けたモモイは開幕で速攻寝た。アルも途中でハルカの投げた枕に当たって寝落ちしたしホシノはそもそも寝てた。アビドス組や補習部は元々寝つきは良い方だったのか数分経ったらいそいそと枕を整えて寝た。ミカはノリノリだったけどナギサとセイアが途中で寝かしつけて退場、最後まで残ってたのと言えばサオリとスピア、コン、そもそも参加してない組くらいだ。

 

 「やれやれ、元気なのは良いが元気が良すぎるのも考えものだな。お前たちもあまり遅くならないうちに寝るんだぞ?」

 「うん、分かった」

 

 −−−今度こそ俺はバルコニーに向かう事が出来た

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