成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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百二十二話 もっと面倒な事になりそうな気が…

 

 「まさか子ウサギタウンの路地裏だとは」

 「子ウサギタウンって確かウサギ小隊が拠点にしてる公園が近かったよな?」

 「そうだな、まぁ今回は彼女らと全く関係ないから気にしなくて良いだろ」

 

 カヤから場所を聞いた翌日、俺はスピアの部隊と共に調査に来ていた。コンは今回留守番をしてもらい情報収集に徹してもらう事にした。ちなみにパワードスーツはメンテナンス中で使用できない。

 

 「何気にシャチョーと一緒に行動するのは初めてじゃないですか?」

 「確かに、私たちって基本的に独立して動いてるしね」

 

 俺の行動が行動なだけにコンと一緒の方が素早く移動が出来るんだよな。

 

 「こうして社長の戦闘服を間近で見るのも中々ないし、新鮮な気分だよ」

 「こう見ると軍人っぽく見えるよね」

 「普段はふははは〜!とかなのにね〜」

 「別に普段から高笑いしてる訳じゃないんだけど!?」

 

 キミらの中の俺ってそんな風に見えてたの!?確かに高笑いはしてるけども!日常的にふははは言ってる訳じゃないぞ!

 

 「っと、そろそろ映像のあった場所に着くぞ」

 

 現場に着いた俺たちはカヤから貰った映像を元に箱を持ち去ったオートマタの方向に向かい捜索し始める。幸いにもそのオートマタ自身はそこまで慎重に動くのは得意じゃなかったようで他のカメラにもその姿が映っていた。そのカメラの場所を辿っていけばある程度目的の場所は予測が出来る筈だ。

 

 「この映像は、多分こっちのカメラですかね」

 「いやいやこっちじゃない?角度的にも」

 「ん〜私にはこっちに見える」

 

 スピアたちとああでもないこうでもないと言いながら路地を進んでいく途中でスピアから声を掛けられた。

 

 「今更なんだけどよ。なんで社長はアタシらみたいなのを雇おうなんて思ったんだ?見ての通りアタシらは世間一般で言う所の不良だぜ?」

 「ほんとに今更だな、ぶっちゃけると人手不足で自由に動かせる人材が欲しかった」

 「本当にぶっちゃけたな!?そんな理由かよ!?」

 

 そんな理由だ。予想以上に規模が大きくなって驚いたけども。

 

 「俺としては近場の不良や傭兵にスカウトをしただけなのにアビドス以外の地区にまで規模が広がったよな」

 「それはそう、あれだけの高時給に高待遇なんだもの、私も僕もとなっても不思議じゃない。煩く指示される事もないし、施設が充実してるし、何より猫カフェがある」

 

 そんなポイント高かったのか猫カフェ、俺としては軽い息抜き程度のつもりでオープンしたんだけど。

 

 「後は面白い半分で集まった結果、想像以上に居心地が良過ぎて離れられなくなった不良集団とか…あれは見てて面白かったなぁ、自分を強く見せる為に悪そうな笑みを浮かべた子たちがあっという間に少女みたいな満面の笑顔になった時は、今でもそれを観察するのが私の密かな楽しみだよ」

 「お前時々居なくなると思ったらそんな事してたのかよ!?」

 

 ヘルメット越しだから分かり辛いけどバイザー越しに見える目がそれはもう楽しそうだった。スピアの部下も大概個性的な子たちばかりだな。

 

 「そう言えばなんですけど、このまま行くと表通り出ますけど…調査としては失敗じゃあないですか?」

 「う〜ん、人に話を聞いた所で箱を抱えたオートマタなんてそこら辺中に居るもんね、どうしよっか?」

 

 ここに来て行き詰まったか、裏路地に潜んでいると思ったけど連邦生徒会が来てたとなるとさっさと逃げるか。相手の追跡とか情報収集はコンに任せっきりだったからなぁ、留守番させたのは早まったかもしれない。

 

 「“…あれ?リジー?“」

 「今は忙しいんだ後にしてくれ先生……ん?先生?」

 

 待て、待つんだ。なぜ貴様がここに居る。おかしいだろ今はシャーレで仕事してる時間帯じゃなかったのか!不味い、非常に不味い!先生がここに居るって事は絶対に何かがある!

 

 「あ、お前は和牛ステーキの…」

 「RABBIT小隊まで…なんでこんな所に」

 「“それは私たちも言える事なんだけど…“」

 

 ぬぁああ!ただでさえ厄介な案件なのに先生まで関わるとか。いや、ここはポジティブに考えよう。いっそのこと先生を巻き込んでしまっても良いさと…いつも先生が巻き込み側だったんだから偶には俺がやってしまっても良いさと開き直ろう!

 

 「お前たち、昨日の深夜にここを箱を抱えたオートマタが通らなかったか?」

 「…それは“これ“が関係する事ですか?」

 

 俺が先生たちに質問をするとRABBIT小隊のリーダーであるミヤコがポケットの中から偽造されたカンパニーのエムブレムを取り出した。

 

 「…スゥ………それどこで見つけた?」

 「質問をしてるのはこちらです」

 「分かった、分かったからちょっと待て、関係してるかどうかで言えばイエスだ」

 

 マジか…………マジか、カヤは回収させたと言ってたけど一つだけじゃなかったみたいだ。ひょっとすると連邦生徒会も回収した可能性があるぞ。

 

 「“事情は話してくれるのかい?“」

 「元よりそのつもりだ」

 

 俺はFOX小隊の事を伏せて昨日起こった出来事を話した。その後に先生たちの話を聞くと、先生はこの間のシャーレ奪還戦の時に協力してくれた彼女らにお礼をしてた所、ここら周辺で夜な夜な不審なオートマタ集団が駅に何かを運び込んでいると言う噂を聞いて調査をしていたらしい。エムブレムはついさっき路地のゴミの紛れてるのを拾ったそうだ。

 

 「“話を聞くと、催涙弾とダイナマイトを地下鉄に運び込んでるって事になるよね“」

 「あぁ、先生が聞いた噂が本当ならそれは昨日は一昨日の話じゃなく、ある程度は長い間活動していたと言う事になる」

 

 それなのにああやって露骨に証拠を残していく辺り、もうバレても良いと思ってるのか、誰かの独断か。

 

 「相手がどこに向かったのかは分かった。なら後は夜までここに潜んで駅の中の何処に物資を運ぶのか後をつけて確認するぞ。先生はどうするつもりだ?」

 「“ここまで聞いたからには最後まで手伝うつもりだよ。リジーには普段から助けてもらってるから“」

 

 そう思うならもうちょっと自重してくれと言おうと思ったが俺も大概無茶苦茶な事やってるから何も言えん

 

 「私たちも手伝います。子ウサギタウンの事なら私たちも無関係と言うわけではありませんから」

 「それに和牛ステーキのお前には借りがあるからな」

 

 借り?そんなのあったか?弁当を報酬に穴から出して貰ったり俗物を倒して貰ったりしただけでそれ以外に何も無かった気がする。

 

 −−−なんの事か話を聞こうと思ったけど双眼鏡やら弁当やらを用意している面々を見て、今更なんだっけとは言えなかった

 

 

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