成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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百二十五話 何か案はあるか?

 

 「これよりカイザーコーポレーションの思惑を打破する為の作戦会議を行う。事前に話した通り最善は爆弾の無力化と敵の指揮官の捕縛だが、難しいと判断した場合は爆弾の無力化を最優先とする。と言うかこれが一番重要だ」

 

 先生たちと合流した後、急いで会社に戻り休憩を挟んだ後に関係者と勝手に集まった面々で会議を開いた。面子は俺とコンとスピアの特攻部隊、先生とRABBIT小隊、カヤとカンナとFOX小隊、エンジニア君だ。カイザーコーポレーションとの戦い方を理解している人選だから何か良い案が浮かぶ筈だ。

 

 「…頭の痛い話ですね。ユキノ小隊長…確かサーモバリック弾は軍事施設で秘密裏に保管されていましたね?いつ盗まれたか分かりますか」

 「…いや、私たちも暫くあの場所へ足を運んで居なかったからいつ盗まれたかまでは分からない」

 

 やはり問題はそこだよな。盗んだ手段が分からない以上こう言った事がまた起こるかもしれない。

 

 「…すみません、これは一つの仮説なのですが。カイザーコーポレーションが連邦生徒会を掌握した際にその情報を抜き取り、サンクトゥム事件の時に混乱に乗じて運び出したと言うことはありませんか?」

 

 エンジニア君の発言に俺は考えを纏める。そもそもプレジデントはウトナピシュテムの本船の動かし方を知っていたのだろう。そうじゃなければ突然の先生誘拐とサンクトゥムタワー掌握の理由が付かない、たった一日とは言え連邦生徒会を乗っ取っていたのなら自分たちに必要な情報を抜き取るには十分な時間がある。

 

 「…ありえるな、寧ろそれしかない、誰にも気付かれずにサーモバリック弾を盗む事はまず不可能だ」

 「これで再発防止についてはどうにかなりますね。では肝心の爆弾をどうするかですが…」

 「当時はFOX小隊による制圧によって確保したが…ダイナマイトがあるとなると迂闊に銃を使用出来ない」

 「う〜ん、銃を使わない制圧方法ですか。美味しいお稲荷さんの作り方なら知ってるんですが」

 

 確かに美味しいけども今はそれじゃないんだよニコ。

 

 「一つの例を挙げるなら睡眠薬を散布して全員眠らせると言う方法がありますが…人間相手ならまだしもカイザーコーポレーションの戦闘員の多くがオートマタ…効果は薄いですね」

 「だったら社長みたいに物理技掛けるのはどうだ?」

 「それも難しいですね。うちは格闘技術に関する訓練は全くしていないので使い物になりません」

 

 良い考えではあったぞ。俺とバルバラ以外格闘出来るやつが居ないことを除けば。

 

 「え?社長は盾でぶん殴ったりタックルかましたりしてるのに?」

 「社長に関しては論外です。この人は銃の訓練はしましたが格闘に関しては実戦で鍛えてしまったので。参考になりません」

 「マジで?」

 「マジだぞ。俺は基本的に使える物は何でも使うからな、やろうと思えばそこら辺のカラーコーンも武器に出来るぞ」

 

 俺がそう言うと全員から珍妙な生き物を見るような目を向けられた。まぁ、そう言う目にもなるか。俺だってピンチにならなかったらそんな事は絶対にしない。

 

 「あなた一人だけサバイバルゲームの世界から飛び出してきましたか?」

 「無双ゲームのモデルになった事はある」

 「防衛室長も海崎社長も話が脱線してます」

 

 おっとそうだった。ゲームの話をしてる場合じゃない、いつもみたいに大暴れ!で片付けられたら良かったんだけど、今回は銃が使えるかどうかも分からない地下鉄だし。

 

 「それにしても、徹底的な社長封じだよね。ここまで社長の対策をするなんて向こうは相当怖いみたいだ」

 「“………あ!そっか、リジーの強みの一つであるフル装備が使えない“」

 「それに社長お得意の弾幕も出来ねぇぞ」

 

 狙い撃ちも出来ない訳じゃないんだけど、それだとどうしても火力が下がる。いや一発一発の威力は上がってるんだが総合的な火力がな?…火力?

 

 「…分かった、いっその事こう考えよう。騒ぎを大きくしちゃっても良いさと」

 「…何をするおつもりで?」

 「今ここにある防犯カメラの映像とこの偽造されたエムブレムを使う、それとダイナマイトも」

 

 駅の近くで見つけた無人の建物に駒を置く。

 

 「まず、子ウサギタウンの駅近くにある無人の建物を使う」

 「…ふむ」

 「そこに建物を炎上させるだけのダイナマイト設置」

 「……………おや?」

 

 話を聞いていたカンナとカヤが「まさか?」と言う表情で俺を見る。あの時の仕事の当事者である二人なら俺が何をするのか察しが付いただろう。

 

 「今回の一件をうちの会社のロゴを不正使用した無名のテロリストとして処理する」

 「………嘘ではありませんしね」

 「…SRTとしては止めるべきなんですが。状況が状況なので仕方ないですね」

 

 まぁ俺が言ってる事はこっちで先に爆破テロを起こしてその責任を押し付けてしまおうと言う。あの時とほぼ同じ方法だからな。ここには特殊部隊であるSRTが居るし先生も居るから使いたくなかったけど。サーモバリック弾が運ばれたと言うことは時間に余裕が無いと見て良い。

 

 「でしたら部隊の編成は私にお任せを!迅速かつ安全に鎮圧が可能な兵を派遣しますので!」

 「“えっと、私はどうしたら良いのかな?“」

 「先生はRABBIT小隊の指揮を頼む」

 「えぇ、とにかく相手に余裕を与えないように場を掻き乱してください」

 

 先生が参戦するってだけで向こうの作戦は破綻する。なら下手に作戦に組み込むより好き勝手してもらう方がありがたい。

 

 「方針は決まった。後は細かい部分を詰めていくぞ」

 

 人数が多い分、色々と意見が出てきたので話自体はすぐに纏まり、後は準備を進めるだけとなった。

 

 −−−まだ少し不安は残るけど…なんとかなるだろ

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