成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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百三十一話 どうやら俺の強さが気になるようで

 

 「ねぇねぇリジー」

 「なんだ?モモイ」

 「リジーってヘイロー持ちが!ヘイロー持ちが強い!って言ってるけどさ。リジーも十分強いと思うんだよね」

 「ふむ、これでも元PMCだったからな、戦闘技術や作戦については職業柄そう簡単に負ける訳にはいかん。今みたいなシュミレーションゲームでもな、ほれ、これで俺の勝ちだ」

 

 モモイが隣で『また負けた!?強すぎるよ〜!』と腕をブンブン振り回すのを横目にさっきまでの対戦の反省点を考える。

 

 ゲームなら何も考えずに楽しくやれば良いかとは思うが、こう言う戦略ゲームになるとどうも本気になってしまうんだよ。

 

 「それは我々ゲマトリアにとっても興味深い事柄です。彼を観察していますが、肉体自体は極めて普通のキヴォトス人のモノ…改造を施されたパワードスーツを有していたとは言えそれでもその強さは異常です」

 

 ケテルに関しては生身で戦ったから、預言者を相手取る程のスペックがあるのは分かってる。

 

 「“色んな種類の銃を使ってるのにそれを満遍なく使い熟せてる辺り、センスが高いよね。普通なら器用貧乏か武器のどれかが練度不足になるのに”」

 「オートマタだからでしょうか?今までの経験をデータ化して自身の動きを最適化している…とかですかね?あ、先生王手です」

 「“あ!“」

 

 すぐ近くでは先生とベアトリーチェが将棋をやりながら会話に参加してくる。ベアトリーチェの言っている事が一番可能性が高いな。無意識のうちに最適化している。うん、だとすれば戦闘経験皆無だった俺が戦えるのも納得だ。

 

 というか面子濃いな。ゲーム開発部、黒服、ベアトリーチェ、先生って、普通なら集まる事がない面子だぞ。

 

 「そもそもモモイ、どうして俺の強さがどうだ〜って聞いてきたんだ?」

 「う〜ん、キヴォトス無双作っててふと思ったの、私たちの中ではリジーって凄く固いイメージがあったんだけど。タイマンで戦ったらどこまで強いのかな〜って」

 「タイマン?」

 「そう!前にリジーと戦った時はいっぱいの仲間と一緒だったでしょ?リジーはアヴァンギャルド君と一緒だったし」

 

 モモイの言う通り、守りは意識してるな、長時間戦い続けて相手を疲弊させる。相手がそれで降参してくれるならそれが一番だけども大体の奴は気絶させるか縛り上げるまで交戦を選ぶんだが。

 

 「判断が出来るか分からんが、クロコが相手だったら良くて引き分けじゃないか?勝てるかって言われたら無理だと断言できる」

 「クロコさんに?」

 「“……そう言えば時々模擬戦してるけどリジーは防戦一方だったね。あれって反撃しないんじゃなくて出来なかったのか…ここならどうかな?“」

 

 やっぱり経験が違う。油断すれば痛い一撃を喰らいそうになる事が多々あった。今のアビドス準最強と言えばクロコと言われれば納得できるレベルだ。ん?最強は誰かって?ホシノ。

 

 「残念だったな先生、王手だ」

 「“二人とも将棋強すぎない!?“」

 「先生は現実での戦闘は得意でもボードゲームはそうでもないようだな!ふははは!」

 

 生徒と関係ないところではあのチート染みた能力は発揮されないか。とことん生徒関連に特化した能力なんだな。ピーキー過ぎる。

 

 「パーティゲームだったらリジーに勝てるのに!」

 「お姉ちゃん、それで良いの?」

 「せめてそこはチーム戦なら勝てるって言ってくれないか?」

 「突っ込むところそこ!?」

 

 いや〜パーティゲームだったら誰でも俺に勝てそうだしさ。どうしてなんだろうね。ダイス振ったら大体マイナスマスに止まるし罰ゲームマスに止まったら一番来て欲しくないのが来たりするし。俺って運が滅茶苦茶低いってこと?

 

 「ベアーさんはどうしてそんなに将棋に強いの?」

 「誰がクマですか。区切り方おかしくありませんかモモイさん?…一応私も戦術を教えていた時期がありましたので」

 「へ〜」

 

 因みに黒服はNPC相手だったら強いぞ。行動パターンを読んで安定した攻略を見せてくれる。

 

 「私としてはベアトリーチェはチェスをしているイメージがあったのですがね」

 「チェスも好きですよ私は、ただ、チェスボードを無くしてしまったので代わりにこちらを持ち込んだだけです。リジー、王手です」

 「………これは、厳しいかぁ、参った」

 

 これで20対21で負け越しか。ボードゲームに強いタイプなんだなベアトリーチェは、しかしチェスのボードなら昨日、見た気がするんだけど気のせいだったか?まぁあれだけ広い家なんだ。無くしてもしょうがないか。

 

 −−−後日、スズカにベアトリーチェが何かを持って夜な夜な出掛けていると聞くまではそう気楽に考えていた

 

 

 

 

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