成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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百四十三話 これもまた友情の形か

 

 「あ〜美味しかった!今度はみんなも連れて来よっと!」

 「満足したようで何よりだ………俺はもうクタクタだよ」

 「“私も、流石にあれだけのハンバーグのタネ作ると腕が疲れるね“」

 

 水分補給にスポドリ飲みながら先生と椅子に背を預け座ってると今日の仕事を終わらせてきたのかスピアたちが食堂にやってきた。

 

 「なんだなんだぁ?社長、めっちゃ疲れてんじゃん」

 「センセーも一緒だね〜、お皿の数すご」

 「あら、どうやら珍しい場面を見逃してしまったようですね。状況を察するにお二人が料理を振る舞っていたのでしょう」

 「マジかよ!くぁ〜!コンが美味いって言ってた社長の飯、食ってみたかったんだけどなぁ」

 

 コン、お前は一体何人に話してるんだ。

 

 「作り過ぎた分がタッパーに入ってるから、それ食べてくれ」

 「お!ラッキー!」

 「実に楽しみだ。コンおすすめの社長料理……おや?あまり見ない組み合わせだね。ゲヘナの生徒とティーパーティートップが仲良く隣同士で座ってるだなんて」

 

 ミライが興味深そうに二人を見る。ミカの事は知っていてもイズミと一緒にってのはあんまり知られてないから仕方がない事なのかもしれない。

 

 「えっと、変かな?」

 「いや、気に障ったのなら謝るよ。ただ、キミはゲヘナ嫌いだと言っていたし噂でもキミのゲヘナへの嫌悪っぷりは耳にしていたらね…社長の時も思ったけど噂とは当てにならないものだね」

 

 多分だけど俺の噂については本当の事しか言われてないと思うぞ。アビドスからの返済金ブラックマーケットに横流ししてたし。

 

 「あぁ、うん、私がゲヘナ嫌いなのは本当だよ……たださ、改めてなんで嫌いなのかって聞かれるとさ、野蛮だし、角付きだからとか…そんな何となくでしか理由がなかったのに気づいてさ、私自身何かされたとか、友達が何かされたなんて理由もなくて…これじゃ駄目って思ったんだ」

 

 俺の隣でショウが真顔のまま号泣してるんだが。おいこら俺の服で涙を拭くなハンカチ使えハンカチ。

 

 「ミカ様…成長されましたね。私は感激でございます」

 「お前それ何目線だよ!?」

 「ミカ様ファンクラブ目線ですわ」

 「ちょっと待って何それ私知らない」

 

 だろうな、大体こう言うファンクラブって本人にバレないよう活動してるか公言して活動してるかだし。何よりトリニティだとファンクラブの活動は裏でこっそり盛り上がってるイメージ。

 

 「冗談です♡」

 「な〜んだ。びっくりした。やっぱり私みたいな悪い子のファンクラブなんてあるはずないよね〜」

 「あ、ファンクラブがあるのは本当ですよ?私がファンクラブ会員では無いだけです。私、ティーパーティーファンクラブの会員なので」

 「ちょっと待って!?本当にあるの!?」

 

 う〜ん?ミカは自分のファンクラブがある事に対して驚いてるみたいで気付てなかったみたいだけどショウ、お前いまなんて?

 

 「まぁ!ミカ様ご存知でない!?それも仕方ありませんね。何故ならこれらは現在あまり活発ではありませんので」

 「ん?なんだ。最近出来たのか?」

 「いいえ、実はこれにも理由がありまして、ミカ様派、ナギサ様派、セイア様派の三派閥がお互いに譲らずこのお方こそが至高!と争いを始め、最初は討論だったのがビンタとビンタの飛び交う殴り合いに発展して騒ぎで駆けつけた正義実現委員の皆さんまでも張り倒される始末」

 

 お嬢様学園だよな!?混沌とし過ぎだろそれぇ!!

 

 「誰しもがもう止まらないと思ったその時、ティーパーティー派の方が立ち上がったのです!ビンタとビンタが飛び交う中一人果敢に飛び込み、争っている方々一人ずつにアイアンクローを掛けていき『好みの押し付け合いなど言語両断!推しとは争わずに仲良く推す事こそが至高なのです!』と一喝し、争いを終結させたのです」

 「アグレッシブだな!?」

 「なんでそんな大事になってたのに私たち誰もそれを知らなかったの!?」

 

 アイアンクローって、そいつ何者だよ。一人一人って間違いなく大人数だった筈なのに態々全員にアイアンクローをするとか。

 

 そう思っていたらショウが俺たちを見回した後にどことなく満足気な雰囲気で口を開く。

 

 「冗談です♡」

 「「嘘かよ!!」」

 

 スピアと揃ってツッコミを入れると今度はミカの方を向いた。

 

 「アイアンクローだけは本当ですよ?夜に推し談義で盛り上がっていた方々に『今何時だと思ってるんですか!』とアイアンクローを仕掛けお説教も追加で、それ以降は皆さん程々に活動するようになったんですよ」

 「もうどこからが本当でどこからが嘘か分かんねぇよ!ショウ!お前、顔色一つ変わんねぇんだからもうちょっと分かりやすい嘘を言いやがれ!」

 「思わず聞き入ってしまう程には真実味を帯びていたね……」

 

 まさか活動が活発でない理由を聞こうとしたらこんな作り話を聞く事になるとは…ちょっと現実にありそうなのがさ。

 

 「因みに皆さん最近はカップリングに嵌っているようですよ」

 「…それ私が聞いても良いやつかな?」

 「まぁまぁ、これも雑談だと思って聞いていってくださいミカ様、ミカ様がどう思われてるのかが分かりますので」

 

 もうミカがどうすれば良いのって感じの顔、俺に向けててさ居た堪れないんだけど。これ以上何を言おうって言うんだショウ。

 

 「どうやら最初はミカナギ、ナギミカが主流だったようですが。今ではセイナギ、ナギセイ、ミカセイ、セイミカなど多様性が生まれており皆さん思い思いのカップリングを楽しんでいますね。最近ではパテル派の方が偶然見掛けたミカ様、イズミ様のカップリング、イズミカが流行っているようですよ」

 「えっ」

 

 とんでもない爆弾落としていったんだがこいつ。マジで言ってる??

 

 「なになに?なんの話し〜?」

 「…イズミちゃんは気にしなく良いよ☆!………え、これからどんな顔してパテルの子たちを見たら良いの私」

 「笑えば良いと思います」

 「原因はてめぇだろうが!!!!」

 

 モモイなんて口を栗みたいにしてポカーンとしてるしミドリも気不味そうにお茶啜ってるし、アリスなんて…いやアリスは変わらずニッコニコだな。ユズはもう目を回して混乱してる。ホシノは変わらずうへってて、セリカは顔を真っ赤にして固まってるしアヤネお前その眼鏡どうなってんだよ。いやキラーンじゃねぇんだよ何光らせてんだよ。シロコは……興味なさそうだ。

 

 「先生、こんな時こそ先生の出番だぞ!」

 「“えっと……趣味は人それぞれだから、本人に害があるなら別として友達同士で楽しむ程度なら良いんじゃないかな?…多分“」

 「…別に嫌って訳じゃないんだけど………これ絶対私に隠してた事…だよね?それ知ったらこんな風な反応になっちゃうって知ってて、待って、それじゃあなんでイズミちゃんと私を引き離そうとしてたの??」

 

 そうだよな、そこ気になるよな!なんかそう言う感じなら別に引き離す必要ないもんな!何がしたかったんだ。

 

 「あ〜それはですね。愛は障害がある方が燃え上がるとの事です」

 「…………これは実害が無いって言えるのか?」

 「“う〜ん、その場面を見たとかじゃないからなんとも…“」

 

 −−−まぁ、嫌われてないって分かっただけ良かったんじゃないか?それ以外のことはその、うん、強く生きろミカ

 

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