百四十四話 何か、良い案はないものか
「う〜む……」
「どうしたんですか、そんな首を傾げて」
「エンジニア君か…いや、アビドスもかなりに賑わって来ただろ?だからそれを記念としたイベントをやりたいと考えてるんだが…アビドスらしいイベントが思いつかなくてなぁ」
「アビドスらしいイベント、ですか…………」
砂嵐もミレニアムと共同で作った高性能の天気予報装置や砂漠を縦横無尽に動き回る緊急用ドリンク自販機を数多く設置した。その影響でアビドスから離れた住民の何人かが帰って来たり居場所を求めて他の地区から不良がやって来たりした。猫カフェ、水族館、遊園地と娯楽施設はもうちょっと欲しい所だけど。アビドスと言えばこれ!みたいなビックイベント欲しいよな。
その事を掻い摘んでエンジニア君に伝えるとエンジニア君は俺よりも難しそうな顔をじて黙り込んで。もしかしてなんか言ってはいけないこと言ったか俺。
「…社長、今はイベントよりも完成間近であるアリウス学園の教員を決めなければいけません。そんなモノはいつでも出来るので目先の問題を片付けましょう」
「お、おう、エンジニア君、イベント嫌いだったか?」
「いえ、好きですよ。ただ、今は色々な意味で早過ぎるとだけ伝えておきます」
そうか、こう言うのは案だけでも幾つか出しておくのが良いと思ったんだけどな。気が早かったか。
「それよりも社長、教員を決めなければとは言いましたが。既に目星は付けているんですよね。なので、彼女たちを連れてこれに行ってみてはどうですか?」
エンジニア君に一枚のチラシを手渡されて、内容を見てみると百鬼夜行で『百鬼夜行燈籠祭』と言う特別な祭りをするらしい。しかも20年越しに。
「これは?」
「アリウスの生徒たちの殆どは祭りを経験した事がありません。良い機会なので、仕事も忘れて楽しんできてはどうでしょうか?」
「…良いな、それ。コンもスズカたちと祭りに行きたいって言ってたし」
「私たちも個人的に参加しようと思っているので運が良ければ当日会えるかもしれませんね」
俺もこっちで祭りに参加するのは初めてだし、楽しみだな、あ、けど俺って百鬼夜行に行った事ないから迷子になるかもしれん。一度行って道を確認してみるか。
「なぁ、エンジニア君」
「はい、百鬼夜行の下見に行くんですね?今日の業務は大した物もありませんので後はこちらで片付けます。社長はコンを連れて行ってください。お二人が持ち帰った情報を元にアリウス生の為のパンフレットを作成します」
「ナイス!さすがうちの副社長、俺のやりたい事を分かってるじゃないか」
「いつ昇進したんですか私」
そこはまぁ、雰囲気で?そもそも社長代理やってる時点でうちの会社のNo.2はお前しか居ないだろ。
俺は外出の準備を始め、コンにもモモトークで連絡を入れた。そしたら即返事が返って来て『絶対行きます!!!!』と力強い返信が返って来た。スズカたちと行ける初めての祭りが相当楽しみなようだ。
−−−なら俺もしっかりと準備しておすすめの場所とかを探さないとな!