成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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百四十五話 やっぱ祭りとなるとこう言うのは出るよな

 

 「ふむふむ、この道がこうで、あっちがこう通るのか」

 「リジー、地図の見方を間違えてます現在地が此処なのでこっち向きがこの道になるんです」

 「あぁ、そうか、やはり慣れない場所に来ると頭が混乱するな」

 

 何より今は祭りの準備でこの地区一帯が忙しない。人にぶつからないように気を付けていると余計にな。

 

 「それにしても、凄いな。祭り好きだと噂に聞いていたが思っていた以上の盛り上がりだ」

 「ですねぇ、私も人のことは言えませんが百鬼夜行の人お祭り好き過ぎませんか?」

 

 そんなに祭りが好きなのになぜこの燈籠祭が途絶えたりしたんだ?此処の住民に聞いてもよく分からないとかそんな細かい事はいいさ!ってことしか分からない。

 

 「……リジー、リジー、あのロボの人たち」

 「ん?彼らがどうかしたのか?」

 「動きがとっても怪しいです」

 

 コンが俺の袖を引っ張ってこっそりと顎で赤いオートマタの集団を指す。その集団は一見すると不審な所は見えないが二人の男が態とらしく身振り手振りで会話して祭りの準備をしてる人たちの間を近寄ったり離れたりしている。普段なら怪しいように見える行動もあの人たちも祭りで浮かれてるんだろうと誰も気にしてなさそうだ。

 

 「ふむ、俺たちも後を追うか」

 「はい!カンパニー1優秀なAIとリジーの目の前で良からぬ事などさせません!」

 

 流石にあんな怪しい相手を無視するなんて選択肢は俺たちに無いわけで、マッピングするのを中断して後を追う。

 

 怪しいと思われないよう観光客を装って甘味処から三色団子を買ったりお面やお土産を買ったりしながら後を付けてると集団からさっきの二人の男がイヌ市民に近づいてその懐から何かを抜き出したのを見た。

 

 「…見たか?」

 「バッチリと、録画もしてあるので証拠は万全」

 「目撃者の俺とコンの二人、さっきの集団を呼ばれたとしてもどうにでもなる。さっさと問題を片付けてマッピングを再開するぞ」

 

 コンが両手をグッと握り尻尾と耳をピンと立てやる気に溢れた様子を見せる。ほんと感情豊かになったよなと思いながらさっきの二人に目を戻すとなんか一人増えてた。あの格好を見る限り百鬼夜行の生徒っぽい。

 

 「だから知らないっつってんだろ」

 「こっちが財布を盗った証拠でもあんのか?」

 「証拠は……ありません……ですが、身共は本当に……!」

 

 あるぞ証拠、こっちがしっかり押さえてるからな。そろそろ俺も声を掛けるか。

 

 「ちょいと失礼」

 「ッチ!今度は誰だ!」

 

 後ろから肩に手をポンと乗せて声を掛ける。

 

 「さっきから話を聞かせてもらったが、俺たちも見てるんだよ。お前たちが財布を盗ったところ」

 「っな!?」

 「証拠を寄越せと言うのならそちらの方がやったことの一部始終を録画した物がありますよ?」

 

 盗んだ場面を三人も見てる上に証拠もあるんだから言い逃れはさせないぞ。と言うかよくこんな人通りでスリをしようと思ったな。いや今ほとんど人居ないんだけど。

 

 「よ、横から茶々入れした癖に何を偉そうにしてやがるこのおっさん!」

 「ほう?その茶々入れをしたおっさんの顔に見覚えはないだろうか?」

 「んなもんあるわけが!」

 「隙あり!」

 

 これでも有名になったと思うんだが知らないやつは知らないんだなぁ。ちょっと新鮮と思っていたら百鬼夜行の生徒がそれはもう見事なタックルをかました。

 

 「おわっ!?」

 「……お財布、ありましたの!」

 「なんと……本当にあの若者たちが……」

 

 これだけ人が少ないとなるとちょっと荒事になるか?さっきの集団も近くに居るだろうし一応コンに銃を構えておくようジェスチャーで伝えとこう。

 

 「お、おい!なに落してんだよ!」

 「クソッ……おい!お前ら!来い!」

 

 案の定、ぞろぞろと集団が現れて俺たちと百鬼夜行の生徒、それと先生を取り囲んだ…………ん?先生?

 

 チラリと横目で確認するといつの間にか混ざっていた先生がそこに。

 

 「なぜお前がここに居る!?」

 「“えっと、呼ばれたからかな?“」

 「先生の巻き込まれ体質はもはや神秘では?」

 

 偶然来た場所がチンピラに絡まれる現場とかお前もうお祓いとかしてもらった方がいいんじゃないか?丁度この地区神社とかありそうだからさ。

 

 「騒ぎが大きなる前に黙らせてやる……!」

 「…はぁ」

 「わわっ!?この方々、一体どこから来ましたの!?」

 

 俺からすればお前こそどっから出て来たんだよって感じだ。少し目を離した隙にフッと現れるとか忍者か!

 

 「“二人とも、手伝おうか?“」

 「頼む。さっさと終わらせたい」

 「お祭りを準備してる方の邪魔をしたくありませんしね!」

 「身共にも、お手伝いをさせてください!」

 

 こうして先生の指揮で戦うのは大分久しぶりだな、チンピラ相手には過剰だと思うがこっちもこっちでパンフレット作りをしたいから悪く思うなよ。

 

 「“それじゃあ、リジーは突貫して、コンは相手の視界を遮るように攻撃、キミは二人が撃ち漏らした人を攻撃して“」

 「「了解!」」

 「はい!」

 

 シールドを展開して…持ってきてないわ今回、よし。なら普通にタックルだ!

 

 「うわ!こいつ突進してきやがった!」

 「この人数差を相手に馬鹿なのか!?」

 「ふはははは!覚悟は良いかぁ!!」

 「「銃弾を受けて平然としてるだと!?」」

 

 相手が驚いている間にラリアットをぶちかまして更に近くに居た相手にHGのグリップで殴り倒す。その後ろに居る相手には一発弾丸を喰らわせて足払いをしてからもう一発撃った。

 

 「ファイアー!」

 「「「あっつ!?あつつつ!」」」

 「このガキ味方も燃やしてやがる!?しょ、正気じゃねえ!」

 「アッパー!」

 

 コンが俺ごと燃やした後、火の中を突っ切って顎をかち上げる。うちの場合は俺が頑丈だから誤射を心配する必要が無いのだ。残念だったな。

 

 「クソッ!おっさんの癖に調子に乗りやがって!」

 「そこですの!」

 「ぐぉ!」

 

 俺と同じように殴ろうとした奴は百鬼夜行の生徒に撃たれて悶絶した。即席だが案外バランス良いんじゃないか?ただ。なんだろう、あの生徒からは何処となくミカやナギサとはまた違ったお嬢様的な気配を感じるんだが。気のせいだろうか…おっと、色々な事を気にしてしまうのは俺の悪い癖だな、今は戦闘に集中しよう。

 

 「と、言っても後はお前だけか」

 「チッ!まさかシャーレの先生だったとは!やっぱこんなの良くねえって!」

 「はぁ?祭りの準備に紛れて一発儲けよう!とか言ったのお前だろ!?」

 「なっ、い、いつの間に俺が言ったことになってんだよ……!俺は他の奴に言われたぞ!」

 

 なんだ仲間割れか?

 

 「…ちょ、ちょっと待て、いま気付いたけどよ。さっきシャーレの先生このおっさんのことなんつったよ?」

 「はぁ?そんなの今どう…でも………ま、まさか…このおっさん」

 

 チンピラたちがハッとして俺の方を向き、人間ではない何か恐ろしい怪物を見るような目で俺を見る。

 

 「どうも、リジーカンパニーのおっさんです」

 「や、やっぱり…!?こ、ここは一旦引くぞ!全員撤収!!」

 

 −−−出来るだけフレンドリーに話し掛けた筈なのに余計にビビらせてしまった。なぜだ

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