「“私はちょっとリジーと話があるからもうちょっと待っててねみんな“」
「分かった!」
興奮冷めぬ様子のモモイのたちに先生は待ってるように伝えると廊下に出た。
「“それで?どうしてミレニアムにいるんだい?リジー“」
「仕事だ。アビドスの砂漠を維持するのに金が必要だからな」
「“それはカイザーPMC理事として?それとも傭兵団社長海崎リジーとして?“」
「……まぁ、流石にバレるよなお前には、海崎リジーとしてだ。内容までは守秘義務があるから話すことはできないぞ。例え犯罪に手を染めることのある傭兵業でも信頼は大切だからな」
先生に見つかるとは思ってなかったけどね。いや、アリスに学校に連れてこられた時に会う可能性はあるのにゲームやってた俺が悪いんだけど。
「“アビドスのみんなは?“」
「俺の部下を強化してもらってる。教官ってやつだ。安心しろあの子たちに犯罪はさせてない、ちゃんと表の仕事だ」
「“あ、そこは心配してないよ。リジーだし“」
心配しろよ敵だぞ俺、お前の。
「先生は?どうしてゲーム開発部に?」
「“実はシャーレに要望をしたのがゲーム開発部なんだ。廃部寸前だから助けて欲しいって言われて“」
「そうか、ならあのアリスって子に言っとけ、いきなり特殊クエストだのなんだの言って大人を引き摺るなって」
先生が担当する生徒はキャラが濃いのしかいないな。パンケーキ食べてるだけであんなことになるなんて。
「ん?……すまんな依頼人から連絡だ。俺の正体を黙っててくれた礼は今度アビドスでさせてもらう、あぁ、アリスたちには楽しかったと伝えといてくれ」
「“分かった。じゃあまた!“」
俺は先生と別れすぐに路地裏の方に待機させていたパワードスーツに乗り込んだ。
「俺だ、海崎リジーだ」
『もしもし、調月リオです。こっちの進捗について報告しておこうと思って、まず女王のことだけれど現在はまだ目覚めておらず、ミレニアムサイエンススクールのゲーム開発部に所属しているわ』
ん?ゲーム開発部?滞在?
『現在はアリスと名乗っておりミレニアムサイエンススクールの生徒となっているから様子見。彼女自身にもキヴォトスを滅ぼす意思があるのかどうかを確認しなければいけないから』
「あぁ、それなら問題ないぞ」
『…え?』
マジか、アリス、お前は勇者じゃなくて女王だったのか!!いや、あれか二重人格ってやつなのか!?
「実は今日、アリスに捕まってゲーム開発部に連行されてな」
『……詳しく』
「まず、出会った時の経緯なんだが……」
その時の出来事を出来るだけ詳しく話し終えるとスマホの方から深いため息が聞こえた。
『なるほど、アリス自身にはキヴォトスを滅ぼす意思はないと』
「だがやるのだろう?目覚めれば」
『……えぇ、楽観的な思考に任せて最悪な事態だけは避けなければ』
「ふははは!決意は固いようだな。もし作戦を実行する時がくれば俺に言うが良い、貰った金の分は仕事をするとも、では調月リオよ。次の連絡を待っているぞ」
俺は電話を切ると背もたれに体を深く沈める。
「なるほどな〜…アリスが女王か、う〜ん………なんとかなるか!俺は期待してるぞ、先生、調月リオも、アリスも笑い合えるようなそんな大団円を!」
−−−俺もそれに向けて準備を進めないとな!