「うん、美味い!この焼きそば、野菜の焼き加減とソースが良い味出してるな!」
「思いっきり祭りを楽しんでるじゃねぇか!?」
「そりゃそうだろ、せっかくの祭りだ、問題が起こるまでは楽しむに限るだろ」
ここはお祭りの学園だぞ?なに当たり前のことを。と冗談はさておいて肩に力を入れ過ぎるのも良くない。息抜きがてら腹を満たしてただけだ。
「ショウなんて見ろ、かき氷食って舌の色をミライに見せびらかしてる」
「お前もかぁ!!」
「外遊家の娘たるもの遊びには本気を出さなければ!」
「いや、キミが遊びたいだけだろう?」
相変わらず賑やかな部隊だな。
「はぁ、あなたは面倒なことに巻き込まれやすいですね。社長」
「そう言うなエンジニア君、俺もそう思ってるから」
俺が指揮を取れなくなるかもしれないから祭りの前にはエンジニア君に早急に合流してもらい。今までの経緯を説明した。
「今まで…預言者、
「それも怪談ともなればな、範囲が広すぎる」
ただ色彩に関してはあれに汚染?感染?させられたやつを相手してたから異形と言って良いのか微妙なところ。
「まぁ、エンジニア君も騒動が始まるまでは祭りを楽しんでくれ」
「えぇ、そうさせてもらいます」
さて、それはそれとして、フランシスの奴があのまま何もせず見守るだけなんてする筈ないよな。きっとどこかで接触してくる。ただ、どのタイミングかと言われたら予想できない。
「……考えてもしかたないしもう一個焼きそばを–––」
––時は満ちた
「「!?」」
今の声は、フランシス!噂をすればなんとやらか!どこに居る!
周囲を見渡しフランシスを探していると、人混みの中で奴が立っていた。人混みは奴を避けるようにぽっかりと穴が空いていてその中心から俺を見据えている。
「社長、花火です!」
「…エンジニア君、全職員に通達、市民の避難誘導及び敵対勢力の撃退、最優先は住民の避難!」
出来るだけ簡潔に指示を伝えると同時に、街の至る所で爆発音が響き渡り、そこら辺中が燃え上がる。突然燃え上がった街に住民は困惑しその困惑は次第にパニックへと変わっていった。
「スピア!この周辺の住民を避難させろ!」
「任せとけ!てめぇら!こっちだ!こっちに向かって走りやがれ!」
俺は騒ぎが起きた場所を探すか。音がした方向からして…あっちか?
「うぉ!?」
「うわぁ!?」
一番近い爆発した場所を探そうすると前の方から人が慌てて走ってきて俺にぶつかった。
「どうした。そんなに慌てて?」
「あ、あっち!奥で見たことのねぇ化け物が!たくさん現れて!」
「化け物?怪談のことか…お前はあっちの赤いヘルメットを被った生徒の方に行け!安全に避難できる!」
「え、あ!社長!待ちやがれ!」
スピアの居る方向に走るように伝えてから俺は逃げる住民とは反対の方へと向かっていく。スピアたちを置いていくことになったが、あの状況では俺以外動くことが出来なかっただろう。
〈繧ォ繝ゥ繝ウ繧ォ繝ゥ繝ウ〉
「た、助けてくれぇ!!」
「突貫!!!」
走りながらシールドを展開し、住民に遅い掛かっている怪異をぶっ飛ばす。住民の腕を引いて俺の後ろに隠してから前を見ると。唐傘のような見た目のやつや丸っこい見た目をしたやつがワラワラと至る所から湧いて出て来ていた。
「あ、あんたは?」
「俺が来た方向に向かって走れ!そっちに救援が来ている!良いか!振り返らずに走り続けろ!」
「あ、あぁ!誰だか知らねえが。ありがとう!」
う〜む、百鬼夜行の方での知名度はまだまだか。関わってなかったから仕方がないのかもしれないが。
〈繧ォ繝ゥ繝ウ繧ォ繝ゥ繝ウ〉
「ん?なんかいっぱい来たな!?」
前に向き直ると更に数を増やして集中砲火を仕掛けて来た。痛くも痒くもないが俺の後ろにはまだ逃げ惑っている住民が居るから盾を退けられない。
「うぉおおおおお!一人で突撃して来てしまったツケが!」
「“えっ、なんで一人で行動してるの!?“」
先生の声が聞こえたので若干首を後ろに向けると百花繚乱の生徒を一人連れていた。
「先生か!出来るなら援護してもらえると助かるんだが!」
「“ナグサ、お願い出来る?“」
「…分かった」
「……ナグサ?」
それって行方不明になってた副委員長じゃ?
そう考えているとナグサと呼ばれた生徒は片手で銃を扱い目の前に居る怪異を全て蹴散らした。
「…うっそだろ。え、マジで!?」
強すぎじゃね?気付けば数十体は居た怪異が消えたんだが。しかも片手…ユカリって結構なチャレンジャーだったんだな。
「“どうして一人で行動してるの!“」
「どうしてと言われてもな。それが最適だったからとしか……いや、お前が人のことを言えた立場か!?」
お前だけには言われたくない!割と本気で!お前銃弾一発で死ぬの忘れてないかい!?
「それより先生、見たら分かると思うが怪異が現れた。お前は俺の知ってること以外に情報はないか?」
「“……そう言えば、リジーは怪談って言ってたよね………もしかして花鳥風月部の?“」
「どこでその名を……!」
花鳥風月部?また知らない部活の名前が、やっぱ祭りが始まる前に先生に聞いときゃ良かった。
「……誰だ!」
「後ろ……!?」
突然後ろから足音が聞こえたので誰だと聞いたは良いが怪異だと思い、ナグサとほぼ同時に振り向きざまに撃ってしまった。
「わわっ!待った待った!アタシは怪物じゃないってば!」
「この声は…」
どうやら怪異だと思った相手は生徒だったようだ。すまん。確認不足だった。
「あっ、先生だ〜」
「先生!お怪我はありませんか……!?」
「“うん、大丈夫。そっちは?“」
「……私たちは大丈夫〜それより……」
「先生聞いて!なんか変なのと戦ったり転がったりで大変だったんだよ!何が何だかもう分かんないよ!うわぁあん!」
先生が新しくやって来た生徒と会話してる間、俺は周囲を見渡す。辺り一面は既に炎に包まれ、その中に佇む一人の異形を見つけた。
「お前が動いても動かずとも、この物語はあるべき終わりと向かいその歩みを進める」
「それならそれで俺の気苦労が減って助かるな」
「決断の時だ。海崎リジー、世界の理を乱しあるべき終わりを捻じ曲げた異端者よ。救われぬ存在を掬い上げた逸脱者よ。今宵、世界は在るべき姿へと戻るのだ。先生を中心とし再び物語は走り出すのだ。破滅へのエンディングを迎える為に!」
フランシスは一歩ずつ炎の中を進んで俺に近づいてくる。俺が奴を視線で追っていると周りの事態は急変し、怪異たちが溢れ、その中でも一際目立つ猫を形取った怪異が中心に佇んでいた。
「生憎と俺の助けを求めている生徒はここには居ない、避難は済ませたからな悪いがその選択肢は存在しな「居るではないか」……なに?」
俺の前に居たフランシスが横に一歩移動すると爆発で倒れたのか折れた木材の下に一人の子供が居た。
「なっ!?」
「あれは居ても居なくても変わらない。ただの
「“リジー!私が行くからあなたが行っちゃダメだ!“」
「……先生」
いつの間にか先生たちは周りの怪異と戦い始め、手が空いている人員が誰も居ない。怪異たちは俺にだけ襲い掛かる素振りがなく。是が非でも俺に決断させたいらしい。確かに先生だけなら生徒の元に駆けつけ、アロナバリアで難を逃れることが出来るかもしれない。
−−−だが、分かっているだろう?先生、俺の性格を