成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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百六十八話 お仕置きは世界を超えるようだ

 

 「黒服、お前も先生と同じで大概事後報告が多いがさ…今日はお前が何したいの本当に分からん。なんで食堂にガシャマシンを置いたんだ」

 「これも遺物の一つですよ。私には不必要な物ですので差し上げます」

 「遺物?こんなのがか」

 

 どっからどう見ても普通のガチャにしか見えないけども…意外にもこう言う見た目のやつがとんでもない性能を秘めてたりするのか?

 

 「これは異なる世界の玩具を排出するカラクリです。並行世界の研究に役立つかと思い取っておいたのですが。解析がまるで出来ませんので…私にとってこれの価値は並行世界から物を取り寄せるの一点のみです」

 「解析が出来ないって。何でだ?」

 「さて、どれだけ調べてもこれは何の変哲もないガチャマシンと言う結果しか出しません。これはゲームで言う破壊不可オブジェクトなので分解して分析も不可能です」

 

 珍しく黒服がゲンナリとしてるな。遺物なのは分かってるけどもその詳細がどうしても分からないからもどかしいって所か。

 

 「…用途不明、詳細不明の玩具箱か……」

 「遊びに来たよ〜!あ!ガチャマシン置いてるじゃん!中に何入ってるの?回させて!」

 「あ!モモイこれは黒服が持ってきた遺物で…」

 「何が出るかな〜!」

 

 なぜお前はそう怪しいモノに対して躊躇がない!お前が隠キャって嘘だろ!

 

 「リジーの会社だから、リジーぬいとか入ってたりして」

 「だったら何で食堂に置いてんだよ。もしそうだったら猫カフェとかに置いとるわ」

 「あれ?…何これ、何だか海老の天ぷらホシノっぽいストラップ人形が出てきたよ?」

 「……海老天のホシノ?」

 

 何じゃそりゃ。

 

 上からモモイの手を覗き込んでみると明らかにこの小さなガチャマシンから出てくるような大きさじゃないホシノっぽいぬいぐるみストラップが握られている。

 

 「へ〜これが新しいマスコットキャラか〜」

 「違うぞ?さっきから言おうとしてたけどこれは黒服の持ってきた遺物…」

 「もう一回回してみよ!」

 「話を聞けって!」

 

 黒服が持ってきた以上は何かしらのリスクとリターンがある代物の可能性が高いんだからそうホイホイ触るなっての!

 

 『FATALITY…』

 「「えっ!?」」

 「なんか凄い顔の私フィギュアだ!?」

 

 デスモモイのフィギュアだとぉ!?そんなのもう曰く付きアイテムとかだろ!絶対これ触媒にしてこっちに来るパターンだって!

 

 「おやおやおやおや」

 「……黒服、お前何やった?」

 「いえ、前に観測したデスモモイさんの居る世界なのですが他にもあのような類似的存在が生息…もとい暮らしていると考えました。なので周波数を合わせデスモモイさんが居ない場所を観測したのですが…またもや見つかってしまいましてね」

 

 まさかお前一人で見たんじゃないだろうな?そう言う思いを込めて睨むと肩を竦めて首を横に振った。

 

 「その時は先生とウタハさんのお二人と観測しましたよ。前回の結果を元に慎重に行ったのですが…どうやらデスモモイさんには異界からやってくる異物を感知する能力、いや、直感とでも言うのでしょうか。それが優れているらしく…なので感知された瞬間に接続を切りましたよ」

 

 ……それってさ。あの覗き穴通してこっちに来れないからこの異世界ガチャを検知して触媒送り込んだとかない?

 

 デスモモイフィギュアには見たところ背中にボタンが付いていてそれを押すと音声が流れるようになっている。だが取り出した時には誰も背中のボタンなんて押してない筈なんだ。

 

 薄ら寒い気配を感じているとその気配が現実であると言わんばかりに肩をポンと叩かれた。

 

 「……どちら様でしょう?」

 「FATALITY…」

 「…………ウォオオオオオ!!?」

 

 後ろを振り向くと案の定、ブチ切れ顔のモモイが居て一瞬フィギュアの顔を真似てるモモイかと思って隣を向くと口をあんぐりと開けて驚いてるモモイが居たので改めて大声を上げて後ずさった。なんか分からんけどこいつだけは俺の装甲が無駄な気がしてしょうがないんだ。

 

 「なに!?なんか凄い声が聞こえてきたけどって、うそ!?」

 「セリカ!こいつから目を離さずゆっくりと後ろに下がるんだ。良いか?絶対に刺激するなよ…」

 「I'm not a bear(私はクマじゃないんだけど)

 「彼女クマじゃないって言ってるけど」

 

 凶暴な生物なのに変わりはないだろ!

 

 「I don't have business with you.(あなたに用があるわけじゃない)

 「…本当か?」

 「So there's no need to be so scared.(だからそんな怖がらくていいよ)

 

 …表情からは分からないが多分、嘘は言ってないように見えるな。じゃあ誰に用事が…あ、黒服か。

 

 「To you who ignored the warning,(警告を無視したあなたには)

 

 俺の予想通りデスモモイは黒服の方にスタスタと歩いていき目の前で止まった。包丁を仕舞ったけど一体なにをするつもりなんだ。

 

 「Thai kick(タイキック)

 

 なんて?タイキック?

 

 「おやおや、私はここで失礼させていただきますね」

 「Don't let it escape! Take this!(逃がさない!食らえ!)

 「グァアアアアアア!!」

 

 タイキックの一言でいつものように煙になって転移しそうになった黒服よりも先にデスモモイが鞭のように足を振り抜き黒服を吹き飛ばした。音もスパァアンと綺麗に鳴ってたから相当良いの入ったぞ。

 

 「Next up is something even more painful!(次はもっと痛いのいくから!)

 

 そう言い残してデスモモイは目の前で消えた。今ので制裁完了って事でいいのか。これはあの機械についてはもっとルールを明確にしないといけないかもしれない。

 

 「…クッ…ック……ック、単独での世界転移、あのプロセスがどのように……行われたのかを分析すれば例の装置も…完成……」バタン!

 「…こいつ、また床にシンピって書いて気絶しやがった。もう持ちネタじゃねえか」

 「なんだか凄い私だったね。あれが例の覗き穴装置で覗いてた時に見た私なの?」

 

 モモイその名称は一体誰から聞いたんだ…シロコ?ならしょうがない。

 

 「だとしたらこっちにもあの私が居たりして?」

 「それは…どうなのかしら。ちょっと分からない…でも居たとしたらモモイさんがあっちこっちに居るって目撃情報とか出ない?」

 「そっか〜同じ私?っぽいから絶対ゲーム好きだと思ったんだけど…残念」

 

 なるほどこう言う所があっちのモモイがデスモモイと仲良くなれた所以か。モモイならドッペルゲンガーどころか怪異とすら仲良く出来そうだな。さて……

 

 −−−結局このガチャマシン、どうしたら良いんだ

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