成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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百七十三話 違和感しかないな

 

 「相変わらず騒動の中心に居るのはお前とシャーレの先生だな。海崎」

 「別に好きで中心に居る訳じゃないがな。お前、俺と話してて良いのか?」

 「プレジデントには既に知られてしまったから今更だ」

 

 俺とお前が仲良いみたいに聞こえるから止めてくれる?。

 

 「お前はアビドスが間に合うと思うか?」

 「分かりきった事を。あいつらは必ず来る。たかがPMC如きに遅れを取るような子たちじゃない」

 「ククッ…随分と入れ込んでる様じゃないか。仮にもキヴォトス屈指の軍隊をたかがなどとは」

 「事実だろう?」

 

 そう言えば。ジェネラルなら何か知ってるか?ネフティスと組んでたなら情報を集めたあとそれを見るのはこいつだろうし。

 

 「…さっきから言ってる列車砲とは何だ?あの口ぶりだとアビドスが衰退してからもずっと存在してる様に聞こえるが」

 「情報もタダではないのだが…事実として列車砲は衰退してからもアビドスに存在する雷帝と呼ばれる存在の遺産だ。ネフティスは列車砲を使い資金稼ぎを行おうとしたが。当時の技術では列車砲は操縦出来なかった」

 

 その時代の人間にとってオーバーテクノロジーだったって事か。それにしても雷帝…ね。また新しい単語が出てきたなぁ。調べてみるべきか?

 

 「それが今の技術では問題なく運用できると判明して今に至ると言うわけだ」

 「ハハッ…巻き込まれた俺からすれば傍迷惑以外の言葉が出てこんな」

 

 なんでそんなのが今更見つかるんだよって言ってやりたい。アビドスには色んなもんがあるとは思ってたけど。ウトナピシュテム以上の厄ネタがあるなんて…。遺産って名前の物はいつだって人を惑わしてくるな。

 

 「あぁ、そうだ。小鳥遊ホシノはどうやらアビドス対策委員会とシャーレとは別で行動しているみたいだが。あれもお前の指示か?」

 「…?なんだそれは。ここ2日は何故かあいつらに連絡が付かなかったから何も知らないぞ?」

 「なに?…なら小鳥遊ホシノの単独行動か。はたまたシャーレの先生による指示のどちらかか」

 

 

 ホシノによる強行突破?だとすると先生たちは何をしてるんだ。二手に分かれる理由が分からん。

 

 「その事はまぁ良いか、どうせ先生の奇策だろうし。俺としては気になるのは爺さんのあの決断だ。俺の知ってる爺さんはもっと慎重だったと思うんだが?」

 「……それは私としても気になるところではある。プレジデントはお前を警戒してお前が動く事を前提に計画を進める傾向にあった。それが2日前にネフティスが接触してきてから急にアビドスのお宝に目を付けた。何かおかしいとは思わないかね?」

 

 やっぱあの爺さん知ってる俺らからすると違和感しかないよな今のプレジデントには。私募ファンドについても逃げ場は無くしているもののこんな直接的な手段じゃなくもっと遠回りと言うかまどろっこしい手を使う筈だ。

 

 「そうだよな。幹部であるお前が言うならほぼ間違いない…ん?ジェネラル。一歩左に移動しろ」

 「ふむ?」

 

 −ドカン!!!

 

 俺がジェネラルに指示を出してお互い反対方向に避けるとそのタイミングで後ろの壁が吹き飛び音を立てて崩れ落ちた。

 

 「はぁっ、はぁ……」

 「どうやら間に合ったみたいだな」

 「リジー?…どうしてここに、いや。それよりコンちゃんから返信が返ってこないって心配してたよ?」

 「それは俺のセリフなんだが。お前たちに連絡しようとしても一向に繋がらないし…」

 「「え?」」

 

 いつもより重武装なホシノ顔を見合わせてお互いの認識がズレている事に気付いた。ホシノ曰く、コンは2日前から連絡を取ろうしたり直接会おうとしてたけど俺と遭遇することがなかったそうだ。

 

 「なんだそれは。明らかにおかしいだろ。お互い探してて、しかも一緒に住んでるのに2日も顔を会わせなかったって?」

 「そうだね。でもリジーがここに居てくれてよかったよ」

 

 ホシノの張り詰めたような雰囲気が少し和らいだ気がする。相当焦ってたみたいだな。

 

 「ノノミちゃんも遅くなってごめんね。怪我してない?」

 「はい、私は大丈夫です…」

 

 反対側ではジェネラルが肩を竦めて首を横に振っている。何だその仕草は言いたいことがあるならはっきり言え!

 

 「学生一人相手にこうも容易く突破されるとはな。大の大人が情け無いとは思わないか?」

 「…ブーメランって知ってるか?」

 「生憎と私はお前に負けた事はあれど子供相手に負けた覚えはない」

 

 ……そうじゃん!こいつシャーレ奪還の時も爆弾の時も相手してたの生徒じゃなくて俺だ!?

 

 「……」

 「今度はなんだ?」

 「いや、あの能天気な男がこの場に居たらこう言うだろうな。「絵面だけ見るとホシノのSPみたい」」

 

 あの能天気って言うと先生の事か。流石に先生も空気は読んでそんなこと言うわけ…あ〜うん。俺が居ると何故かあいつの気が緩みがちだから割とありえる。

 

 「納得したようだな。あまり対面した事のない私ですらこう思うのだから、あの男の能天気さはキヴォトス中に知られているだろうな」

 「クソ、まさかジェネラルにグーの音もでない程に納得させられるとは!」

 「社長もジェネラルもかなり雑な扱いっすね」

 

 あいつはこのぐらいの雑さで丁度良いんだ。変に褒めたりするとすぐ調子に乗るぞ。知ってるか?最近先生が何かしら変な行動をするとユウカだったりカンナだったり。ヒナからとから呼び出されるんだぞ?俺はあいつの保護者か何かか!?

 

 「時間は…やれやれ。11時半とは、まだ30分もあるじゃないか」

 「早く着くに分には良いことじゃないか。早過ぎるのは困るが遅刻するよりはマシだろう?」

 「…ふむ、確かにな。この後も予定は詰まっている…少々開くには早いが。債権者団体の総会を始める」

 

 周りに居る私募ファンドとネフティスが近くの席に座らされ、俺とジェネラルの分は吹き飛んだから新しい椅子を用意しそこに座った……ホシノが間に合ったのにプレジデントのあの余裕はどこから来るんだ?

 

 「さて、早速だが…何か言いたいことはあるかね?」

 

 −−−複雑に絡み合った今回の一件…総会を終えてはいめでたしとはいかなさそうだ

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