「……ここがシャーレか」
俺はカイザー理事になってから初めてシャーレに訪れていた。なんとも不思議な感じだ。最初は俺が必死になって破滅するのを回避するために色々とやってカイザーマンだとかやってたのに、ミレニアムでは自分が破滅するかもしれないのにリオの手助けをして、なんか凄い矛盾してる事やってるな。
「けど、俺と少しだけ似てたから放っておけなかったんだよなぁ。あのままじゃ本当に彼女は一人になってたし」
シャーレの中に入り、先生のオフィスを案内板で探すとバスケコートや実験室、射撃室や図書室などなどなんとも凄い設備をしてらっしゃる。しかも更にはエレベーターに乗った先には食堂やゲームセンターまである。
「…あぁ、事務所はこっちか」
今日はパワードスーツのメンテナンスを頼まれたと言う理由でカイザーPMC理事として来ている。これなら堂々とシャーレに入れるしな。ん?それなら専用の整備士が居るんじゃないかって?……先生のパワードスーツ設計したの俺なんだよな。だから大まかなメンテナンスはうちの整備士で出来ても細かいところは無理なんだよ。
インターホンを鳴らして声を掛ける。
「先生!メンテナンスの件で来たカイザーPMC理事だ。開けてくれ」
『“鍵なら空いてるから入ってどーぞー“』
「いや閉めとけよ!?俺じゃなかったらどうすんだよ!?」
お前ほんとに重要人物の自覚ある!?
「はぁ、今に始まった事じゃないか。それじゃあ失礼するぞってお前なんだこの書類はぁあ!?」
デスクやテーブル中に乗っている書類の山、山、山!明らかに一人で出来るような仕事量じゃない!
「“いらっしゃい、リジー、コーヒーか何かでも用意したいんだけど見ての通り手が空いてなくて“」
「馬鹿野郎!俺のこと気にするより自分の心配をしやがれ!」
シャーレってこんなに忙しいのか!?いや、そもそもシャーレに所属してる生徒は一体何人居るんだ!?
「おい先生、シャーレに所属してる……いや手伝いは何人だ?」
「“えっと、ユウカとハスミ、スズミとチナツ、アビドスのみんな、ゲーム開発部とエンジニア部のみんな“」
「じゃあ手伝いに来てる生徒は?」
「“………ユウカとホシノ“」
「馬鹿野郎!」
それだけ手伝いに来てくれる生徒が居ながら手伝わせてる生徒は二人だけだと!?ふざけるなよ!お前!
「お前しばらく寝てないな!何徹だ!そんな状態で仕事をしたところで効率なんて落ちる一方だろ!それに生徒をたったの二人しか手伝わせてない!?この量だと十人居ても足りないくらいだぞ!?」
いや、そもそも俺に仕事を変わってくれって頼みに来たリオの後輩がそのユウカって生徒か!小鳥遊ホシノも教官としての仕事があるからいつでも手伝えるわけじゃない。
「クッソ!そこの書類寄越せ!お前は寝ろ!出来る限り個人情報が載ってるものは見ないようにするから!」
「“え、でも悪いよ。それに私は「先生だからなんて言うなよぉ?」ちょっと傭兵のリジーが出てない?“」
「お前が無理をすればキヴォトスが確実に傾くぞ。リオの一件が良い例だ。お前が生徒の支えになってることを忘れるな!寝ろ!!」
「“え、でも「当身!」っう!“」
出来るだけ手加減した当身をして気絶した先生を仮眠室のベッドに放り込む。
俺はテーブルのソファに腰掛けてから書類の整理を始める。
「えっと何々?猫探し、街の清掃、宅配、浮気調査……不良生徒の確保…………おいコラ、これ明らかにシャーレの先生がやる必要のない仕事が混ざっているよな?」
いや、まさか連邦生徒会もこんな感じなのか!?それで手が負えなくなった結果…生徒会の仕事が流れて…なんだ浮気調査って、なんだ猫探しって!!
「なんだ街の清掃ってぇえええええええ!!!!浮気調査なんて子供にさせる仕事じゃねえだろうが!この依頼主ぶっ飛ばすぞ!?」
だからシャーレに来たんだろうけどさぁ!
「ええい、シャーレや連邦生徒会以外で出来そうな仕事はうちの傭兵団に仕事を回すよう先生に口利きしとくか、それ以外の仕事についてはジャンル分けして」
それだけで重要種類かそうじゃない書類かで優先度は分かるはず、こんな書類の束がごっちゃになってちゃどれを優先すりゃ良いのか分からん。
「…まずは浮気調査か、隠密作業の優れた傭兵を派遣して、治安維持はPMC兵を何人か派遣すればいけそうだな。なんか適当な仕事を渡して派遣しておけば違和感はないだろ。猫探しは…猫好きの傭兵に任せるか、ん?捨て猫の引き取り手の依頼が来てるな……うちの会社で引き取るか、部下に猫を飼わないのかって言われてるし」
−−−その後は明らかに違うだろみたいな書類に文句を言いつつも徹夜で山を2つ片付けた