「理事、こんなセット用意してどうするんです?」
「これはアビドス生徒がキヴォチューブに配信するためのセットだ。堅苦しくなく生活感のある部屋でゲームをすることで恐らく、問題ないはず?」
「曖昧ですね。あ!どうせなら理事も一緒にやってみたらどうですか?カイザーPMC理事がこんなことしてるなんて誰も想像しないですからね」
「…あぁ、まぁ、考えておく」
正直こう言う動画を撮るのとかは苦手だから俺が出ることは無いだろ。今日はアビドス生徒の初のゲーム配信だからな。とっておきのゲームを借りてきた。
「さてと、後は小鳥遊ホシノたちを呼ぶだけだな」
「あ、それでしたら下の食堂で待ってもらってます」
「キミら準備良すぎない?」
今の時間だとまだ訓練してる筈なんだけど。まぁ、いいか。彼女たちを呼んで配信するか。
【 十分後 】
「な、なんか凄い本格的ね」
「わ〜!クッションとかもふかふかですね〜!」
「…zZZ」
「おいこら小鳥遊ホシノ!寝るな!!」
配信セットのクッションに顔を押し付けた瞬間寝落ちしやがったこいつ!
「冗談だよー冗談」
「いや本気で寝てたよな?」
こっちを見ろ小鳥遊ホシノ、なぜ目を逸らす?寝てないなら俺の目を見れるよな?
「……まぁいい、取り敢えず配信を始めるぞ。今日やってもらうゲームはこれだ」
「見たことのないタイトルね。これ誰が作ったの?」
「ゲーム開発部の生徒たちだ」
さて、お前たちはどのくらいでクリアしてくれるのかな?
「それじゃあカメラ回すぞ〜」
一応配信日とかは告知してるけど。何人見てくれるかな。
「皆さん初めまして!私はアビドスゲーム実況局の奥空アヤネと言います!」
「私は砂狼シロコ、よろしく。これで良いの?リジー」
「っば!?こら!俺の名前は出すなって言っただろ!」
あ〜!ほらもう視聴してる人から早速コメントがってなんか俺の名前が出た途端視聴率が一万人とかになってるのはなぜ!?
シャーレ『“このゲーム配信ってあなたの発案?良いね!楽しそう!“』
エリドゥ『あなたがこう言うことをするのは珍しいわね。それとも密かな趣味だったのかしら?』
賢者ももーい『ゲーム借りたいって言ってたけどゲーム配信するためだったんだね!今度私ともゲーム配信やろ!』
光の勇者『アリスも一緒にやりたいです!』
待て知り合いのコメントしか来てない上にすっごい分かりやすい名前なんだが!?モモイに至っては隠せてないし!!アリス、名前を出してはいけない。
「砂狼シロコ!俺は手伝いだけだって言ったよな!?」
「ん、ごめん、うっかり」
「まぁまぁ、この際だしいっそ一緒にやろうよ〜リジー」
むむむむ、確かにもう名前が出た時点で今更感はあるか。しょうがない。
「分かったが先にお前たちの自己紹介が先だ」
「はいは〜い、私は小鳥遊ホシノだよー。よろしくね」
「私は十六夜ノノミです♧!」
あ〜これうちの会社の部下も見てるな。じゃなきゃこの視聴率おかしいし。
「えっと、私は黒見セリカよ!」
「最後に俺が………海崎リジーだ」
スピア『おまww海崎リジーって名前全然変わってねぇしw』
アビ・エシュフ『これが海崎リジーの素の性格ですか』
「やかましい!俺だってこうなることを想定していたらもっと良い名前考えたわ!!」
ってかコメントの量がやべぇ、俺が画面に入った瞬間から凄いコメントの嵐が。
「え〜っと、それではリジーさん、私たちはゲームをするのは初めてなんですか。一体どんなゲームを持ってきてくれたんですか?」
「良い質問だ奥空アヤネ、俺が持ってきたゲームは俺が初めてプレイしたゲームでもあるこの『テイルズ・サガ・クロニクル』だ!」
画面いっぱいに「クソゲーだ!!」とか「あの悪夢が蘇るのか!」とか色々と流れたけど知らん!やると言ったらやる!!
「これはどんなゲームなんですか〜?」
「これはとある生徒たちが開発したゲームでなんと、賞で一位を取ったことがある代物だ」
「一位!?そんな凄いゲームを初回に持ってくるの?」
画面に、「それ騙されてる!」「これは悪い大人やでぇ」「なんて惨いことを」だのなんだの言われてるが知らん!俺の味わった苦しみをストレスと共にぶつけてやる!ここに先生が居ないのは残念だがな!
「そして俺はこれをプレイしたことがあるから今回は見学とさせてもらう。アドバイスとかはするから安心しろ」
「それは良いんだけど、プレイする順番はどうするの?交代とかもさー」
「順番は自己紹介順で交代は一回ゲームオーバーになる毎に交代してもらおう」
「カイザー理事って俺って言ってたっけ?」や「なんか会見とかで見た印象と全然違う」と言われてるが。まぁ、そこにツッコミを入れないでほしい。俺はカイザー理事ではなく海崎リジーなので。
「ではプレイスタート!」
『コスモス世紀2354年 人類は劫火の炎に包まれた』
「これはあらすじですか。なるほど」
「ボタンを押して進めるぞ」
『チュートリアルを開始します まずはBボタンを押して、目の前の武器を装着してみてください』
「はい!Bボタンですね?」
(ドカーーーーン!!)
「え」
『GAME OVER 』
「………え?」
まぁそりゃそうなるよな。そんな顔にもなるわ。
「眼鏡っ娘が唖然としてカイザー理事見とる」「カイザー理事はカイザー理事で思いっきり顔逸らしてるこれ絶対狙ってたでしょ?」とかのコメントを見ながら次のプレイヤーにリモコンを渡す。
「…さぁ!次はお前だ砂狼シロコ」
「ん、アヤネの仇は私が討つ」
「いや死んでないがな?」
奥空アヤネには悪いけど順番決めるの面倒だったから最初の犠牲になってもらった。さぁ、ここからゲームオーバー祭りだぞ!
「ここはAボタンで装備出来るぞ」
「それもっと早く教えてくださいよ!?」
「ネタバレになるから無理だな」
いや奥空アヤネには恨みは別にないんだけどほんと順番に関しては悩んだんだよな。今度何か奢るんで許してください。
【 三時間後 】
「う…へぇ」
「…ん、クリア」
「ちょっと待って色々と言いたいことが多すぎて、何から言えばいいのか分からない」
「え〜っと、こ、個性的なゲームでしたね〜」
「難易度が高すぎませんか?」
なんか砂狼シロコだけ表情変わらんのだけど鋼メンタル過ぎんか?俺なんてこれクリアした後、爆発しないと気が済まなかったんだけど。
「ふはははは!クリアおめでとうと言っておこう!視聴者の諸君も楽しんでくれたようで何よりだ!ふはははははは!」
「悪魔!鬼!カイザーマン!」とか「こんなゲームやらせるなんてお前正気じゃねぇ!」とか「宇宙とは、ゲームとは」とか色々コメントが流れていた。
「おい誰だいまカイザーマンって言ったやつ!?」
そのことは忘れて欲しいんだけど!?
−−−配信を終了した後はコメント欄はなぜかカイザーマンの嵐になっていた