成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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三十五話 マダムとやら…幾ら何でも限度があるぞ…おい

 

 『よし!アタシらは配置についたぜ!社長はどうだ?』

 「あぁ、強化されたパワードスーツの調子は良い感じだ!レールガンの反動に耐えるため少し重くなっているが許容範囲内だ」

 

 彼女たちはきっちりと仕事をしてくれたみたいで肩部にレールガン、背部に組立式のSRと腕部にRLを取り付けてくれた。その分装甲も厚くなってるようで耐久性も上がっているのが分かる。

 

 『グレードアップしたコンが帰って来ました。リジー』

 (おう!頼りにしてるぞコン!)

 

 今日はエデン条約が結ばれる日だ。先生に頼んであるから俺たち傭兵も堂々とそれを見学することが出来る。

 

 『既に現場に熱が籠っており、互いに譲らまいと張り詰めた空気になっております!誰かが一歩間違えれば大惨事になりそうなほどの雰囲気です!感じられますでしょうかこの空気感!』

 

 なんとも好き放題言っているクロノススクールの生徒の報道がモニターを通してキヴォトス中に広がっていくのを眺めながら様子を見ていると警告音が流れる。

 

 『上空に高速で動く物体を検知、形状からしてミサイルかと思われます』

 (ミサイル!?何か対策は!)

 『新武装のRGを命中させましょう、計算によれば今からチャージを開始し撃てば被害が出ることはないでしょう』

 (オッケー!)

 

 まさか早速これの出番が来るなんてな。

 

 俺は砲身をミサイルに合わせてチャージを始める。どんどんと古聖堂に接近するミサイルに焦りつつもしっかりと狙いを合わせ、いつでも撃てるように構える。

 

 『チャージ率97%…98%…99%…100%、レールガン、いつでも発射できます』

 「発射!」

 

 −ズギュン!

 

 レールガンを発射しミサイルに直撃させた。

 

 『レールガン着弾確認、ミサイルの破壊に成功しました』

 「おっしゃぁああ!」

 

 俺がガッツポーズを取る中で古聖堂が爆発したのが見えた。

 

 「マジか!?あっちにも爆弾が付けられてたか!」

 『おい社長!なんか幽霊みたいなのが出て来やがった!なんだこいつら!』

 『シャチョー!こっちにも幽霊が!』

 『社長!突然現れた幽霊に部隊は大混乱です!どうすれば!』

 

 幽霊みたいなやつだと?いや、今はそんなことどうでも良い!

 

 「言ったはずだ!貴様たちは自分を優先して好きに暴れろとな!それとも、たかが幽霊風情に怯えているのか?」

 『っは!バカ言ってんじゃねえよ!誰がこの程度の雑魚にビビるか!』

 『傭兵舐めないでくれる!?ぜんっぜん怖くないんですけど!』

 『そうでした!好き勝手暴れます!』

 

 これで良し!俺も古聖堂に向かわないとな。あそこには先生が居る。さっきの爆発で何人の生徒が戦えるか分からん!

 

 パワードスーツのブースターを噴かし、大急ぎで古聖堂に移動する。辿り着くと聖園ミカが負傷した桐藤ナギサを庇って防戦一方になっている姿が見える。他の生徒たちは次から次へと湧いて出てくる幽霊モドキの対処で大忙しだ。

 

 「フルバレッドだぁ!ふははははは!」

 「海崎リジーさん!?一体どうして、先生との契約は既に終わった筈では」

 「なんだ?先生は桐藤ナギサと聖園ミカに伝えなかったのか?契約は続行だ!なんだかよく分からんが相手はアリウス生徒だけじゃないようだからな!」

 

 あ、また増えた。

 

 「う〜む?青白く発光しているし撃っても撃っても増えるんだがなんだこいつら?本当に幽霊か?塩水持ってくるんだったなぁ」

 「“お札も用意しないと“」

 「なんだか凄い余裕そうな雰囲気出してるけど囲まれてるよ?私たち」

 

 本当だ。数百、いや、それ以上はいるか?レーダーに凄い赤点だらけだわ。

 

 「“ところでさっき上で爆発してたけど、リジーがやったの?“」

 「あぁ、ミサイル飛んで来てたぞ」

 

 あんなミサイルキヴォトスでは見たことなかったぞ。多分あれは戦艦とかそう言うのに積まれるような巡航ミサイルレベルのサイズだな……ってことはあれは巡航ミサイル?危ねぇな!?

 

 後ろから連続した爆撃を食らった。振り返るとアリウス生徒が居た。

 

 「ミサイルを撃ち落としたのはあれか、なんであんなのがここに…」

 『…驚きです。あれだけの40mm擲弾が直撃したと言うのに損傷がありません。エンジニア部、恐るべしと言うべきでしょう』

 (マジで?ノーダメなの?)

 

 想像以上の強化をしてくれたじゃん!

 

 「先生よ、パワードスーツを使っているのは良しとしよう。だが貴様は生徒相手に手を出せないんだからというか出す気がないんだから逃げてくれないか?」

 「“怪我をしてる生徒を置いて行けない、せめて安全なところまで避難させないと“」

 「もうちょっと状況を見てほしい先生、これはどうやら先生を狙っての行動のようだぞ?次から次へとやって来ている」

 

 更に言うなら今の先生はパワードスーツを使っているから格好の的、いくら先生用に特別ガラスを使用しても限度がある。

 

 「はっきり言って今の貴様は邪魔だ。ヘイローのない貴様がここにいる事で生徒たちは貴様を気に掛けながら戦っている。生徒の実力を発揮させるならこの場から去ることを推奨する」

 

 ここまで言っても先生はまだ悩んでいる。

 

 「ええい!!そこのゲヘナ生徒!先生のパワードスーツに乗り込め!」

 「え?私?……分かったわ」

 「“リジー?“」

 「動かぬのなら動かすまで!引き摺ってでも逃げる!」

 

 パワードスーツなんて売ったら先生は絶対に盾として残ろうとするのは予想出来た。だからいつでも引き摺って逃げられるようにパワードスーツ用の取っ手を付けといたんだよな。

 

 「生徒諸君!俺は先生を逃してくるので頼んだぞ!ふはははは!」

 「…あの人はいつもあんな感じなの?先生」

 「“う〜ん、いつもではないかなぁ“」

 

 −−−いつも俺が引き摺られてたからな、今度は先生が引き摺られる番だぞ!

 

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