マエストロの口調が難し過ぎる。
「そこを退けぇ!!」
アリウスの生徒たちには申し訳ないけど、MGで一掃させてもらった。それでも幽霊のようなのがまだまだ沢山いるけどパワードスーツに擦り傷すら与えられてない。
「なんだあの男は!?たった一人で来たのか!?」
アリウス分校の壁を破壊しつつ隠れていそうなところは潰していく。
「ふはははは!どうしたどうしたぁ!俺はこの程度の攻撃ではビクともせんぞぉ!」
「やつを止めろ!絶対に通す…うわぁあ!?」
警備が手薄かと思ったけど意外といるな、おい。ちょっと勢い任せにやり過ぎたか?
「マダム!俺が貴様を殴りに来た!お前がやらかしてきたことの報いを受けるが良い!!」
ブースターを切って普通に走っているとなんとも不思議な頭をしている男性…男性か?男性が立っていた。
「……この場に居るのが先生ではなく、そなたと言うのが些か不満だが、未完成品を見せなくて済んだと言う一点には礼を言わせてもらおう、カイザーPMC理事…いや、海崎リジーよ」
「…誰だ?貴様は」
いや、この人間ではない異形の頭。
「…貴様、ゲマトリアだな?」
「左様、本来であればこのような場で敵対するつもりは無かったのがこちらにも事情がある理解してくれると助かる」
「……つまり、マダムもゲマトリアだな?」
「…なるほど、確かに黒服が言っていたように海崎リジー、そなたは欲望のまま動く獣ではないようだ。侮ったことを謝罪しよう」
黒服の仲間かぁ、黒服とは前に手を切ったきり会ってないから何やってるのかと思ったけど。
「…これはゲマトリアの総意か?」
「否…それは否定させてもらう。このような芸術性のないことなど私からお断りしたいほどだ」
その言葉を聞いて少しホッとする。個人的には黒服はそこまで嫌いじゃないからな。これに関係ない、というか興味なさそうで良かった。
「そうか、ではそこをどいてもらおうか。俺も貴様に敵対するつもりはない。大人しく道を開けると言うのなら貴様には何もしない」
「残念ながらそうもいかぬのだ。侵入者の撃退を言われてしまったのでな」
なるほどな、あの巡航ミサイルもゲマトリアの誰かから貰ったものってことか。
「海崎リジーよ。アリウスと言う名の檻に閉じ込められし少女たちの憤怒を代弁するものよ。私の名はマエストロ、訳あってそなたと敵対する者だ…本来、舞台上から退場する筈だったそなたがこうしてこの場に立っているのも何かの運命、私の芸術の前に魅せてくれ……抗う者の輝きを!」
マエストロと名乗る男は指を鳴らすと、腕を前で祈るように合わせた異形が現れた。
「古の教義より生まれし人口の天使、かの者の名は『ヒエロニムス』…今ここに再誕せし聖者に喝采を!」
「…マエストロ、貴様のその芸術に関する熱意は尊敬に値する。しかし、今の俺に芸術鑑賞をしている余裕などない!だが名乗られたならば名乗るのが礼儀、良く聞くがいい!」
SMGを構えてヒエロニムスに銃口を向ける。
「俺の名は海崎リジー!アビドス傭兵団社長!アリウスという監獄で虐げられた彼女たちの憎悪を燃やし、いまこの場に立っている!ゲマトリアのマエストロ!邪魔をすると言うのならば貴様も貴様の芸術もぶっ飛ばす!」
−−−天使だろうが聖者だろうが関係ない!俺は悪党だ!気に入らないやつは全員殴ってやる!