成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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四十二話 今回の俺はいつも以上にボロボロだな

 

 「さて、ではベアトリーチェ、貴様は然るべき場所へと連れて行かせてもらおう」

 「いいえ!私にはまだバルバラが無傷で残っている!複製(ミメシス)能力だって保持しているのです!!」

 

 え、ミメシスって能力だったの?じゃああの子たち誰?

 

 俺はガスマスクを付けて棒立ちになっている彼女たちを見てそんな感想が出てきた。

 

 「……そのバルバラも貴様の醜態を見てやる気を無くしているようだが?」

 

 手に持ってるGMを構える素振りすら見せないんだけど?試しに手を顔の前で振っても特に反応しないし。いやチラッとこっち見たわ。

 

 「…なぁ先生、この子らは何だ?ミメシスって名前なのかと思ったけど能力だったらしいしバルバラ以外名前知らないんだが」

 「“え、いま?…えっと、この子たちはユスティナ聖徒会って言って規律の守護者の複製なんだって“」

 「…規律の守護者の複製?」

 

 その割には自我が確立されてる気がするんだけど。

 

 「まぁ、ユスティナ生徒とでも呼んでおくか」

 

 動かないなら別にそれで良いしな。

 

 「誰か縄か何か持ってないか?腕を縛ってヴァルキューレに突き出す」

 「その必要はありません」

 

 ……なるほど、一応回収する人材は寄越してたか。

 

 「あぁ、落ち着いてください…と言おうと思いましたが、そこまで驚いている様には見えない。この可能性を考慮していましたか?」

 「いいや?これでも少しは驚いている」

 

 黒服やマエストロとはまた違った感じの異形が出てきたことに。それどうなってんの?

 

 「私はゲマトリアのゴルコンダーー挨拶は省略するとしましょう、もしかしたら私たちは以前お会いしたことがあるかもしれませんから、私は戦いに来たのではありません。マダムを連れ戻しに来たのです」

 「私を……!?」

 

 だろうな、戦いに来たのなら油断した今の瞬間を狙えば良いんだから。

 

 「それに、戦闘で勝てる自信もありません、ゲマトリアが皆マダムのように怪物に変われるわけではないですからね。ええ、マダム、これで明らかになりましたーー先生はあなたの敵対者ではありません。これはあなたの物語ではないのです」

 

 うん?…マエストロともそうだけどこいつもベアトリーチェに仲間意識とか特にない感じ?

 

 「あなたが起こした事件、葛藤、過程の数々……それらは「知らずとも良いもの」に格下げされました。あなたは主人公どころか……先生の敵対者でもなく、ただの舞台装置(マクガフィン)だったのです」

 

 まぁ先生が何してたのか知らんけどほとんど俺がやっちゃったしな。

 

 「ゴルコンダよ。会話するのは構わんのだがこちらの事情も考えてはくれないか?俺は別に今ここで貴様ごとヴァルキューレに突き出しても構わんのだぞ?貴様は敵かそれとも傍観者か、今この場においての貴様の役割は何だ?」

 

 敵対するつもりはないと言っているがそれを信用する彼女たちではないんだぞ?

 

 「…失礼、私はあくまでマダムを連れ戻しに来ただけです。マダム起きてください」

 「“待って……!!」

 「待つのは貴様だ先生…やつが単身でこの場所に乗り込んだ意味を考えろ!」

 

 きっと何か仕掛けをしている筈だ。

 

 「…賢い決断です。海崎リジー…私は様々な道具を生産出来ます。先生が持っているヘイローを破壊する爆弾も私の作品ですので」

 「先生!?なんてもん拾ってんだ!?」

 「“いやこれスクワッドの子たちから没収しただけ!“」

 

 なんてもん生徒に持たせてんだお前は!?

 

 「お前なんてもん作ってんだ!?」

 「その爆弾がヘイローを破壊出来るかどうか確認出来なかったのでこれは廃棄する予定ですが」

 「二度と作るなこんな殺人爆弾!」

 「失礼しました。先生、海崎リジー、それでは、また」

 

 ゴルコンタはベアトリーチェを連れて生徒たちと傭兵たちの間を歩きながら去っていった。

 

 「……はぁ、疲れた」

 「アタシらよりボロボロじゃん社長、無理し過ぎだっての」

 「頑丈さには自信があったんだけどなぁ」

 

 片腕は吹き飛んで足はひび割れていた。

 

 「う〜ん、こりゃアビドスでのゲーム配信は一旦休みだな。パーティーゲームをしようと思って準備してたんだがこの怪我じゃ無理だ」

 「ゲームって何ですか?社長」

 「ん?えっとだな…色んな遊び方を一纏めにした名前だ。え〜、そうだな……俺の知り合いにゲームに詳しいやつがいるから今度紹介しよう」

 

 ゲームにも色々種類があるからな俺のとこにはゲーム機はあるけどゲームはないから現物を見せようにも無理。

 

 「じゃあ俺の会社に帰るとするか。傭兵たち!今日のことのボーナス期待してろよ!」

 

 −−−アリウスの子たちも連れて帰り、長いようで短かった一日がようやく終わった

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