「…………私に何か用かね?先生」
「“この間のことで、ちょっと聞きたいことがあってね。タイミングが悪かったみたいだけど“」
「っふん!聞いていたのなら話が早いな。さっきも言った通り私は貴様の生徒など微塵も興味などない。それとカイザーマンは私の部下だ。私は一切現場には行っておらん」
「“私はカイザーマンのことなんて一言も言ってないんだけど“」
しまった!黒服との中ボス戦で俺のMPが無くなっていたか!
「私の部下からカイザーマンなどと言うやつが襲いかかって来たと連絡が来たからな、それくらいのことは知っとるわ。そんなことより借金の返済の目処は立ったのだろうな?」
ここは借金の話をして路線変更を!!
「“それはまだかな、けどどうしてあんなことをしたのか聞きたくてね。どうにも引っ掛かるんだ。あの時出会った理事と今の理事はどこか違うような気がして“」
鋭いな。おい、けどいきなり俺はカイザー理事ではありません!成り変わりをしてしまった一般人なんです!なんての先生が信じるわけがない、だって俺は大人で彼の生徒ではないのだからな!
「“それと、これ、落ちてたよ“」
「ん?」
先生が俺に見せてきたのは俺が一週間前に着てたスーツのネクタイだった。
「んなアホな!?あのパワードスーツは蓋があるから中の物が外に出るなんて!…っは!?」
「”やっぱり、それがあなたの素の性格なんだね。あの時のあなたは生き生きとしていたから、そうなんじゃないかって思ってたんだ“」
こいつ!俺にカマを掛けたのか、ちきしょう!
「っく!まさか俺のネクタイと同じ物を用意して持ってくるなんてな。思ってもなかったぞ」
こうして俺のところに来たってことはまさかお礼参り!?それとも借金をどうにかしろとか、いやいや小鳥遊ホシノに謝罪しろか!?そんなこと無理だ!あの猫耳少女にボコられる!いやそれはまだマシな方だけどあっちにいる白い犬耳の少女に犯罪の片棒を担がされる。ただでさえギリギリの綱渡りなのにそんなことさせられたら。
「“それで、だからと言うわけじゃないんだけどお願いがあって“」
「っ!な、なんだ?」
ぜんっぜん話を聞いてなかった。やっべぇ、なんの話だ?なんか言おうとしてるみたいだけど。
「“私にもあのスーツを売ってくれないかな!この前はセリカに止められたけどやっぱりどうしても欲しくなってさ!“」
先生のそんな言葉を聞いてポカンと口を開けてしまった。
「………まさか、お前…そんな話をするためにここまで来たのか?敵だったところの本拠地のど真ん中に一人で????」
「“うん!カイザーPMCのカタログには載ってなかったから直談判しに“」
「帰れ!!!この馬鹿野郎!次は生徒連れてアポ取ってからこい!!!」
−−−俺はそんな子供っぽい理由でやってきた先生を摘み出した。もっとまともな理由で来て欲しいところだ