ラーメンを食べ終わった後は普通に黒服と先生と別れて会社に戻った。調印式の後始末がまだ残っているからだ。確かにあの時のことは無事に解決したが、まぁ事件解決だけで済む話じゃないんだよな。アリウス分校の生徒は全員俺が引き取ったとこによってアリウス分校の引き起こした爆破事件は俺が責任を取ることになった。まぁそれは全然構わないんだけどね。
「理事、こちらの書類なんですが判断に困り持ってきました」
「なんだ?見せてくれ」
どれどれ?アリウス分校生徒の教科書やその他制服などの購入手続き書……ん?…いやこれ宛先あってるのか?えぇっと、宛先はっと。
俺は宛先の見てみるとこう書かれていた。
『アリウス分校、学園長海崎リジー宛』
「……んん!?なんで俺学園長になってんの!?」
「…え?いや理事、前の書類にサインしてたじゃないですか。アリウス分校を引き継ぐ申請書類に……まさか良く確認もせずサインしたなんて言いませんよね?」
いや、それはないと思うけど。書類は全部確認しながらやってる筈だし見落としだってない…ちょっと過去のデータを確認するか…。
記憶には無かったから俺の中に残っているであろうデータを確認すると、調印式で爆破された古聖堂の請求書の中に紛れ込んでいた引き継ぎ書にサインしてるのを発見した。
「……やってたわ引き継ぎ」
「でしょう?それで、アリウス分校の制服や教科書がどうなっているのか分からないのでどうしたものかと」
そりゃ確かに判断困るわ。あれだ。アビドス高校の先生が先生しか居ないようにアリウス分校の先生は俺しか居ないことになってるし。
「…ん〜そうだな。新しい制服も必要になるだろうし教科書もどうせベアトリーチェのことだ。戦術だのなんだのしか載ってないクソ教本だろうし、購入しといてくれ」
「了解、それにしても……理事…あなたどれだけ事業を立ち上げるつもりですか?なんならリジーカンパニーとして独立します?」
エンジニア君が呆れて顔を浮かべて俺の立ち上げた事業の書類を取り出す。確かに…傭兵業にガラス、魚の餌、猫カフェに水族館、そしてこのアリウス分校…え?これ全部俺が立ち上げた事業なの?立ち上げた事業の方がPMCより儲かってんだけどこれ。え、こわ。
「…あ〜実は水族館はまだまだ大きくなる予定なんだ」
「…………あなた本当に何したいんです?これ…完全に遊園地とかそんなレベルの企画ですよ?」
うん!正直言うとやり過ぎた感はある!小鳥遊ホシノの圧に押されたとはいえ少し自重するんだった。
「それにしてもそうかぁ。アリウス分校は俺が引き継いだか………いっそのことこっちに建て直すか?アリウス」
「良いんじゃないですか?今更あんな薄暗い洞窟のような場所に建て直す必要ないですし」
「じゃあそうするか。建築業者に連絡を取ってくれ」
エンジニア君は「分かりました」と言って建築業者に予約を入れる。これアリウスの子たちに言ってないけど大丈夫かなぁ?嫌な場所だったとは言え、友達との思い出もあるだろうし。ちょっと聞きに行くか。
俺はエンジニア君にアリウスの子たちのところに行くと伝えてオフィスを後にする。
「あ、社長!どうしたんですか?」
「…あ〜いや、そのだな……アリウス分校をこっちに引越しさせようと思っているんだが……どうだろう?」
「……え?学校が…こっちに?」
正直言ってこの子たちのトラウマを刺激しそうで怖いな。言うのは少し早計だったか?
「…私たち……また学校に通えるんですか?」
「…あぁ、一応俺が引き継いで居るから…しっかりとした設備を整えることが出来るが」
「…良いに決まってるじゃないですか!あそこは私たちの唯一の学校なんですよ!?…本当ならトリニティに取り込まれてたかもしれないのに…アリウスのまま通えるなんて嬉し過ぎます!」
水無月スズカが興奮した様子で詰め寄ってきて俺の服の襟を掴まれて膝を強制的に地面に着かされた。いや力強いな…おい。俺って生徒に力じゃ勝てないんじゃないかこれ?え、俺キヴォトス人だよね?先生と同じキヴォトス外の人じゃないよね?
「わ、分かった。嬉しいのは分かったから襟を離してくれ、なんかプチプチと嫌な音が鳴っている」
「あ、すす、すみません!つい」
「いや、気にするな…俺の心配事が杞憂で良かったよ」
正直アリウスの子たちをどこに通わせようか悩んでたし、渡りに船ってやつだな。使えるものはなんでも使おうか。
−−−でも先生って何をすれば良いんだ?