成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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五十九話 なんで俺が手伝う羽目になってんだ!?

 

 「お〜雨が降り始めたな〜」

 

 今日も今日とて日課の散歩をしていると大雨が降り始めていた。数日前の誘拐があった日からどことなく雨が降りそうだとは思ってたけど。まさかその日じゃなくて今日降るとは。俺も思ってなかった。

 

 今日はおそらく先生がRABBIT小隊のところでなんかしてるだろうからそれ様子見するために出たんだけど。こりゃ様子を見るどころじゃないな。

 

 「“あ、リジー!ちょっと手伝って!“」

 「は?」

 「“はいこの撥水加工シートをモエ…えっと、眼鏡を掛けた子のところに持って行って機械を包んでおいて!」

 「ちょ、おい!?せんせいぃぃいいいい!?」

 

 またか!?またなのか先生!?お前まじでさぁ!!

 

 「ええい!おい眼鏡っ子!そのまま機械を抱えてろ!濡れないようにしっかりとな!」

 「分かったから急いで!このままじゃ本当に濡れちゃうって!」

 

 通信機器を濡れないように隙間なくシートで包んで他の機械も重ねられるやつは重ねて包んだ。壊れそうになってるテントの支柱などは先生が使えば良いと思って持ってきた鉄のやつを差し替えて折れないようにした。

 

 「だぁもう!足元が浸水してんじゃねえかよ!排水路どうなってんだ!」

 「私に聞かないでよ!?ここで機械濡れないようにするので精一杯なのに!ってか和牛の人何でそんなピンポイントに支柱持ってるの!?」

 「防水周りの方が補強出来たら、次は排水路を!土砂が詰まっているのか、水は溢れてて」

 「そう言うことか!?」

 

 そりゃこんだけ降ってたら詰まるとよな!どのくらいの大きさか知らんけど!

 

 −ドォン!

 

 「お〜い!?雷が落ちなかったかいま!?」

 「こ、公園の中央に!」

 

 支柱が倒れる前に急いで支えて防水テープと撥水テープをグルグル巻きにした。

 

 「おいコラ先生お前はいまどこに居る!!テント補強すんの手伝えよ!俺は大工じゃないんだぞ!?」

 「いやなんで咄嗟にそれ出来るんだよ。和牛弁当のお前、一体何者だ?」

 

 先生に予め大雨は降るかもしれないから気を付けろと注意したのがまさかこんな事になるなんて!俺は先生じゃ……いや先生だわ!?俺もう先生じゃん!所属はアリウスだけど!

 

 「はぁ…はぁ…おい!他に壊れそうな所はないな!?無いよな!?無いと言ってくれ!!」

 「あ、あぁ、昨日持ち帰った撥水加工シートとお前の支柱のお陰でどうにか持ち堪えた」

 「あ〜…座りたいけどまだ排水路があるのかチクショウ。次に飯食いに行く時は先生に全額払ってもらうからな」

 

 シャベルを持って排水路の方まで行くと先生が既に土を退かしに掛かっていた。

 

 「横に少し退け先生!全く、どうしてお前はいつもいつも俺に厄介事を持ってくるんだ!」

 「“いやまぁ、リジーなら文句は言いつつもやってくれるでしょ?“」

 「俺はちゃんと事前に報告しろと言ってるんだ!報連相をしろぉ!」

 

 俺はちゃんとエンジニア君に会社をしばらく留守にすることを伝えてるし不知火カヤにも今日は子ウサギ公園の様子を見に行くことを伝えている。

 

 後からやってきたRABBIT小隊と一緒に排水路を整備しているとようやく雨が止んできた。

 

 「って夜じゃねえか!!俺たち何時間やってんだよ!!」

 「“リジーって焦ると素の状態になるよね“」

 「誰のせいだと思ってんだ!」

 

 ゲンコツ当ててやりたいが今の俺は怒りのあまり力加減が出来なさそうだったから我慢した。

 

 「……どうして私たちを助けるんですか?何度も、何度も言ったはずです。何も変わらないと。先生が私たちに何を望んでいるのか私には全く分かりません」

 「おいウサギ娘、こいつに対して深く悩んだって無駄だぞ。この生徒バカは生徒の為に命投げ出すほどの大馬鹿野郎だからな。どうせまたお前達の事を生徒だからとかで助けてるんだ。それに巻き込まれる身にもなってみろ。計画性ゼロのこいつに最後まで付き合わせられるぞ」

 「“う〜ん辛辣“」

 

 アビドス生徒を突然押しつけてきたしトリニティではいきなり爆弾発言かましてくれたよな?学校が2つ消滅するかもしれん事柄を突然!聞かされてみろ!準備するのがどれだけ大変だった事か。

 

 「……そうですか…装備は一部がダメになってしまいましたがそれでも殆どの装備が無事です。それに公園も浸水せずに済みました」

 「はぁ…和牛弁当のお前はともかく、先生この公園での生活をやめてほしいんじゃなかったのか?…なんの得にもならないのにこんな…筋金の入りのバカだな」

 「ま、バカなのは最初から知ってたけどね。くひひ……」

 「もっと言ってやれ、こいつにはどれだけバカと言っても言い足りないからな」

 

 俺がそう言う先生は少しだけ苦笑いをするが、それだけだ。ちょっとは言い返せよな。

 

 「…助けは要らないと言い続けましたが……助けられてしまったのは事実ですね……ありがとうございます、先生、和牛ステーキの人も」

 「だから俺は……あぁもう良いや面倒臭い。もう和牛弁当の人でいいよ」

 

 思わぬ肉体労働で精神的に疲れた俺はもうツッコミを入れる気力すら無かった。

 

 「………一応、和牛ステーキ弁当持ってきてるけど、食べるか?」

 「……頂きます」

 「素直でよろしい」

 

 −−−俺は無事だったテーブルの上に弁当を置いて家に帰った……先生はあの後風邪を引いたらしいが自業自得だ

 

 

 

 

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