「あ!理事!今日はどうされましたか?」
「猫カフェの調子はどうかと思ってな」
「順調も順調です!今朝も新しい猫が来たんですよ〜」
「おぉ、また増えたのか……これ場所大丈夫か?」
最初は5匹だけだった猫カフェも、同じ猫がいるからなのかそれともマタタビの匂いに釣られたのか。ノラネコがいつの間にか紛れ込んでることがある。ノラネコだから客を引っ掻いたりしないか心配だったんだけど。なんか最初に引き取った5匹がボスネコの扱いなのか。よく客を威嚇する他の猫を宥めたりしてる。
「あの子たちがノラたちの面倒を見てくれてるので助かりますよ〜」
「そうか」
「あぁ!それと最近新しいメニューを考えているんですが。どうにも私共では決められなくて…理事に試食を頼みたいのですが良いでしょうか?」
「うん?あぁ、良いぞ」
今日も銃弾が飛び交う…いや猫カフェの近くは飛び交って無いな。驚くほど平和だ…。
「お待たせしました!こちら新作のネコネコプリンとなります!左から「カスタードプリン」「ミルクプリン」「抹茶クリームプリン」「ちょっぴりビタープリン」です!私としては舌触りが滑らかなミルクプリンを推しています」
「…また何とも終わりの無い争いを生むお菓子だな」
プリンも派閥があってそれはもうヤバいんだぞ。この間武器の問題を解決したばかりなのにまた火種になりそうなモノを。
「ふむ?クリームがそれぞれ猫耳になっていて顔の部分はこれ、チョコペンか?」
「そうです!」
取り敢えずは紹介された順に一口ずつ食べる。
「うん、どれも良いと思うんだが。全部じゃダメなのか?俺に食レポを求められても困るぞ」
カスタードは普通のプリンと違って弾力よりも柔らかさがあるし。ミルクプリンは滑らかで砂糖とかよりも牛乳そのものの良さを引き出してる感じがする。抹茶クリームは何と言うか…上品な味って言うのか?うん、そんな感じだ…で、最後のプリンはビターチョコを使った少しだけ大人な気分になる味だな。
「感想としてはこのくらいだろうか」
「なるほどなるほど……う〜ん、確かにこれは一つにするよりも全てをメニューに加えてしまう方が早いですねぇ」
「そうだろ?…ん?」
何か既視感を感じる視線が隣から来てる気が……
チラリと横を見てみるとそこにはつけ髭を付けたツインテールの少女がテーブルに張り付いてプリンを凝視していた。
「……何か用かな?お嬢さん」
「おいらはお嬢さんじゃ無いぞ。オートマタよ。レッドウィンター連邦学園の生徒会長であり、環境美化部部長、書記兼、清掃部部長……ええと…あとは………あと何だっけ……とにかく偉い人なのだ!」
「そのつけ髭は?」
「この口髭こそ権威の象徴なのだ!だからおいらにそのプリンを献上する事を許可する!」
またなんとも個性的な子に絡まれてしまったなぁ。
「…まぁ、俺一人では食べられないし。あげるよ」
「…ほわぁ!…ごほん!感謝する!」
生徒会長、とてもそうは見えないな。他の学校の生徒会長を見てると余計にな。何と言うか、今まで見て来た子供の中で一番子供らしいと言うか何と言うか…うん。
「食べる時くらいはその髭を外さないか?」
「ダメだ!これはおいらの権威の象徴だからな!例えカムラッドの頼みと言えど一瞬しか外さないぞ!」
「一瞬は外すんだ?」
ってもう3つ目食べてるし。
「……う〜ん!実に美味しいプリンだな!この店には勲章を与えてやらねばな!」
そう言ってつけ髭少女は手作り感のある勲章を取り出した。
「今はこれだけしか無いが後日、しっかりとした勲章を贈るので楽しみにするが良い!」
「あ〜そうだな……楽しみにしてるよ」
−−−俺は飲食店に行くと誰かと出会うフラグでも立ってるのか?