「これよりアビドス対策委員会の定例会議を始めます」
「………」
視線
「えっと、今日も借金の返済についてどうするかの案を出し合って」
「…………」
そしてまた視線
「残りの金額をどうやって稼いでいくかを決めていきたいと思います」
「………」
「ん、やっぱり銀行「却下」…ん」
突き刺さる視線を感じる!
「“ねぇみんな?“」
全員の視線が俺から先生へと移ることで一安心。出来ないなぁ。
「“どうしてカイザー理事がここに居るの?“」
「いえ、俺は海崎リジー…「もうそれは良いわよ!」…はい」
「前のことを問いただすのとホシノ先輩に謝ってもらうために連れてきたの!」
この子見た目の割に力が強くて高校に来るまでの間ずっと引きずられてたからな俺。
「うへぇ、理事のことは聞いてたけどほんと最初会った時と印象違うね〜おじさんびっくり」
「俺もまさか十代の少女に引き摺られるなんてビックリだよ小鳥遊ホシノよ」
「でも確かに前のことは気になりますよね!カイザーマンとかなんとか言ってましたし〜」
カイザーマンは俺じゃないって何度言ったら。いや、ちょっと待てよ?この際だ。俺も気になってることを聞くとしよう。
「…良いだろう。だが条件がある。俺の質問に答えろ」
「“うん、それだけ?“」
「それだけだ。まずは俺から、どうして俺のことを連邦生徒会に通報しなかった?お前たちの証言があればまず間違いなく調査は入るだろう?しかしこの一週間で連邦生徒会からの調査は全くなかった。なぜだ?俺はお前たちを苦しめている借金の相手、カイザーコーポレーションだぞ?」
アビドスにはシャーレの先生と、生徒である小鳥遊ホシノを攫った言う事実があるのに関わらずそれを公表していない。それが謎で仕方がないんだよな。
「それはあんたが私たちを助けてくれたからよ。一応ね!」
「ですね〜それにどうしてあんなことをしたのか聞きたかったですし〜!」
「…そう、それとあのパワードスーツが欲しい」
「それはシロコ先輩と先生だけですよね?この間先生なんてパワードスーツじゃなくてカイザー理事のスーツ買いに直談判してきたらしいし」
おい先生、生徒にまで知られてるぞ良いのかそれで。
「で!あんたはどうしてあの時来たのよ!それとホシノ先輩に謝れ!」
「…まず一つ言っておく。小鳥遊ホシノを攫うことを計画したのは黒服が勝手にやったことだ。俺はそのことについては一切の関与はしてないと否定させてもらう。そしてなぜあそこに来たかだな?それはカイザーPMCに対する被害を出来る限り少なくするためだ。兵士を雇うのもただじゃない。治療費、雇用費、武器代、弾代と色々と金が掛かる。計画が失敗した時点で俺はあの事態をすぐに終わらせるために動いていただけだ。さぁ以上だ質問はあるか!?」
一気に捲し立てて口を一切挟ませない質問は最後にやってくれるスタンスで言い終わると誰も質問をしてこない。
「よし、終わりで良いな。なら俺は帰る、小鳥遊ホシノに謝る必要もないからな……俺は正規の手順を踏んでいたに過ぎん」
「…この間の武力行使以外は…だよね?」
「…む?」
こ、この威圧感…まさか、小鳥遊ホシノか!?
「おじさんたちにはね〜この間の出来事を動画に撮っているって言う切り札があるんだよね〜」
「……この俺を脅すのか?」
「いやいや、そんなつもりはないよ?ただ。おじさんたちが困った時に、ちょっと力を貸してくれればそれで良いんだ」
ん?それは一体どう言う意味でなんだ?
「それはカイザーコーポレーションの理事としてか?それともただの海崎リジーとしてか?」
「その設定まだ通すの?」
お黙りなさい猫耳少女、仕方ないだろう良い名前が思いつかないんだから。
「ま、その時の状況によるかな?」
「……分かった。良いだろう、だが借金については助けんぞ。これに関してはハッキリ言って無理だ」
「そこは期待しないからへーき」
これがカイザー理事に借金してるなら少しは融通が効くんだけど、カイザーコーポレーションにだからな。
「これで話は本当に終わりだな?ではこれで失礼するアビドス生徒諸君」
「“あ、待ってカイザー理事“」
「なんだ?先生、まだ聞きたいことがあるのか?」
「“昨日のスーツの話と、パワードスーツを売ってくれないかの話を…“」
「貴様はそれしか言えんのか!?そんなに欲しければくれてやるわ!!だが値段交渉は一切しないからな!!!!」
−−−もうほんとやだ真面目な話をしてたじゃん。なんでスーツとパワードスーツの話になるの?